- <担当科目>
- 国際開発協力
- 基礎セミナー
- グローカルセミナーI
- グローカルセミナーII
グエン キムラン 准教授
NGUYEN KIM LAN
農地の変化から、農村の暮らしを読み解く
農村の人びとにとって、農地は作物を育てる場所であるだけでなく、収入や食料、生活の安心を支える大切な基盤です。一方、経済発展や都市化が進むと、農地の使われ方、農業の方法、働く場所も大きく変わります。
私は、農地が細かく分かれていること、農地をまとめる政策、公共事業などによる農地の収用、同じ農地で何度も作物を育てる農業などに注目しています。そして、長期間にわたり同じ世帯を追ったデータを使い、こうした変化が農業の持続性や農村世帯の生活に何をもたらすのかを明らかにしようとしています。
小さな疑問が、研究の出発点に
研究の出発点は、博士課程中に訪れたベトナムの父の故郷でした。当時、私は研究テーマを決められず悩んでいました。そこで休暇を利用して、母国ベトナムに戻り、父の故郷を訪ねました。
久しぶりに見た農村では、道路や家が新しくなり、農業のやり方や人びとの働き方も変わっていました。近所の農家の方々と話すうちに、「なぜ農地の使われ方が変わったのか」「政策は暮らしを良くしたのか」といった小さな疑問が次々と生まれました。
日本に戻って指導教員にその経験を話し、議論を重ねる中で、それらの疑問が博士論文のテーマへと発展しました。研究は、必ずしも大きな問いから始まるのではなく、身近な観察や小さな疑問から生まれることを学びました。そこに、この分野の魅力を感じています。

政策の「もう一つの側面」を見つめる
政策には、良い面だけでなく、見落とされやすい課題もあります。例えば、農地をまとめる政策は生産を効率化する一方、作物の多様性を失わせる可能性があります。農地収用も、道路や雇用を生み出す反面、農地を失った世帯の生活を不安定にすることがあります。
私の研究の目的は、政策を批判することではありません。効果と課題の両方を明らかにし、より公平でバランスの取れた政策につなげることです。その成果が、政策を考える人びとに届き、農村に暮らす人びとの生活をより良くすることを目指しています。
教室の中で、世界と出会う
私は「国際開発協力」という授業を担当しています。この授業では、日本人学生と留学生が一緒に、貧困や教育、環境など世界の課題について英語で学びます。国籍の異なる学生でグループをつくり、意見を交換し、最後に考えを発表します。最初は英語で話すことに不安を感じる学生もいますが、少しずつ自分の意見を伝え、異なる考え方を楽しめるようになります。
海外に行かなくても、教室の中で世界とつながり、多様な価値観に触れられることは、小樽商大ならではの魅力だと感じています。

一歩外に出ると、人生の景色が変わる
私が初めて日本を訪れたのは、ベトナムで大学院生だった時に参加した国際交流プログラムがきっかけでした。それまで海外に出たことがなかった私にとって、日本で出会った人や文化は大きな刺激となり、「もっと学びたい」という新しい目標を与えてくれました。その経験が日本への留学、そして現在の仕事へとつながっています。
小樽商大には、ギャップイヤー・プログラムや短期留学、留学生との交流など、多くの機会があります。大切なのは、完璧に準備してからではなく、まず一歩を踏み出すことです。その経験が、将来の方向や人生の新しい可能性を見つけるきっかけになるかもしれません。
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