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ビジョン・戦略

学長挨拶 新しいビジョン2030策定にあたり

 日本は今後20年間で本格的な人口減少社会を迎えます。とりわけ北海道ではすでに総人口が500万人を下回り、地方部の高齢化も急速に進行しています。この傾向は今後さらに加速し、1992年に207万人であった18 歳人口は、2035年には100万人を割り込む見込みです。人口成長を前提とした社会システムはもはや維持できず、社会の構造転換が不可避となっています。

 こうした状況の中で、大学もまたその在り方を変革しなければなりません。小樽商科大学は令和4(2022)年に帯広畜産大学、北見工業大学と経営統合し、北海道国立大学機構として新たな一歩を踏み出しました。 機構の掲げる、北海道経済・産業の発展、国際社会の繁栄、そしてSDGs に示された持続可能な社会への貢献という使命の下、三大学が連携しつつ、本学の特色を最大限に発揮しながら進化を続けていきます。

 さらに本学は2021年、「北海道で高等教育に触れられない道民をゼロにする」という理念のもと、ユニバーサル・ユニバーシティ構想を公表しました。経営統合後、この構想は機構全体の重要目標の一つに位置付けられています。2026 年には、道内10 市町村と包括連携協定の締結を通じた拠点形成が完了する見込みです。また、国公私立大学、企業・経済団体、自治体・官公庁が連携する人材育成拠点として、一般社団法人北海道ユニバーサル・ユニバーシティコンソーシアム(HUUC)が設立されます。

 HUUCは、減少する人口の中でも一人ひとりの能力を高め、その力を生産性向上の源泉として経済水準の向上を図り、道民のウェルビーイングの実現を目指します。18歳人口が減少するなか、大学教育の対象はより幅広い世代へと拡大します。HUUC ではリカレント教育を中核に据え、北海道における人材育成と人材需給の適切なマッチングを推進していきます。これらの目標達成のため、本学自体も大きく変革します。このたび「小樽商科大学新しいビジョン2030」を実現するための五つの戦略を策定しました。これらは本学の課題を克服し、北海道社会の諸問題に真正面から向き合い、世界水準の研究を推進し、大変革の時代に活躍できる人材を育成するための指針です。コロナ禍は人々の距離感や価値観を変え、さらにAIの本格的な浸透は人間の在り方そのものに影響を及ぼしつつあります。急速に変化する世界の中で、本学が果たすべき役割はますます大きくなっています。 ビジョン2030には、北海道に真に必要とされる大学であり続けたいという私たちの強い決意が込められています。  

小樽商科大学長 江頭 進


新しい3つのビジョン

グローバル社会における北海道経済活性化に資する人材育成

   本学は、明治44(1911)年の開学以来、「実学・語学・品格」を教育理念とし、広い視野と豊かな教養並びに倫理観に基づいた深い専門的知識と識見を有し、現代社会の複合的、国際的な問題の解決に指導的役割を果たす人材を育成してきました。

 平成25(2013)年には「No.1グローカル大学宣言」を行い、さらに、翌平成26(2014)年の「ミッションの再定義」において、「グローバル時代の地域(北海道)マネジメントの拠点として、グローバルな視点を持ち、北海道経済の発展に貢献すること」が本学のミッションであることを改めて確認しました。このミッションの下、令和3(2021)年度には、全国的にも例がない「ギャップイヤープログラム」を盛り込んだ新たな教育課程「グローカルコース」を開設し、グローカル教育の完成形を見ました。

本学は、これまで培ってきた実績と成果をもとに、この度新たに「新しいビジョン2030」を策定しました。教育・研究・社会貢献の3つのビジョンの下、さらなる発展を目指します。  

未知なる時代に立ち向かうための人間力を育成

   予測不可能な時代において、複雑化・多様化した社会課題に対応できる多面的な知識と柔軟な思考力をもつ人材を育成するため、本学の教育の根幹である学部カリキュラムの抜本的な見直しを行います。新カリキュラムでは、これまでになかった多様な価値観を認めながら、変革期の社会課題に対して自分の力で答えを導き出す力を養うために、時代に即した教育内容への改革を行います。

 さらに、ビジネススクールの教育ノウハウと強力な産学官連携ネットワークを生かして、「アントレプレナーシップ副専攻プログラム」を導入します。本副専攻プログラムでは、北海道の産業と経済の活性化に資する将来のビジネスリーダーを育成するため、多様な地域課題・企業ニーズを取り入れた教育プロジェクトをカリキュラムに組み込んだ、実践的な教育を提供します。

産業界・他大学等との連携による
グローカル研究の強化・発展

 

 これまでも重点的に取り組み成果を上げてきた本学の「グローカル研究」を一層発展させるべく、海外・国内他大学との研究連携を深めます。これまで留学等を中心に交流してきた海外大学とは、教員の相互派遣等による国際的な研究の推進はもちろん、研究生の派遣・受入を通じた大学院教育の改革にも繋げることが期待できます。

 また、北海道の産業界や行政・自治体が抱える課題・ニーズに対応した研究も加速させていきます。本学の強みである経済、経営、マーケティング、会計、企業法学、情報工学といった研究資源を融合させ、研究の推進、成果の応用・社会実装を進めます。

インクルーシブな高等教育の普及による
地域アントレプレナーの育成

 
 本学では、北海道社会が抱える課題解決のためには「地域に残り、地域に必要とされる能力を持つ、地域のために貢献できる人材」の育成が急務であると考えています。これは人材育成にとどまらず、その地域における若者の人口流出及び地域の衰退を解消し、地域産業を発展させることに繋がります。

 本学が掲げる「ユニバーサル・ユニバーシティ構想」では、大学と自治体・企業が協働し、<高等教育に触れられない北海道民を「0」に>を目標に、地域シーズを発見・育成し、地域再生に貢献できる地域アントレプレナーの育成に取り組みます。本構想では、北海道内複数個所に地方サテライトを設置して地域の教育及び産学官連携の拠点とするとともに、「①進学支援」「②リカレント教育」「③教養教育」の3つのプラットフォームを構築し、その地域の実情に合わせて展開します。

上記の3つのビジョンの詳細は、「小樽商科大学 新しいビジョン2030」に掲載していますので、是非ご覧ください。(2026年3月一部内容更新)

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    グローカル人材育成に向けたこれまでの取組

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