2026.10.15
地域×企業つなぐセミナー「我がまちの未来は、我が社の未来」を帯広で開催しました

中小企業の後継者不足が地域社会の持続性に影響を及ぼす中、リカレント教育推進室は令和8年9月30日(水)、帯広信用金庫中央支店セミナールーム(帯広市)において「事業承継」をテーマとしたセミナーを開催しました。
本セミナーは、企業の存廃が地域全体に影響を及ぼすという問題意識のもと、事業承継の重要性や早期相談の必要性について理解を深めることを目的として開催したものです。当日は十勝管内の中小企業経営者をはじめ、行政・金融機関など支援機関の関係者ら約25名が参加しました。
講義「事業承継という経営視点」
本学の齋藤竹彦特任准教授による講義では、中小企業の事業承継を巡る現状や課題について解説しました。事業承継を一つの経営課題として捉えることで、これまで抱えていた課題の見え方が変わり、必要となる対応も変化することを説明しました。また、事業承継の方法として、「親族内承継」や「従業員承継」に加え、近年は「第三者承継(M&A)」も増加傾向にあることを紹介しました。いずれの方法を選択する場合も、早い段階から準備を始め、支援機関へ相談することが重要であると強調しました。

パネルディスカッション「地域持続のためにも、早めの相談を」
パネルディスカッションには、地域における事業承継支援に携わる6名が登壇し、それぞれの立場から具体的な取組事例を紹介するとともに、地域としてどのような支援ができるかについて意見を交わしました。
帯広市経済部商業労働室商業労働課の高木氏と、音更町経済部商工観光課の赤渕氏からは、事業者の廃業が雇用やサプライチェーン、地域に必要なサービス・技術の喪失につながる可能性や、補助制度などを活用しながら早期に事業承継を考える機会をつくることの重要性についてお話がありました。
帯広信用金庫地域サポート部の石川氏からは、単に会社を引き継ぐだけでなく、これまで培ってきた強みを残しながら、承継を契機に事業を変革・成長させていくことが地域経済の発展につながるとの意見がありました。
北海道事業承継・引継ぎ支援センターの朝倉氏からは、地域住民の移動を支えるタクシー事業を地域内の事業者へ承継した事例が紹介され、事業承継は会社そのものだけでなく、地域に必要な機能を次世代へつなぐ手段でもあることが示されました。
税理士法人竹川会計事務所の竹川氏からは、長年培われてきた企業の技術や取引関係、地域における役割などの価値を次世代へ引き継ぐこと、そして税金や法律の面で専門家も一緒になって事業承継に取り組むことの重要性について説明がありました。
また、千秋庵の事業承継とリブランディングについて講義も担当いただいた千秋庵製菓株式会社の中西氏からは、取引先の廃業によって地域の製造機能が失われ、自社の商品づくりにも影響が生じた具体例が紹介され、地域に必要な機能を地域全体で残していく視点の重要性が示されました。
今後に向けて
本セミナーを通じて、事業承継は企業単体の問題にとどまらず、地域の雇用や産業、暮らしの維持にも直結する地域全体の課題であることが共有されました。また、事業承継を円滑に進めるためには、経営者が早い段階から将来を見据え、地域の支援機関と連携しながら準備を進めることの重要性について理解を深める機会となりました。
リカレント教育推進室では、今後も地域・企業・支援機関をつなぐリカレント教育を推進するとともに、本セミナーを北海道内の他地域でも展開し、事業承継に関する学びと対話の場を広げることで、持続可能な地域社会の実現に貢献してまいります。
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