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令和6年度入学式特設ページ

An entrance ceremony 2024

令和6年度 入学式

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学長 式辞

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商学部ならびに大学院の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
保護者の皆様もお喜びのことと思います。小樽商科大学の教職員を代表して、新入生の皆さんが本学の一員となることを心から歓迎致します。
 皆さんはコロナ禍のなかで中学、高校時代を過ごし、社会が大きく変わる姿を目の当たりにされました。学校での学びやクラブ活動、受験勉強でも大変苦労されたと思います。多くの困難を乗り越えた皆さんの努力に敬意を表したいと思います。一方で、逆境にある時こそ人は成長するものであり、皆さんもその例外ではありません。

さて、本学は明治44年、1911年に我が国で5番目の官立の高等商業学校として設立されました。創立以来、初代校長渡邊龍聖が掲げた、「実学・語学・品格」を教育のモットーとしてきました。大学の正門を入った左手に渡邊先生の写真と「実学・語学・品格」と書かれたモニュメントがあります。時代が移り変わろうとも、本学の教育の基本は変わることはありません。
皆さんにとって、実学という言葉は普段あまり耳にしないものかもしれません。ここで言う「実学」とは、現実に即した学問というだけでなく、幅広い教養と高度な専門性に裏付けられた実践的な学問のことです。本学では一般教育において歴史や文学、自然科学などの科目を揃えています。また、語学教育にも力を注いでいます。そのうえで、経済学科、商学科、企業法学科、社会情報学科において、より専門的な教育を行っています。さらに大学院教育については、小樽では大学院現代商学専攻、博士前期課程及び後期課程においてアカデミックな専門教育を行っており、札幌にあるビジネススクールでは主に社会人を対象に高度な実践教育を行っています。

一昨年4月に本学は帯広畜産大学、北見工業大学と経営統合し、新たに北海道国立大学機構が創設されました。国立三大学の経営統合は我が国でも初めての試みです。しかも、距離が離れた大学の経営統合であり、全国からも注目されています。北海道内の実学を担う三大学の経営統合により、「実学の知の拠点」となり、北海道経済の発展のため、新たな教育、研究を進めています。
三大学の経営統合により1年生の段階から他大学が提供する科目を履修することができます。これにより、これまで以上に幅広く教養科目を学ぶことができます。また、他大学の農学、工学を学ぶ学生とともに学ぶことにより、いわゆる理系の人たちの考え方もより身近なものになるでしょう。2年生以上向けのアントレプレナーシップ副専攻プログラムも始まり、学びの幅は広がり、多様性を持つようになります。

大学では皆さんが主体的に学ぶという姿勢が求められます。大学で何をどう学んで行くかは基本的に皆さん一人一人が主体的に考えて行かなければなりません。アクティブラーニングや学外での学びも用意されています。特に本学では研究指導、いわゆるゼミが必修となっています。3年生、4年生の2年間指導教員や他のゼミ生とともに専門分野について少人数で学びます。ゼミでの少人数教育も本学の教育の特徴の一つです。ゼミは専門の学問に触れるだけでなく、部活やサークル活動と並ぶ人格の陶冶の場でもあります。

今日、生成AIなどの技術の進歩により知識を持つことの意味が問い直されています。そのようななか、より創造的な発想や思考が重要性を増しています。今後、大学での学びや社会に出てからの学びも大きく変わる可能性があります。常に変化に対応し、自己を高める姿勢を持ち続けて下さい。
これまでも揺れ戻しを経験しながら、グローバル化は進んできました。大きな流れとしての経済のグローバル化自体を止めることはできません。日本にとっても、そして北海道にとってもグローバル化は経済活性化のために必要です。皆さんには常に世界情勢に目を向け、国際人となるための素養を身に着けて頂きたいと思います。

語学の重要性についてはここで改めて強調する必要はないと思います。皆さんの中にも留学を希望されている方がいると思います。本学はかつて「北の外国語学校」と呼ばれたほど、語学教育には力を入れてきました。その伝統は今も変わりません。さらに短期語学研修や交換留学の制度を設けて皆さんの後押しをしています。2017年にグローカルマネジメント副専攻を開始し、2020年度からはグローカルコースも始まりました。これらのコースでは、英語で留学生とともに専門科目を学ぶことができます。

また、これまでの入学式の式辞でも繰り返し述べましたが、12年前、本学のグラウンドにおいて運動クラブの学生が飲酒により死亡するという事故が起こりました。この学生は入学したばかりの1年生でした。亡くなられた学生には心からの哀悼の意を表したいと思います。一方で、私達はこの事故を教訓とし、二度とこのような不幸な事故を起こさないことを誓いました。その誓いの石碑が体育館の玄関横にあります。成人年齢は引き下げられましたが、二十歳未満の飲酒は法律で禁じられています。それだけでなく、飲酒は時には死につながる危険な行為でもあります。私達も皆さんにとって安全で安心できるキャンパス作りに努力していきますが、皆さん自身もルールを守り、充実した学生生活を送って頂きたいと思います。
最後になりますが、大学の4年間、そして大学院2年間、または3年間は皆さんの自身の限りない未来を作り上げる大変貴重な時間です。失敗を恐れず、あらゆることに積極的に挑戦してください。本学は皆さんの挑戦を全力でサポートします。

令和6年4月4日 国立大学法人 北海道国立大学機構

小樽商科大学長 穴沢 眞

北海道国立大学機構理事長 祝辞(ビデオメッセージ)

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北海道国立大学機構 理事長

長谷山 彰

緑丘会副理事長 祝辞

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本日ご入学を迎えられた皆さま、ご入学おめでとうございます。
また、多くのご家族の皆さまがご臨席されておりますが、ご家族・ご親族の皆さまがこの良き日をお迎えになられましたことを、共にお慶び申し上げます。
小樽商科大学の同窓会組織である緑丘会及び後援会を代表して、心よりお祝いを申し上げます

私は、1973年4月に皆さまと同じように、この入学式に出席いたしました。丁度、今から51年前のことです。
この半世紀の間に、日本は元より、世界は大きな変化に直面し、今後も変わっていくことと思います。私たち一人ひとりが、この変化に対して目をそらせるのではなく、変化の本質を見極めて、柔軟な発想力で変化に対応していかなければならないと思います。
皆さま方は、すでに小樽商科大学に入学して、様々な専門知識を吸収しようと希望に燃えていることでしょう。変化に柔軟に対応していくために、いろいろな経験を積み重ねると共に、いろいろな機会を活用して真摯に学ぶことが大切だと考えます。

小樽商科大学での学生生活のスタート台に立たれた皆さまに対して、二つの「学ぶ」についてお話をさせていただきます。

まず、大学のカリキュラムとして与えられる、一般教養科目、外国語科目、社会科学系の専門科目等をしっかり学ぶということです。もちろん進級や卒業のための必要な単位取得という目的もあると思いますが、実際に社会人となると、業種や職種にかかわらず、法律との関わりに直面することが多くあります。その際に法学部の卒業生でなくても、民法・商法や法学を学ぶことによって、該当する法律の条文や解釈について、調べるべきポイントを的確にとらえることが出来、法律に対する苦手意識を払拭できるはずです。
また、グローバルに活動領域が拡大する中で、英語は元より、第二外国語を駆使できる能力を身につけることが出来れば、貴重なビジネススキルとなること間違いなしです。皆さまもご承知のことと思いますが、一昨年に小樽商科大学は帯広畜産大学、北見工業大学との経営統合により、新たに設立された北海道国立大学機構の一員となり、経営統合による効率化に向けての様々な取組みがスタートしています。先日も、学長の穴沢先生に伺ったところ、三大学が文理融合教育を標榜し、遠隔教育を実現するためにリモートを活用して、38科目の共同受講を開始しており、直近では北見工業大学が発信する「プログラミング入門」を、小樽商科大学の100名を超える学生が受講しているとのお話をお聞きいたしました。51年前には考えもつかなかったITスキルの習熟チャンスを、是非とも有効に活用していただくことをお願いいたします。

二つめの「学ぶ」は、小樽での学園生活を通して、多くの人との出会いや交流を通じて学んでいただくことです。
私は、関西出身で初めて北海道で生活することもあって、4年間を学生寮で過ごしました。大学での学業、雪国での生活を含め、公私にわたって寮の先輩や同期生に教えてもらいました。寮の4年生の先輩が卒業を控えて、家庭教師先を紹介いただき、卒業するまで教え子のご一家からは息子が一人増えたかのように可愛がっていただきました。周囲に親戚も知人も居ない中で、ホームシックを感じること無く、4年間の学生生活を有意義に送ることが出来たのも、多くの方々との出会いや、ご助言、ご支援があったおかげと、半世紀経った今でも心から感謝しております。誤解のないように申し上げますが、私の学園生活をそのまま皆さまにお勧めするつもりではありません。大学には、体育会系や文科系のクラブ活動が多くあり、学生たちが主体的になってクラブを運営しています。体育会系の中には、北海道代表となって全国大会出場を目指す強豪チームもあるようです。また、既存のクラブ活動の枠を超えて、自分たちで新たな活動領域を掘り起こして、地域社会との連携を図るサークル活動も見られます。その一つに、昨年に結成された「同窓会である緑丘会員と現役学生の繋がりを強める」ことを目標に掲げる「緑輝星(りょっきせい)」サークルがあります。詳細はクラブ紹介等の機会に、是非とも皆さまご自身でご確認ください。人間社会は、皆さまがこれまでの人生でも経験されてきたように、一人で完結するものでは無く、大半は複数の人との関わりの上で成り立っており、構成する一人ひとりがそれぞれの役割を果たすことでグループとしての価値が高まり、その活動を通して個人の成長が計られるものです。この緑丘での学園生活が、一人ひとりの大きな成長に繋がることを、心より切望する次第です。

最後になりますが、小樽商科大学には小規模な大学だからこそ育まれてきた「学生・教職員・卒業生の強い一体感」があります。この緑丘での学園生活で培われた固い絆は、全国有数の同窓会組織である「緑丘会」を核にして、社会に出た後も続いていきます。緑丘会は80年程前に創られ、以来、同窓生相互の親睦を図り、母校である大学や、後輩である現役の学生に対して、物心両面での支援を目的に運営してまいりました。また、母校創立80周年の際に、後援会に募金委員会を設け、会員及び賛助企業からの記念募金活動を大々的に展開し、以後10年毎に規模を拡大して母校への助成金活動を続けています。直近の110周年記念募金では、コロナ禍の状況下にありながら総額1億15百万円の基金を積上げ、コロナ禍での学生への生活支援として15百万円を緊急助成いたしました。現在、本部事務所は東京池袋のサンシャインビルの57階にあり、全国主要都市に24支部を設けて活発に活動しております。。

皆さまは今日から緑丘での学園生活をスタートされますが、有意義な学園生活を過ごし、ご自身の真っ白なキャンパスに、ご自身の絵を思う存分に描いてください。 皆さまの前途を祝し、私の挨拶とします。ご入学おめでとうございます。

          

公益財団法人緑丘会副理事長

中村弘治

小樽市長 祝辞

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このたび、見事難関を突破され、晴れて小樽商科大学に入学されました皆様、誠におめでとうございます。また、御家族の皆様におかれましても、お慶びはひとしおと存じます。重ねてお祝いを申し上げます。

本市としましても、小樽市内はもとより、道内外からも新入生として皆様をお迎えし、この小樽で貴重な大学生活を過ごされますことを大変喜ばしく思っております。

 小樽商科大学は、明治44年に官立5番目の高等商業学校として開学以来、自由な学風と実学重視の精神に基づき、100年以上に渡って教育と研究、地域社会への貢献という使命を果たしてこられました。本学で学んだ卒業生の皆様が各界でご活躍されており、私としても誇りに思っております。
近年では、学生が主体となり授業に参加する「アクティブラーニング」で、北海道における先導的役割を果たしておられ、伝統校でありながら、常に革新を続ける姿勢に、大変、感銘を受けております。 また、皆様の先輩の中には、まちに飛び出して、例えば、市内の空き店舗をバーやシェアハウスに活用したり、市内の歴史的建造物をカフェに改装したりする活動に取り組んでいる学生さんがいらっしゃいます。
 これらの活動は、大学で学んだ知識や分析手法を活用して、地域課題の解決に取り組むものとして、市民の皆さんからも高く評価されております。座学では得られない、貴重な学びの機会でありますので、こうした活動にも、ぜひ挑戦していただきたいと考えております。

 本市は、2022年8月に市制施行100年周年を迎えました。石炭を輸送するため北海道で初めて鉄道が敷かれ、港が整備され、北海道開拓に重要な役割を果たした街であり、小樽高商で学んだ作家 小林多喜二は活発に動く人や物資の流れを捉え、当時の小樽を「北海道の心臓のような都会」と表現し、かつての繁栄がもたらした歴史的建造物や近代文化遺産が数多く現存しております。どうか皆様には、在学中に、小樽のまちの歴史や文化を存分に感じていただき、恵まれた教育環境の中で、思い出深い大学生活を過ごされ、将来は、「グローバルな視野で地域の問題を解決できるグローカル人財」として、活躍いただきたいと思っております。

 最後に、小樽商科大学の益々の御発展と、新入生と保護者の皆様、穴沢学長をはじめ教職員の皆様の御健勝と御活躍を心から祈念申しあげ、お祝いの言葉とさせていただきます。

令和6年4月4日

小樽市長 迫  俊哉

 

同窓会「緑丘会」の紹介

本学卒業生の同窓会であり、大学の行うキャリア開発教育に対する支援及び関連事業の運営支援、並びに就職支援事業の企画・運営、資金支援等を通じて、青年産業人材の健全な育成に寄与することを目的としています。
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新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。 只今ご紹介頂きました小樽商大同窓会事務局長の永井です。
私は1976年(S51年)に本学を卒業しました。出身高校は札幌西高です。高校同窓の方もいらっしゃるかと思います。 大学卒業後はゼネコンの大成建設に入社し44年間務めたのち現在の職に就いております。 さて、皆さんは新しい大学生活に向けて、さぞや期待に胸を膨らませていらっしゃることと思います。
皆さんには、是非この小樽という街に溶け込み小樽商大での学生生活を大いに楽しみ、勉学や部活に励んで頂くよう願っております。 皆さんは大学に入学したばかりで「同窓会」のことも初めて知る事となります。同窓会は「緑の丘の会」と書いて「緑丘会(りょくきゅうかい)」と言います。設立から85年が経過した歴史ある組織でもあります。

本日はこの「緑丘会」ともう一つの組織である「後援会」の活動について2点説明をさせて頂きます。
まず1点目、「この二つの組織」は学生の皆さんへ資金援助や講座の提供、就職支援などを行っているという点です。資金援助は、留学生への奨学金授与やTOEICの受験費用、これから皆さんが受講するであろうエバーグリーン講座への助成などです。 これらは卒業生の皆さんから納めて頂いた緑丘会への年会費や後援会への寄付金から助成しており、お世話になった大学への恩返しとして皆さんを応援したい先輩たちの想いが詰まっております。 因みに、これから皆さんも受講されると思いますが、エバーグリーン講座は本学を卒業された先輩諸氏が皆さんに実社会での経験や伝えておきたい事などを講義する内容で講師の選抜や運営費用を支援しております。 この授業は38年も続いており、学生の皆さんには高い評価をいただいております。 更に、皆さんが就職を考え始められる3年生を中心に240社以上の企業を大学へ招き、企業説明会を実施する就職支援活動も主催しております。 また、学内には「就職相談室」を設置しておりますが、就職に関する相談を受けるのも主に皆さんの先輩諸氏です。

2点目は、「緑丘会」は全国に24支部、海外にも支部があり、卒業した同窓生に有益な各種イベントを実施しているという点です。転勤等でお住まいが変わっても、それぞれの土地で充実したネットワークに参加いただき、人脈の形成や生活の糧に活かすことができます。  そして、皆さんには同窓会報「緑丘(入学おめでとう号)」をお届けします。ぜひ目を通して頂き、先ずは同窓会の存在と雰囲気を味わって下さい。 また、昨年1月から学生と同窓会を繋ぐ学生サークル「緑輝星(緑の輝く星と書きます)」が発足されました。もしかすると勧誘があるかも知れません。同窓会を知っていただく絶好の機会です。興味を持っていただき是非入会を検討して頂ければ幸いです。

小樽商大は伝統があり、小規模な大学だからこその一体感があり、先輩達は強いつながりを持ち続け、実社会で活躍し、太くて強いネットワークを築いています。 緑丘会は「小なれど固い絆の同窓会」です。 皆さん、この同窓会に是非関心を持って頂き、仲間になって頂き、お力を貸していただければ大変嬉しい限りです。 皆さんとお会いできる日を楽しみにして同窓会の紹介とさせて頂きます。本日は誠におめでとうございます。

公益社団法人 緑丘会

事務局長 永井健夫

校歌

小樽商科大学校歌

時雨 音羽   作詞
杉山 長谷夫  作曲

(一) 金鱗おどる渺々の
あけぼの称う浪の唄
エルムの花に若人の
涯なきのぞみ数々秘めて
夢うるわしの緑ケ丘よ

(二) 夕陽映える白樺の
梢をわたる風の唄
慈愛の山のふところに
銀翼みがき駿足秘めて
唄ほがらかの緑ケ丘よ

(三) 蒼穹はてず道つきず
はるかに仰ぐ北斗星
栄冠迎うこの胸に
飛躍の力ひととき秘めて
花咲き匂う緑ケ丘よ

(四) 健腕拓く五大洲
凱歌はあがる我母校
感激満てる若人の
血潮に清き教えを秘めて
春永遠の緑ケ丘よ

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JASRAC許諾第E1904223407号

応援歌「若人逍遥の歌」

応援歌「若人逍遥の歌」は、1955年に札幌地検小樽支部長として着任した高島茂氏が作成した逍遥歌の歌詞が大学に献呈され、当時の学生の宮内泰氏が作曲し、今も歌い継がれています。

若人逍遥の歌

高島 茂 作詞
宮内 泰 作曲

(口上) 春風颯々として山河をめぐり
百花繚乱の盛夏となりぬ
霧水来たりて百山紅を呈し
龍田の朔北(と)なれば暗雲天空を覆い嵐を呼び
紅山白山と化しその白雪の中に身を埋める

その厳しき天地のすべ我等が俗世と何の関わりが有ろうか
連山残雪に覆われし頃比の朔北の地に移りし我等なれば
何を悩み何をば求めん

俗世の安楽冥利とは大海に漂う塵の如し
我等その塵に何ぞ命を託さんや
今こそ悪夢より覚醒出でて
打ち寄する荒波の如き熱き血潮を持って杯をかかげん
春宵の暁にいざいざいざ歌わんかな我等が命を

(一) 琅玕融くる緑丘の
春曙を逍遥えば
浪漫の靄に街沈み
風悠久の言葉あり
瀾朶の桜花吹雪つつ
あわただしくも逝く春の
伝統古き学舎に
展ける海のはてしなき

(二) 夏白樺に囁やきて
ハイネの詩を口ずさむ
みめ美わしきまなざしの
又なき時の愛しさ
断崖落ちて波くだけ
オタモイ遠く帆走れば
オタルの嶺々の夕あかね
冴ゆる北斗にうそぶきぬ

(三) 秋簫条の思い濃き
ポプラにかかる雲消えぬ
流転の行旅夢に似て
悩みの思惟を誰か知る
感傷笑うことなかれ
桜ケ丘にたたずみて
泪滂沱と憂愁の
落葉の行方誓うかな

(四) 氷雪海に傾きて
月寒ければ翻とかん
晦冥行路遠けれど
われに港の乙女あり
流星落ちて影もなし
逝く青春の足音に
生命を惜しむ若人は
永却の杯酌まんとす

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応援歌「若人逍遥の歌」の著作権について

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