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エバーグリーンからのお知らせ

2014.12.17

平成26年度 第10回講義:「好きなことを形に~キャリアチェンジ・ワークライフバランス~」

 

講義概要

 

・講 師: 昆野 照美 氏(昭和62年卒)

・現職等:C.W.I.(カラーコーディネーター)

・題 目:「好きなことを形に~キャリアチェンジ・ワークライフバランス~」

・内 容:

1.キャリアチェンジとは?

2.キャリアチェンジあれこれ

3.キャリアチェンジの実際

   3-1 どんなスキルを獲得したか?

   3-2 キャリアチェンジを考えたとき

   3-3 キャリアチェンジをするための準備

4.ワークライフバランスとは?

   4-1 ワークライフバランスの実際

   4-2 未来の自分像

5.まとめ

  • 講師紹介

昭和62年商学部管理科学科卒業後、株式会社東芝OAコンサルタントに入社し、パソコンインストラクターとして勤務。平成6年に退職後、翌年よりインテリアコーディネーターとして活動を開始。その後、インテリアの中でもカラーに関わる数々の資格を取得。平成12年に、C.W.Iを主宰し、カラーコーディネーターとして活動する傍ら、大学や専門学校などで非常勤講師も務めている。

 

 大学時代は…

 

大学時代は、社会情報学科の前進である管理科学科にいました。部活は卓球部で、今でも当時のメンバーとお酒を飲んだりすることがあります。「おばけのマール」という絵本を出しているイラストレーターの中井令さんも卓球部の後輩でした。「在学中にカラーコーディネーターを目指したのか?」という事前質問がありましたが、カラーコーディネーターという仕事は比較的近年できた職種ですので、在学中に目指したわけではありません。

 

カラーコーディネーターの仕事

 

仕事の一つとして、「パーソナルカラー診断」があります。これは、その人に似合う色や、この色を身に着けるとイキイキと見える色を診断するものです。単純に「赤が似合う」というだけではなく、「青みがかった赤」なのか「黄色みのある赤」なのか、各々に似合う「赤」があるので、それを見つけるというものです。皆さんは、就職活動で黒いスーツを着ることがあるでしょうが、黒を着ると元気がないように見える方もいるので、そういう人は紺色にするとか、どうしても黒が着たいなら中のシャツを自分に似合う色にするなど、パーソナルカラーを知っていると役に立つと思います。この仕事は、1950年代のアメリカで、ケネディとニクソンが大統領選挙で戦った際、ケネディがイメージコンサルタントに若々しさをアピールする色をセレクトしてもらったことから始まりました。結果、彼は「ヤングケネディ」をアピールすることができ,勝利につながったと言われています。そのイメージコンサルタントの手法が日本に渡り、現在のカラーコーディネートに繋がっています。また、「ぬり絵セラピー」というものも行っています。たとえば、「仕事にやる気がない時に何を塗ったらいいか?」と聞かれた場合、私は黄色いひまわりのぬり絵を勧めます。非常に辛い時は黄色を塗る元気がない場合もあり得ますが、黄色は元気が出る色と言われているからです。(写真を見せながら)また、これは高齢者の方たちと行った「ぬり絵セラピー」の模様です。枠内に色を塗るという行為は集中力が必要ですし、色を選ぶという行為も認知症予防に役立つと言われています。

 

人材育成~講師として

 

私は、大学や専門学校で非常勤講師もしています。「感性工学」といって、色彩の基礎知識を学んだ上で、どんな色彩の商品が売れるかなどについて教えています。一般的に商品をつくる際、カラーコーディネートの手法はよく取り入れられています。私の講座に参加してくれた銀行員の男性社員は、銀行カードを発行する部署にいる方で、カードの色を考えたいとカラーコーディネート講座を受講してくれました。本来、銀行は信頼感を現す「青」を使うことが多く、そのことに不満を持っていた彼は受講後、オレンジ寄りの赤を取り入れた色のカードを提案したそうです。結果、「意外にこれは似合う」と銀行内で評価され、彼の案が採用されました。

 

 

キャリアチェンジ~最初のキャリア

 

キャリアチェンジとは、これまで経験してきた職務内容から、まったく経験したことのない職務内容に移ることです。私は大学卒業後、東芝でパソコンのインストラクターになりました。1987年の男女雇用機会均等法の流れで、女性も男性と同じように働こうという時代でした。私は、官公庁や企業にパソコンを販売したり、販売店で店舗支援などをしたり、ビジネスショーに出展したり、パソコンが動かなくなった方に電話で技術支援を行うなどの業務を行っていました。そこで身に付いたスキルはいろいろあります。なかでも文書作成能力やパソコン技術、プレゼンテーション技術などは自分で努力したり、先輩をきちんと見ていたら身に付くものだと思いますが、一番大事なのは「コミュニケーション能力」と「チームで活動するスキル」です。とりわけ、転職や再就職する際に面接で必ず問われるのは、「コミュニケーション能力」です。多くの仕事は人と接しなくてはなりませんので、コミュニケーションが苦手な方は、学生のうちから克服するよう取り組んでほしいと思います。

 

なぜ、キャリアチェンジを考えたか

 

大きな企業で働いていたとき、個人が頑張ったからと言ってすぐに結果が目に見えるわけではなく、逆にあまり仕事をしないからと言ってそこまで目立つこともなく、やりがいの面で物足りなさを感じるようになりました。また、今ならアプリケーションソフトは何百本もありますが、私が働いていた時代はWindowsが出る前だったので、いくつかの限られたアプリしかなく、覚えることがなくなってしまいつまらなく感じてしまったことも、キャリアチェンジを考えた理由の一つでした。もし皆さんがキャリアをチェンジするなら、「何をやりたいか」、「費用や時間がどれくらいかかるか」などを考えなくてはなりませんが、一番大事だと思うのは「期限」です。たとえば、「学芸員」になりたいと思っても35歳で募集が終わってしまうため,「期限」があります。なりたいものの期限を考えて、早めに行動したほうがいいと思います。

 

 

インテリアコーディネーターを目指す

 

私は、OLとして働きながら、インテリアコーディネーターを目指すことに決めました。約100万円の費用をかけ、二年間、毎週日曜日に専門学校に通いました。「どれくらい大変でしたか?」という事前質問もありましたが、月曜から金曜までフルタイムでOLとして勤務し、土曜日に徹夜でインテリアの宿題をして、日曜日は学校で勉強する日々でした。インテリアコーディネーターの資格を取ったのは30歳の時です。この仕事は時間が不規則なことに加え、その3年前に結婚していて子どもを授かるかもしれないタイミングだったので、正社員として働きたかったのですが、最初は自営で始めました。その後32歳で出産しました。子どもが2歳くらいの時に労働者派遣法の改正があり、インテリアコーディネーターも派遣が可能になったため、派遣先のTOTOで正社員のように働くことができました。また、登録していた派遣会社に夢を語っていたら、その派遣会社の建物を改装する際、コーディネートを担当させてもらうこともできました。インテリアには、照明、カーテン、設備、建築などいろいろな要素があり、その中でも私は「色彩」が好きだったので、以後、カラーコーディネーターとしてやっていこうと考え、現在に至ります。

 

 

ワークライフバランスとは

 

ワークライフバランスとは、働きながら人生も充足させるということであり、結婚や出産などのイベントがあった時に、仕事と生活の選択をどう行っていくか、ということです。私は23歳から30歳までパソコンインストラクターの正社員として働き、その間の27歳で結婚、29歳から30歳まで専門学校に通っていました。卒業後、晴れてインテリアコーディネーターになったものの、なかなか仕事がない中、さらに勉強が必要な状況だったため、自分のこれまでのキャリアを生かしたパソコンインストラクターのアルバイトで稼ぎ、スキルアップを続けました。その後,33歳からは派遣社員として、35歳からは自営でカラーコーディネーターとして働いている、という流れになります。

 

これから、何に挑戦していくか

 

事前質問のなかに「何かをあきらめたことがありますか?」という質問がありました。私は、いつかまた大学で勉強したいという希望があり、夫に相談したことがあるのですが、「子どもにお金がかかるので今はやめてくれ」と言われ(笑)、その時はあきらめました。私は,仕事と子育てのバランスが、今は6:4だけれど、数年後は4:6にするなど、その時何を優先したらいいかを踏まえつつ、常に挑戦してみたいことを意識することが大事だと思います。特に出産には産んだ方がいいタイミングというものもありますので、その時に一番最適な選択をして頑張ってほしいと思います。

 

<質問抜粋>

 

(担当教員より)

 

Q 緑丘会の女子部会について教えてください

 

A 女性の卒業生が増えてきたことに伴って、2~3年前にできたばかりです。家族ぐるみでクリスマス会を催したり、「おたる案内人検定」の勉強や手作り講座など、いろいろな活動をしています。

 

(3年生 男子)

 

Q 一般的にインテリアコーディネーターになるためのキャリアパスはありますか? 必ず専門学校に行く必要はありますか?

 

A 大学の文系を卒業し、住宅メーカーの総合職からインテリアコーディネーターになる方もいます。かつては、受験資格が25歳以上という年齢制限がありましたが、今はその年齢制限は撤廃されました。必ずしも専門学校に行く必要はないですし、大学生のうちから勉強しておくことも可能です。

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