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2020.01.22

平成31年/令和元年度第13回講義:「小樽商大から大学研究者への道へ」

講義概要(1月22日)

 

○講師:若林 緑 氏(平成10年)商学部社会情報学科卒/東北大学大学院経済学研究科准教授

 

○題目:「小樽商大から大学研究者への道へ」

 

○内容:

小樽商大の教員の娘に生まれた私は、商大で統計学や計量経済学の魅力を知り、父と同じ職業をめざすことになった。大学院に進級することではじめて小樽と北海道を出た私は、その後学問の深い魅力に引き込まれ、家庭と仕事を両立させながら現在は仙台で暮らしている。商大で学ぶことの意味と可能性について、自分のキャリアをもとに話したい。

 

 

 

職業を考えることは、どんな人生を送りたいかを考えること

 

 

若林 緑 氏(平成10年)商学部社会情報学科卒/東北大学大学院経済学研究科准教授

 

 

 

 

 

商大で統計学と計量経済学に出会う

 

 

 

私は小樽で生まれ、商大を卒業するまで小樽を出たことがありませんでした。大阪大学の大学院に進学して、大阪府立大学で教員生活に入って、いまは東北大学で教えています。今日はそんな私が研究者になっていったいきさつをお話しして、進路や生き方の参考にしていただければ良いと思います。

私の父、若林信夫は商大の社会情報学科の教授でした。ですから生まれる前から私には商大との縁があるのですが、私の「緑」という名前は、商大のある「緑町」や同窓会の「緑丘」に由来しています。潮陵高校を卒業して商大に進学しましたが、高校より大学への通学の方が近かったのです。
高校では数学が得意で、将来はコンピュータを使った仕事をしてみたいと思っていました。(いまのようにパソコンやインターネットが普及している時代ではありません)理系に進もうと思っていたのですが、物理や化学にちょっと苦手意識があり、それなら商大に進めばいいんだ、と思いました。父は反対したのですが、そうして商大に入ります。指導教員は、統計学の小笠原春彦先生と清水川緋紗子先生。

大学時代、札通生や一人暮らしの人がのびのび大学生活をおくっているのを見て、私は実家住まいで、おまけに父のいる大学に入ってしまったので監視の目が強くなったわけで、まわりをうらやましく思いました。とはいえ受験勉強から解放された楽しさもありました。部活はアイセック。1年生のときだけでしたが、楽しかったです。1、2年のときはよくアルバイトをしました。コンビニとかスーパー、税務署での確定申告の手伝い、そして家庭教師。
コンビニのバイトはチームワークですから、まわりとのあうんの呼吸で動く必要があります。これが私には向いていませんでした。そのかわり一対一の家庭教師はやりやすかった。私って教えることが得意かも、と思いました。

3年生になって、統計学や計量経済学と出会い、面白い!と思いました。小笠原春彦先生や清水川緋紗子先生、西山茂先生たちの講義です。小笠原先生のゼミではSASという統計ソフトを学びました。そして大学院で勉強することをぼんやり考え始めます。小樽を出て遠くで暮らしてみたいとも思いました。
父に相談すると、よし大学院見学旅行に行こう、と言ってくれました。父はほんとうに研究と教育が好きな人だったので、うれしかったんだと思います。いろんなアドバイスをくれました。そして父と、東京大学と筑波大学を見に行きました。
筑波大学で、商大から移られた山田宏先生に会ったとき、先生は「計量経済学なら大阪大学が良いよ」、と。それで大阪大学の大学院に挑戦することにしました。商大時代に読んで面白かった統計学の本を紹介します。

  • 『はじめての統計学』(鳥居康彦)

数学が苦手な人でも読み進める、統計学のエッセンスが身につくワークブックです。統計学に興味を持った人へおすすすめです。それと、最近読んだのですが

  • 『大学なんか行っても意味はない?―教育反対の経済学』(ブライアン・カプラン)という本。

著書は経済学者ですが、ここに「シグナリング」という概念が出てきます。教育の最大の役割は学生のスキルを伸ばすことではなく、「知力や協調性、仕事への姿勢についてのお墨付き(保証)を与えることにある」と言うのです。カプラン教授は、だから経済合理性の観点から、高等教育は縮小して職業教育を拡充すべきだ、と主張しています。
「シグナリング」に対応する概念が「人的資本」。大学で学びスキルを伸ばした学生(人的資本)を雇用すれば、企業は生産性が上がります。しかし雇用主は、誰が能力が高いのか、わかりづらい。だからより高いお墨付(シグナリング)を持つ学生を雇用しようと動機づけられます。カプランさんは、大学教育の8割はシグナリングだと言います。本来の学びである人的資本は2割。でも私は、その2割のひとつの分野(計量経済学)に価値を感じたのでした。
といっても学部時代はコツコツまじめに勉強したと胸を張ることはできません。なにしろ、時代の風潮もありましたが、勉強しないこと、授業に出ないことがカッコイイ、と思っていました(笑)。いまの皆さんときっとずいぶん違いますね。
ともあれ、長く続けられる研究という仕事を見つけられたのは大学があったからで、勉強もバイトも友だちづきあいも、私が商大で得たものはとても大切なものばかり。良い大学生活をおくったなあと、心からそう言えます。

 

 

 

かけがえのない大学院生活

 

 

 

さて大学院入試です。
ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学を、授業で身につけたことをベースに、ひとりで勉強しました。面接では、自分が何を研究したいのかを先生たちに伝わるように訴えなければなりません。
でも大学院に入るのは、それほど難しくはありません。入ってからが大変なのです。学部入試では、自分の学力に合った大学を偏差値などを基準に選びますが、大学院はちがいます。自分のやりたいことを深く探求することができる大学院をうまく選べるか、そしてそこに就きたい先生がいるかどうかが問題です。つまり、大学院は「人的資本蓄積」を目的にした場所であり、「シグナリング」を目的とした場所ではないのです。大学院でシグナリングは役立ちません。
1998年の春、私は大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程に入学しました。修士課程(マスターコース)2年間、博士課程(ドクターコース)3年間で構成された過程です。
ちょうどこのころ、日本の大学の大学院が拡充される改革が進められました。阪大の大学院の私の同期は60人いましたが、これが前年だと30人、前々年だと15人でした。またパソコンが普及していく時代でもありましたから、計量経済学を学ぶ学生には追い風が吹いていたと思います。それまでは、自分が書いたプログラムを専門の部署に頼んで動かしてもらうという手間がかかりました。しかし大学院に入るころには、パソコンで自分で計算できるようになりました。Stataというソフトで計算して論文を書く日々がつづきます(いま東北大で私は、StataRという統計ソフトを教えています)。

1年目は基礎固めで、コアコース(ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学)の勉強。2年目に修士論文を書いて、審査され、経済学修士となります。ドクターコースでは博士論文を書いて、審査を通ると経済学博士になれます(論文は3本)。私は2003年の3月にドクターコースを修了しました。

大学院で就いたのは、日系アメリカ人のホリオカ,チャールズ・ユウジ先生。日本で論文の引用回数が最も多い経済学者のひとりです。大学院では、ここまでがんばらなければいけないのか、とため息がでるほど鍛えられました。たくさん叱られながらも、私は先生とどこか波長が合ったのでついて行けたと思います。先生の信条は、経済学者は論文を書いて広く読まれることで存在する意味がある、というもの。英語で論文を書くことをひたすら学びました。

テーマは、大づかみでいうと、「社会保障制度の変遷を受けて人々がどのように行動してきたか、そしてこれからどう行動していくか」、ということになります。例えば日本の公的年金制度は、高齢化社会への対応として1985年に大きな改正があり、全国民共通で、全国民で支える基礎年金制度が創設されました。これが世代の構成比のアンバランスで、2000年くらいから危機の段階を迎えます。こうした動向と人々の行動を、ミクロデータを使って探求するのです。学食で晩ご飯を食べて、真夜中まで研究室で勉強して帰宅する毎日。起きるのは昼ころですから、いくら勉強しているとはいえ、実家にいたらお母さんから怒られそうな生活です(笑)。その意味でもひとり暮らしを満喫していました。ただ、論文を書くことは楽しいのですが、基礎力が足りないことを自覚しました。商大でもっともっと勉強しておけば良かったのです。(でも楽しく遊んだりしたことを後悔はしていませんから、仕方ないか、というところでしょうか)

そうして書いた公的年金と貯蓄に関する論文が、Journal of the Japanese and International Economiesという英語査読付雑誌に掲載されて、これがきっかけで大阪府立大学に経済学部の専任講師として採用されました。28歳でした。査読付雑誌とは、論文が同じ分野の研究者に評価を受けたのちに掲載されるもので、論文の質が保証されます。

 

 

 

大学院生から専任講師へ

 

 

 

毎日論文を書きつづけながら、独立した研究者にちゃんとなれるのかな、と不安を抱えていたので、うれしかったし、とても運が良かったと思います。近年では、パーマネントな大学教員への道はもっと難しくなっています。
振り返ると、研究に没頭できる大学院生活は本当にかけがえのないものでした。学部時代とはちがってまわりに流されることなく、好きな勉強だけに集中できるのですから。(そのぶん、きびしい競争やある種の閉塞感もありますが)大阪という土地も、行く前は日常会話でボケやツッコミをうまくこなさないと生きていけない、なんて脅かされていたのですが、そんなことはありませんでした(笑)。夏の暑さ以外は暮らしやすかったです。でも小樽では感じたことのない格差を感じるまちでもありました。

大学院時代は、今言ったように一面で将来への不安も大きかったのですが、もうひとつ大きな試練がありました。院に入った年に父の癌が発覚して、わずか1年半で亡くなってしまったのです。ちょうど商大の卒業式の日に、59歳で生涯を閉じてしまいました。家族のかけがえのなさや、大切なものを失ってしまうことの恐ろしさを思い知りました。

 

 

 

大学教員の生活

 

 

 

大学教員の仕事は、大きく三つに分けられます。講義、研究、大学運営です。
大阪府立大学では「社会保障政策」や「経済学入門」といった講義を持っていましたが、東北大学の経済学部で私がいま教えている中心は、「医療福祉経済学」。国の政策や社会動向を見定めてつねに新しいことを伝えていく授業なので、世の中の情勢をキャッチするのが重要です。当然、授業内容に興味を持つ学生とそうでない学生がいますが、経済学やデータ分析の面白さをなんとか伝えたい、と思っています。
3年生から大学院生までの論文指導は、レベルが上がってくる分、たいへんだけど楽しいです。私のゼミを卒業した学生の中には、ゼミで取り組んだことがSEへの就職に役立ったとか、もっと勉強したいので大学院に行くという人もいて、教員としてこれはとてもうれしいことです。

ここから私の研究内容についてお話します。
あらためて私の専門をあげると、「福祉経済学」、「家族の経済学」、「応用計量経済学」です。研究の目的は、経済学の中の理論を「データ分析」によって実証すること。それが現実の社会分析(労働や医療、教育、都市経済、家族といった分野)に応用されることに取り組んでいます。
ですから私のゼミで学ぶと、いま言った分野や、アクチュアリー(保険商品開発、保険のリスク管理)などで応用できるスキルが学べます。またアマゾンやグーグルなどは、ビッグデータ分析のために計量経済学者を社内エコノミストとして雇用していますね。

今回皆さんには事前課題を2つ出しました。急速な少子化と高齢化を受けて、

  • 日本の家族類型の割合の推移を調べてください
  • 「人はなぜ結婚する(しない)のか。子どもがほしいと思う(思わない)のか」を、指示された資料を参考にして客観的に述べてから、あなた自身の考えを論じてください

こうした問題意識は、家族の役割と社会保障のあり方についての私の研究に由来します。
生きていくと、いろいろなリスクが発生します。昔ならその多くは家族や世帯によって担われてきました。でも現代社会では、国がさまざまな保証制度を整えています。しかし、ご承知のように近年社会保障財政は逼迫して、公的な保証制度の整理・縮小が避けられなくなっています。さらには、かつて家族や世代によって担われてきたリスクのシェアも縮小傾向にある。では、これからの社会保障制度はどうあるべきなのか。これが私の研究のあらすじです。

日本では世代の小規模化が進んでいます。国勢調査によれば、2000年には3世代同居が1割くらいありましたが、2015年には6%に。両親と子ども一人の標準世帯が32%から27%へ。一方で単独世帯は28%から34%へ。小さくなる家族は、病気や事故や災害に出くわしたとき、これをどのように受けとめられるでしょう。
数年前に私は、「独身女性は予備的貯蓄をなぜ積み増すのか」というテーマで論文を書きました。(『新たなリスクと社会保障』東京大学出版会 所収)
結婚のメリットのひとつに、何かあったときに互いに支えられる、ということがありますが、配偶者がいないとこれができません。「消費生活に関するパネル調査」のデータを使って(パネル調査とは、調査対象を固定して同じ項目の情報を継続的に収集する調査)、結婚する確率を自分で低く見込んでいる女性ほど、病気や緊急事態への備えや老後のための貯蓄の目標額を高く設定していることを調べたのです。
このように私が取り組むのは実証分析といわれる分野です。そこでは、まず仮説を設定して、社会の状況や先行研究を調べます。そしてデータを集めてコンピュータで分析しながら論考を組み立て、それを政策への具体的な提言にまとめます。たくさんの人に読んでほしいので、英語で書いて査読用雑誌(refereed journal)に載せることを目標にしています。日本だけではなく世界の人にでも読んでもらって議論できることにやりがいを感じていますが、世界の土俵に上がるのはたいへんです。

実証分析について興味のある人には、例えばこんな本がオススメです。

  • 『計量経済学の第一歩』(田中隆一)

初心者でも読み進めることができるように,確率・統計の基本からていねいに解説されています。

  • 『データ分析の力—因果関係に迫る思考法』(伊藤公一郎)

広告と売上の関係や、政策とその社会的影響など、因果関係の分析に焦点を当てたデータ分析が初歩から解説されています。

  • 『「原因と結果」の経済学』(中室牧子・津川友介)

健康診断と長寿の関係とか、もっともらしいけど本当だろうか、といった事象の分析が、わかりやすく展開されています。

私自身の家族と仕事の関係について話します。
私は同業者と結婚しました。だから結婚の前と後で私の生活はそれほど変わることはありませんでした。最初の子どもを産んだころに夫は東京での研究生活に入ったので、もう10年くらい離れて暮らしています。週末や休暇のときに家族が揃う、という生活です。寂しくないかとか問題はないのか、と聞かれることもありますが、いっしょの研究グループで仕事をしているのでコミュニケーションは日常的にありますし、実は同業者と四六時中いっしょにいるのって、しんどいのです(笑)。だからこれがまあちょうど良いかもしれない、と互いに思っています。もちろん、いざという時にはお互いを頼りにしています。
子育てと研究の両立はたいへんでしょう、と聞かれることがあります。楽ではありませんが、私は子育てが好きなので、苦ではありません。私の一日は、7時ころ起きて朝ご飯を作って8時半にはふたりの子どもを幼稚園と小学校に送り出します。9時前から仕事開始。昼間は研究、授業、会議、学生指導といったことをこなして、夕方5時半に幼稚園に迎えにいって、夕食を作って6時半ころ3人で食べます。そのあと家事をして、9時半くらいに子どもたちが寝ると、仕事の残りを片づけ、0時くらいに就寝です。
実は子どもを持つことで研究のテーマがたくさん浮かびます。研究者は裁量労働制なので、時間の調整が比較的しやすいというメリットもあります。皆さんも、仕事と家庭を両立させたいと考えるのなら、「どういう仕事をしたいか」ではなく、むしろ「どういう人生を送りたいか」ということをしっかり考えた方がよいでしょう。

先ほど言ったように、大学で学ぶ意味にはシグナリングの部分が多いのですが、「人的資本蓄積」のこともたくさん意識して、幅広いスキルを高めてください。シグナリングを利用して良い進学先や良い就職先を見つけることは大事ですが、皆さんには、小樽商科大学で学ぶというシグナルに安住してほしくないのです。自由になる時間をたくさん持てる大学時代に、自分がどのような人生を送りたいのかを、じっくり考えてみてください。それができるのは、いましかありません。

 

 

 

 

 

 

<若林 緑 さんへの質問>担当教員より

 

 

Q 若林さんは社会情報学科で学びながら計量経済学へと進まれましたが、その経緯はどのようなものだったのですか?

 

 

A 商大では小笠原春彦先生のゼミで統計学を学んだのですが、それを社会の中で具体的に活かしたいと思ったとき、経済学のしっかりとしたフレームワークを使って仮説を組み立てるのが有効だと思いました。商大時代の経済学の講義では、山本賢司先生のマクロ経済学やミクロ経済学を学びました。1年生のときにはジョセフ・スティグリッツの英語のテキストを読み込んだりしました。経済学は、英語や数学と同じで、世界共通のツールであり土台です。それを使って自分で何かを探求するのは、とても面白いですね。

 

 

 

Q 大学院に進学する人はまわりにあまりいなかったと思いますが、その点で不安や苦労はありましたか?

 

 

A 社会情報学科から大学院に行ったのは、理系では複数人いましたが、経済学では私一人だったように思います。でも学問の世界の情報や文化は父から得ることができました。大学院入試は当たって砕けろ、という気持ち。正直、あまり苦労はなかったのです。でもその分、入ってからがたいへんでした。でもなんとかなる、とも感じていました。院生のころ小樽に帰ってゼミの仲間などと会うと、みんなは社会人で、ちゃんと自分で自分の暮らしを営んでいます。でも私はまだ親の援助を受けている身。ちょっと後ろめたい気持ちにもなりました。社会人は自由にお金が使えてうらやましいなぁ、と思いました(笑)。

 

 

 

<若林 緑 さんへの質問>学生より

 

 

Q 大学教員という仕事の醍醐味はどんなところにありますか? 福利厚生の面ではどうでしょうか?

 

 

A 一般論として国立大学の教員は私立大学の教員よりお給料は低いものです。そのぶん、仕事量の負担は少ないのですが。仕事のやりがいは、自分の興味を掘り下げて研究して、それをたくさんの人に伝えられること。そして、学生さんたちの人生で貴重な4年間に関われることでしょうか。

 

 

 

Q 研究者になるという進路を、後輩たちに勧めたいとお考えでしょうか? 魅力やメリットがある世界でしょうか?

 

 

A 自分がやりたいことをやるのですから、簡単ではありませんが、もちろんやりがいは大きいです。ただ、待遇とか満足度で学問の業界がオススメできるかどうかは、一概には言えませんね。経済学の分野に限っても、ほんとうに幅広い世界があります。私のやっている計量経済学は、社会の動きに比較的関わっているので、いわゆる「潰しが効く」世界かもしれません。でも、大学の先生になるのは、正直、大変だよ、とは言いたいです(笑)。

 

 

 

Q 大学院や教壇に立っていくつも大学を経験してきた若林先生ですが、小樽商大の個性や良さはどのようなところにあるとお考えでしょうか?

 

 

A 規模や立地はちがっても、学問の現場ということでいえば、私が経験してきた大学にはさほど違いはありません。大切なのは、自分がその環境とどのように関わり、どんなことを得ていくか、ということだと思います。いまの皆さんにはさほど自覚はないでしょうけれど、大学の4年間は人生の中でほんとうに貴重な時間です。自分と自分の将来をじっくりと考え、いろいろなことに挑戦できます。卒業するとそんなことはできません。そのことを意識して、有意義な商大生活をおくってほしいと思います。それと、やりたいことがあるなら、そこに集中してください。授業でも、すべての授業に全力を注ぐことはできません。集中してがんばることが重要です。私の場合はそれが計量経済学でした。もちろん、部活やアルバイトで学ぶこともたくさんあります。

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