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研究者インタビュー 王力勇准教授

小樽商大の大学院でグローバルマーケティングを研究し、2015年に博士号を取得。観光マーケティング、観光業の流通チャネルに関する研究が私の主な研究分野です。

王力勇准教授

王力勇 准教授
WANG li yong
商学科


人が旅行を計画するとき、OTA(Online Travel Agency)と呼ばれる、ネット上の旅行業者に頼ることが近年どんどん増えています。

旅行イメージ

日本では楽天トラベル、じゃらん、海外ではExpedia、 Booking.comなどが代表的です。客の立場で見ると、旅行商品を買うまでの時間は短くなり、より便利になっていますが、その流通の仕組みは昔よりずっと複雑になっているようです。

ホテルのオンラインの予約を例に取れば、まとめサイトや比較サイトもあり、クリックしたり予約が成立したりすると、ホテルからコミッションが入りますが、どのような仕組みになっているのかは複雑すぎてよくわからなくなりました。

従来の店舗型旅行業者には、実店舗のコスト、人件費、などがありましたが、ネット上の旅行業者にはそういった固定コストが少ないので、多くのコミッションを出しても店舗型より値段が安くなり得ます。

 

ネットの進化により、旅行エージェントが伝統的な店舗型に戻ることはもはや無いでしょう。

 

王力勇准教授

マーケティングチャネルに関する研究では、有形財に関するものは多かったのですが、旅行業のような形の無いものに関する研究はあまりありませんでした。
まさに形の無い「旅行」という商品を扱う、トラベルエージェントはこれからどうなっていくのでしょう?
日本のお客さんでは、まだロイヤルティーが重んじられ、特に年配の方などは、対面しての販売を好む傾向もあります。

海外に目を転じると、北米では従来型のトラベルエージェントは激減し、将来は無くなるのではないかと言われています。中国でも団体旅行を除いては、従来型のトラベルエージェントの出番は減っています。さらに、FIT (Foreign Independent Traveler)といわれる個人旅行が増えてきており、団体行動を嫌う傾向が顕著です。

ネットはこれからどんどん進化するでしょうし、旅行エージェントが伝統的な店舗型に戻ることはもう考えられません。一方、富裕層向けの旅行業者はオンラインにはそれほど頼っていません。パーソナライズのニーズは高く、リクエストもユニークなものになっており、オンラインではできないサービスもあるのです。

 

北海道は観光大国。バランスよく観光客を呼び込む取り組みが大切と感じています。

ニセコ

観光が重要な産業である北海道にとっても、観光マーケティングは興味深いテーマです。外国人客でにぎわうニセコですが、ここ2年くらい、オーストラリアからの観光客が激減している、というデータがあります。北海道の別の地域に行っているのかというとそうでもなさそうなのです。道内にあまり行っておらず、白馬や蔵王に流れている可能性があります。ニセコは外国人ばかりで日本らしくない、値段が高すぎる、アジアからの観光客が増え、スキーを純粋に楽しみたいスキーヤー客が敬遠した、等の理由が考えられますが、実際にはどうなのか。その原因を探るため、継続的な現地調査が必要です。

北海道の観光も、特定の国や地域に依存することなくバランスよく観光客を呼び込むことが大切だと思います。欧米からの観光客はまだ少なく、知名度が低いのが現状です。北海道独自ではなかなか難しく、日本政府観光機構(JNTO)も本気に取り組んでもらいたいですね。

 

出身は中国の遼寧省。アルバイトをしながら自力で日本語を勉強しました。

王力勇准教授

私自身のことを少しお話ししましょう。出身は中国の遼寧省です。中国の大学でビジネス英語を専攻したあと、中国の会社の駐在員として1年間ナイジェリアに滞在した後、2006年に日本に来ました。最初は日本語もあまり話せず、アルバイトをしながら自力で日本語を勉強しました。その後、小樽商大の大学院に進み、グローバルマーケティングを研究分野とし、修士課程では中国の自動車産業のテレビ広告に関する分析をし、博士課程では全産業のテレビ広告に関する研究を行いました。

2015年に博士号を取得し、商大の専門研究員として研究を続けながら、旅行会社で働きました。仕事では世界の富裕層を対象とした旅行商品を企画・販売し、ILTM (International Luxury Travel Market)と呼ばれるフランスで開かれる商談会にも毎年出展し、海外の旅行会社との関係づくりをしていました。そういった実務経験も、今の研究に役に立っていると思います。

王 力勇(オウ リョクユウ)

中国遼寧省出身、2015年より小樽商科大学専門研究員、旅行会社勤務を経て、2018年より小樽商科大学商学部、准教授。商学博士(小樽商科大学)

研究者総覧

Column 商大探舎 Vol.22

勤労動員 その2

1938(昭和13)年以降に実施されていた集団勤労動員は、戦局の深刻化とともに、新たな段階に達する。1943年、政府の決定した「学徒戦時動員態勢確立要綱」にもとづき、小樽高商は北大、帯広高等獣医などとともに学校報国隊北海道地方部を編成した。小樽高商では全校生を3班に分け、八雲、千歳、女満別の飛行場建設に動員した。

勤労動員(岩原秀夫「勤労と兵役の中の緑丘生活」『小樽商大緑丘会報』 2,196.6.30)

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