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教員インタビュー 小林敏彦教授

  • <担当科目>
  • 学部:英語I・英語II・英語科教育法IV(英語音声学とリスニング教材開発)
  • 大学院:ビジネス英語II(初中級ビジネス英語)・ビジネス英語III(中級ビジネス英語)・ビジネスワークショック(ビジネスプランコース担当)

小林 敏彦 教授
KOBAYASHI Toshihiko


英語教授法と教材の開発および英語学習者のコミュニティを支援するための有効なフィードバックの量的・質的研究

 日本人英語学習者の持続的自律的英語学習を促進する英語教授法と教材の開発および英語学習者のコミュニティを支援するための有効なフィードバックの量的・質的研究をメインに、近年は語彙力の重要性を再認識し、日本人英語学習者に最適化された英和辞典の編纂に力を入れています。

教材は自分で作らなければならない

 私が英語教授法や教材開発に興味を持ったのは、中学高校大学と英語学習を進めて行く上で自分にぴったり合った英語の教材がなかったことが始まりです。実際にオーセンティックな英語に触れていく中で、辞書等に記載されている語法とのずれや矛盾に気づき始めました。時に、渡米してからは、アメリカ英語とイギリス英語の違いなど混乱する現実があり、正しく記述するのは困難であることを悟りました。ゆえに、この現実の正しい英語の姿を英語学習者にわかりやすく伝える使命感が生まれました。

研究分野と地域・社会とのつながり

 

 地元教員委員会の英語教育向け講座、その他の学術団体主催のスピーチコンテスト等の審査委員長等、各種団体からの講演会などを行っています(写真は韓国での学会の様子)。

ゼミの最終成果は英和辞書の出版

ゼミは毎週木曜日14時半から3、4年生合同でゼミ室(256)で行っています。詳細については、以下をご覧ください。
(以下は、令和8年度のゼミの募集要項です。令和8年度以降の募集に関しては、内容が異なる可能性がありますので、あくまでゼミの内容の参考としてください。)


1.研究主題
メディア英語談話分析とリテラシー
Discourse Analysis & Literacy

2.指導要領
英語メディア(CNN BBC NHK ロイター通信等から配給される(ネット)ニュース、英字新聞、ポドキャストおよびSNS、YouTube等で日々伝えられる多種多様な今日的イッシューに焦点を当て、英文の語彙分析および談話構造の批判的談話分析(Critical Discourse Analysis)を行います。同時に英語の4技能(リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング)および文法・語彙力を高めます。

3.指導テキスト及び参考書
小林敏彦著『キングダム英和辞典』ISBN 9784802088404

4.選考の方法(面接・テスト等)
一人20分ほどの面接と適性検査(英語語彙テストとディクテーション等)を個別に行う。

5.面接・テスト等の日時・場所
ゼミ選考期間の毎週木曜日14時30分から17時40分の間に、4号館256(ゼミ室)にて行う。事前に私にメールにてアポを取ること。イヤホンと成績表のコピーを持参してください。

6.注意事項・履修希望者へのメッセージ
2025年10月9日(木)、10月16日(木)、10月23日(木)、10月30日(木)の計4回のゼミをオープンゼミとします。事前の連絡は不要で出入り自由です。14時30分から17時40分の間に4号館256室にお越しください。

選考基準
1 人柄(協調性と責任感、約束厳守)
2 体力(健康管理の徹底)
3 やる気(英語を習得しようとする意欲)

ゼミの課題
1 毎日30分から60分ほどの時間を要する英語の課題(ニュースディクテーション、冠詞タスク、英文ジャーナル)が課され(締め切り18時)、得点化されます。
2 卒論は、英和辞典を執筆し、卒業年の1月にアマゾンから出版します。
3 時折、体育館でワークアウトを行います。

不動の心で目標達成のために不断の努力を惜しまない強靭な精神力と体力を有する学生の応募をお待ちしています。

英語力を活かしたニュースメディアリテラシーの必要性

 

 最近、オールドメディアという言葉がネット界隈で多用されています。テレビや新聞が意図的に伝える内容を選択して、庶民をコントロールしていると言います。以前、私もこれはネット族によるデマであると軽視していましたが、国政選挙において、特定の候補者名を隠すなどの行為を目の当たりにし、旧来のメディアの報道姿勢と倫理性について大きな疑問を抱くようになりました。また、海外で伝えられる内容と国内のニュースでもそのような相違点が目立つようになり、私の中でその信頼性が損なわれ、40年以上購読していた新聞も取るのをやめ、英字新聞だけ毎朝読んでいます。

 世界で伝えられる情報の大半は英語であり、その情報のどれを記事にするかは報道機関の自由であるため、「報道しない自由」を自負しているオールドメディアもあります。

 ゆえに、今後はネット上の情報を英語で直接入手し、様々なリソースを駆使して自分の耳と目で、正しい情報を見極める、ニュースメディアのリテラシーを高めることが大切です。午前中のワイドショーばかり見て情報収集しているようでは、既に彼らのコントロール下にいると言っても過言ではないでしょう。英語力は第3に目であり、正見なのです。

英語学習は大学時代にしかできない

 SLA(第二言語習得)の古典的見解として、英語学習の開始時は早ければ早いほど良いとされています。これに対する反論もたくさんあり、幼児英語学習の有害性を強調している論調もありますが、理屈はともかく、世界の人口の大半の人が程度の差はあるにしろ、バイリンガルの環境で育っています。そして、幼少期に多少の認知上のつらい時期があったにせよ、成人して何か大きな問題を抱えている人はほとんど報告されていません。むしろ、多言語を解する個人として研究やビジネス、そして日常生活において多大な恩恵を受けていることは自明です。13歳以降に初めて英語学習を開始した人は、やはり大きな音声認識上のハンデを負います。

 これを克服するには膨大な時間の投資が必要となり、毎日の起きている時間の半分を英語でインプットするぐらいの覚悟が必要です。そして、その時間が豊富にあるのが大学生時代で、その後就職したらもうそんな時間は日々英語で業務を行っている一部の職種の人以外は時間の確保が容易ではありません。

 かつて、作家の落合伸彦氏が雑誌の対談で、英語学習を本格的にできるのは大学生の時だけであるとの主旨の発言をして、納得した気がします。成人の英語学習には膨大な時間の投資と覚悟が必要です。優先順位を上げて努力を継続する覚悟と体力がなければ目標達成は困難かも知れません。

 しかし、英語学習時間が確保できなくても毎日30分から1時間でも時間を割くことができれば、時間はかかっても確実にスキルの上達、特にリスニングと語彙力の向上は見込めます。実際にそういった人をこれまでたくさん見てきました。そして、こういう人たちは、高齢になっても元気で前向きな思考をしており、身体ともに健康な人が多いようです。外国語の学習を継続している人でボケる人は少ないと言いますが、正しい見解であると思います。どのような環境の方も、ネットの発達により英語学習を好きな時間にお金をかけずにできる時代になっているので、工夫して英語学習に励んでいただければ幸いです。


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