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2021.09.22

令和3年度学位記授与式(9月卒業) 学長告辞

 皆さん、ご卒業おめでとうございます。本学の教職員を代表してお祝いの言葉を送りたいと思います。

 昨年から続く新型コロナウイルスの感染拡大は未だ収束する気配が見えません。日本,そして世界が新型コロナの影響により大きく変わりました。ワクチン接種の拡大は一つの希望ではありました。一方で,ワクチン接種が進んだ国でも感染者の再拡大もみられます。ポスト・コロナではなくウイズ・コロナの時代が続くことが予想されます。

 新型コロナウイルスは私たちの生活を大きく変えました。ソーシャルディスタンスの確保,マスクの着用などの身近な生活習慣の変化もあります。皆さんが経験した大学での遠隔授業の導入,そして多くの会社が実施したテレワークなど,これまでの学びや働き方が根本的に変わろうとしています。

 本学の授業もこのような状況の中,昨年の前期はすべての科目が遠隔授業となりました。これは皆さんにとっても,そして教職員にとっても初めての経験でした。帯広畜産大学,北見工業大学との経営統合に向け,本学では一昨年からすでに一部で遠隔授業の準備をしていました。しかし,すべての科目を遠隔授業にするにあたって,学生の皆さんの通信環境の確認や先生方への研修など約1か月をかけて準備を進めました。

 コロナ禍が収束した後も遠隔授業がなくなることはないでしょう。多くの人が時間や場所の制約を受けずに学ぶことができる遠隔授業はこれからも一定の役割を果たすことになると思います。海外では以前から多くの大学で遠隔授業が行われていました。日本はようやく今回の新型コロナウイルスの感染拡大により世界の教育の潮流に追いついたといえます。

 働き方についてもテレワークの導入により,大きな変化が見られます。多くの職場で突然始まったテレワークに対応するため,TV会議の導入や通信環境の整備に人々は奔走しました。一方で通勤する必要がなくなり,時間的,そして体力的に余裕ができるなどのメリットも明らかになりました。デジタルを活用した働き方が一気に進みました。就職が決まっている方はこれから変化する働き方を身をもって感じるかもしれません。

 また,コロナ禍の中にあって,人と人が直接コミュニケーションをとることの重要性も再認識されました。遠隔授業やTV会議では視覚と聴覚だけを使っています。しかし人間は五感を通じて様々な情報を手に入れています。また,公式の意見のやり取りだけでは重要な付随的な情報が欠如してしまうこともあります。

 私たちは今,デジタルとリアルの双方の利点をうまく組み合わせ,コミュニケーションや学習や仕事の質を高めて行く時代に突入したといえます。また,これは個人の能力やスキルの重要性が増したことを意味します。日本における集団主義的な行動も徐々に変化し始めています。ジョブ型の就労も増えて行くでしょう。

 これに伴い,今後より一層,継続的な学びが重要となります。大学で学んだことがそのまますぐに社会で実践できるとは限りません。大学で学んだことを基礎に新たに仕事を通じて必要となるスキルを継続的に身に着けなければなりません。常に高い目標を設定し,挑戦を続けて下さい。

 大きく変化する時代です。皆さんのような若い世代にはこれからのウイズ・コロナ,ポスト・コロナの時代の先頭に立って活躍して頂きたいと思います。

 最後になりますが,今回のコロナ禍でアルバイトなどがなくなり,生活に困窮した学生もいました。これに対し,本学の同窓会である緑丘会から緊急の支援を頂き,奨励金として困窮した学生に支給することができました。本学の同窓会・緑丘会の母校愛はどの大学にも負けないものと確信しています。皆さんにも是非この精神を受け継いで頂きたいと思います。

 これからの皆さんのご活躍を心よりお祈りします。

                                        国立大学法人小樽商科大学学長 穴沢 眞

 

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