
- <担当科目>
- 中国語Ⅰ
- 中国語Ⅱ
- 上級中国語
章 天明 教授
ZHANG Tianming
文法・方言・教育をつなぐ言語研究
—副詞の世界から見える中国語の奥深さ
私は主に、現代中国語の副詞、とくに語気副詞の主観性や機能に焦点を当てた文法研究を行っています。語気副詞の文法化の過程や主観性の程度を示すスケール、語用論的機能を詳細に分析し、副詞が文脈の中でどのように意味を形づくり、話し手の主観的な態度を表すのかを明らかにしています。たとえば、「确然」の文法化プロセスや「终于」と「总算」の語用機能の比較を通して、副詞の時間的側面と主観的側面の両方を考察しています。
また、範囲副詞の習得に関する誤用分析や、多義性についても研究しています。これにより、中国語学習者が副詞をどのように習得していくのかを実証的に明らかにしてきました。教育面では、第二言語としての中国語教育におけるオンライン授業の効果、対訳トレーニングの実践研究、AIを活用した教材開発や教授法の改善にも取り組んでいます。さらに、方言研究にも関心を持ち、方言(呉語)に見られる「三不知」という表現の意味や機能を分析するなど、理論研究と教育実践をつなぐ学際的なアプローチを展開しています。私の研究は、言語学理論と教育応用の両面から、中国語の表現メカニズムを解明することを目指しています。
言葉の微妙な違いに魅せられて
—副詞でひもとく中国語のふしぎな世界
「やっと宿題が終わった!」「どうにかテストに合格した!」— こんなとき、中国語では「終于」や「总算」という言葉を使います。でも、この2つ、実は微妙にニュアンスが違います。「終于」は「長い時間を経てようやく」という達成感、「总算」は「困難を乗り越えてどうにか」という安堵感を表します。中国語には、こうした「気持ち」や「話し手の態度」を伝える副詞がたくさんあります。「副詞」を研究すると、単なる文法のルールだけでなく、人々の考え方や文化まで見えてきます。
さらに、中国には方言ごとに独特の表現があります。例えば、呉語方言では「三不知」という言葉が「全然知らない」という意味で使われますが、実は古い中国語の名残でもあるのです。方言を調べることで、言葉の歴史や地域ごとのコミュニケーションの違いがわかります。
また、外国語として中国語を学ぶ人向けの研究も進められています。例えば、日本語話者がよく間違える副詞の使い方を分析し、より効果的な教え方を考えることで、学習がスムーズになるよう工夫されています。
言葉は人々の感情や文化、歴史が詰まった「生き物」です。中国語の副詞を深く知ることで、言葉の奥深さや面白さに気づけるでしょう。言語学を学べば、こんなふうに「言葉の秘密」を解き明かす研究ができるかもしれませんよ!
学びを社会につなぐ言語研究
言葉は単なるコミュニケーションツールではありません。人々の歴史や文化、感情が詰まっています。中国語に限らず、どんな言葉にも「なぜこういう言い方をするのか?」という謎がたくさん隠れています。その謎を解き明かし、異文化を知ることは、新しい世界への入口となります。私の授業や研究を通じて、皆さんと一緒に言葉の面白さを探求できたら嬉しいです。
また、小樽の博物館や文学館との研究プロジェクトでは、地域の文化を中国語で発信するお手伝いもしています。言葉の研究は、教室の中だけではなく、地域社会や国際交流にもつながるの――そんな実感をぜひ味わってください!
皆さんには、言葉の仕組みを学ぶことで、異文化への理解が深まり、将来の可能性が広がることを知ってほしいと思います。一緒に言葉のふしぎを探ってみませんか?
論理と思いやりを育む学び
—中国語の意味を探る旅
中国語を学ぶ意義は、論理的思考力と異文化理解力を養えることです。文法や言語の仕組みを分析するには、細やかな観察力と論理的推論が求められます。また、外国語学習を通じて、異なる文化背景を持つ人々の考え方や価値観を理解できるようになります。一方で、理論と実践のバランスを取るのは難しく、文法規則を覚えるだけでは不十分です。実際の会話や文章の用例観察、データ収集や統計分析など、多様な研究手法を駆使する幅広いスキルが必要です。例えば、日本語では「ありがとう」と感謝を明確に表す一方、中国語では「你辛苦了」のように労力をねぎらう表現が多く見られます。こうした違いは文化による「思いやり」の表現の差であり、多様な価値観を受け入れる柔軟性を育てます。さらに、方言研究からは、地域の歴史や生活様式が言葉に深く刻まれていることが分かります。言語学習は単なる外国語習得ではなく、人と社会を理解する旅でもあるのです。
語学とビジネスで、広げる新しい新天地へ
小樽商科大学は、語学とビジネスの両方を学べる貴重な環境です。中国語を学ぶことで、アジア市場で活躍するチャンスが広がります。私の授業では、単に語彙や文法を覚えるだけでなく、「どう使うか」を実践的に学び、ビジネスや文化交流に活かせる力を養います。
「言葉は生きている」ということをお伝えしたいです。文法や辞書の説明だけでは表しきれない、話し手の感情や文化背景が言葉に反映されます。方言にはその土地の歴史や人々の思考が詰まっています。また、外国語を学ぶことで新しい視点が得られ、世界が広がります。
中国語に興味がある方は、ぜひ挑戦してみてください。最初は難しく感じても、理解が深まるにつれて「なるほど!」という発見が増えていきます。私自身、研究を通して多くの驚きと喜びを味わってきました。皆さんにも、言葉の面白さをぜひ体験していただきたいと思います。
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