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2022.03.17

令和3年度学位記授与式(3月卒業) 学長告辞

皆さん、ご卒業おめでとうございます。

一昨年の学位授与式は新型コロナウイルス感染拡大により残念ながら中止となりました。昨年は本日同様、卒業生、修了生のみの式としました。例年であれば多くの保護者や来賓の皆様、教職員に祝福される場となるところですが、本年も新型コロナウイルス感染症が未だ収束をみないなか、保護者の皆様には会場へのお越しを控えて頂きました。しかし、この式の様子はオンラインで配信されており、保護者の皆様にはその雰囲気だけでも味わって頂ければ幸いです。

 

コロナ禍は私たちにいろいろなことを教えてくれました。海外では普通に行われていた遠隔授業が、コロナ禍により、急速に、日本中の大学に普及しました。また、遠隔地の人々と移動することなしにオンライン上で会うことができるようになりました。この点ではプラスの影響もあったと思います。一方で私たちは対面によるコミュニケーションの重要性を再認識することにもなりました。今日、ここで直接皆さんにお祝いの言葉を述べることができることは、私にとっても大きな喜びであります。

 

これまで2年以上に渡り私たちは新型コロナウイルスと対峙してきました。マスクをつけることが当たり前となり、「新しい日常」に私たちは対応しているといえます。学部生の皆さんは4年間の学生時代のうち、前半の2年間とは全く異なる後半の2年間を体験されました。大学院の皆さんは入学から修了まで、全期間においてコロナの影響を受けられました。遠隔授業への対応や部活やサークル活動の制限など、状況が一変し、その対応に苦慮されたと思います。厳しい環境にも関わらず、卒業、修了に向けて努力を重ねた皆さんに敬意を表したいと思います。

 

皆さんはこれから企業など新しい環境に身を置くことになります。当初は戸惑いもあるでしょうが、本学で学んだことは必ず皆さんの戸惑いや不安を払しょくすることでしょう。皆さんは自分が思っている以上の実力と潜在能力を持っています。自信をもって新しい世界に飛び込んで下さい。

大学での勉強は社会に出てすぐに役に立つものばかりではありません。しかし、大学で学んだ、問題意識を持ち、自分で考えるという態度、思考力などはこれからの皆さんの人生において必ず役に立つものです。

 

一方で、変化の激しい社会においては、常に新しい知識やスキルを身に着ける必要があります。社会に出てからも継続的な学びを忘れずに、これまで同様、自己研鑽に励んで下さい。これからは集団だけではなく個々の力が重要となります。自立した個人であることも重要です。

 

我々は激動する時代の中にいます。国内をみると、少子高齢化の急速な進行と経済の停滞が大きな問題となっています。世界のみならず、アジアにおけるプレゼンスも低下しています。短期的に解決できる問題ではありませんが、デジタル化やICTを活用し、生産性を向上させる必要があります。日本は課題先進国であり、課題解決と将来の在り方を政治家だけでなく個人個人が真剣に考えなければならない時代です。残された時間は多くはありません。これからの日本を変えて行くのは皆さんのような若い人たちの柔軟な発想です。皆さんに大いに期待しています、

 

海外に目を向けると、ロシアによるウクライナ侵攻により政治的な緊張が高まっています。世界情勢、そして国家間のパワーバランスは軍事力だけでなく、経済力、天然資源など様々な要因により変化します。グローバル化する世界の中で、常に大きな視点で的確に変化を読み取る能力が求められます。また、今回、気付かされたことは、国と国との戦いである戦争に市民がSNSで情報を発信することにより、大きく関わることができますことです。市井の人々の声が戦争を終結に向かわせる力となることを期待します。

 

この後、緑丘会の島崎理事長からのお言葉を頂きますが、本学の同窓会である緑丘会そして後援会からは在学生の皆さんに対して様々な支援の手を差し伸べて頂いています。一昨年、コロナ禍での奨励金の支給を他大学に先駆けて行うことができたことも緑丘会、後援会の支援があったからです。本学の110周年記念事業にさらにコロナ禍での学生の生活支援のため寄附活動を拡大して頂きました。皆さんにも同窓会である緑丘会の一員となり、後輩や本学を盛り立てて頂きたいと思います。

コロナ禍以前には学位記授与式の後、緑丘会主催の祝賀会が開催されていました。残念ながら、今年も祝賀会は中止となりましたが、緑丘会から皆さんに記念品のプレゼントがあります。卒業生のきずなの強さを表すものであり、先輩諸氏からの激励でもあります。是非、大切にして下さい。

 

今日の学位授与式は2回に分けての開催となりました。三密を避け、1回あたりの人数を制限することにより、開催が可能となりました。久々に友人と会う機会でもあり、名残惜しいとは思いますが、速やかに帰宅の途について下さい。そしてコロナが収束した暁には今日の学位授与式を思い出しながら、楽しく会食をして下さい。そのような日が一日でも早く来ることを願っています。

 

本年41日に本学は帯広畜産大学、北見工業大学と経営統合し、新しく北海道国立大学機構が創設され、その一員となります。この緑丘の地に110年の歴史を刻んだ本学も皆さんと同じように4月から新たな一歩を踏み出します。本学はこれからも力強く前に進んでいきたいと思います。

 

最後に皆さんの健康と幸多き未来を祈念して、私の挨拶を終わります。

 

2022年(令和4年)3月17日
   国立大学法人小樽商科大学学長 穴沢 眞

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