2026.08.05
地域×企業つなぐセミナー「我がまちの未来は、我が社の未来」を開催しました
中小企業の後継者不足が地域社会の持続性に影響を及ぼす中、リカレント教育推進室は令和8年7月22日(水)、北見経済センタービル(北見市)において「事業承継」をテーマとしたセミナーを開催しました。
本セミナーは、企業の存廃が地域全体に影響を及ぼすという問題意識のもと、事業承継の重要性や早期相談の必要性について理解を深めることを目的として、日本政策金融公庫北見支店と共催したものです。当日はオホーツク管内の中小企業経営者をはじめ、行政・金融機関など支援機関の関係者ら約40名が参加しました。
講義「事業承継という経営視点」
本学の齋藤竹彦特任准教授による講義では、中小企業の事業承継を巡る現状や課題について解説しました。事業承継を一つの経営課題として捉えることで、これまで抱えていた課題の見え方が変わり、必要となる対応も変化することを説明しました。また、事業承継の方法として、「親族内承継」や「従業員承継」に加え、近年は「第三者承継(M&A)」も増加傾向にあることを紹介しました。いずれの方法を選択する場合も、早い段階から準備を始め、支援機関へ相談することが重要であると強調しました。
パネルディスカッション「地域持続のためにも、早めの相談を」
パネルディスカッションには、地域における事業承継支援に携わる6名が登壇し、それぞれの立場から具体的な取組事例を紹介するとともに、地域としてどのような支援ができるかについて意見を交わしました。
北見市商工観光部商工業振興課の松本氏と、湧別町商工観光課の大口氏からは、自治体の規模や財政状況によって事業承継に対する支援制度は異なるものの、商工会議所や商工会との連携、事業承継に関する情報交換の場づくりなどを通じ、経営者が相談できる機会をつくることが重要であるとのお話がありました。
日本政策金融公庫北見支店の白井氏からは、日本政策金融公庫が運営する事業承継マッチング支援の具体的な活用事例が紹介され、その仕組みや有用性について説明がありました。
北海道事業承継・引継ぎ支援センターの大野氏からは、後継者人材バンクの仕組みや、事業承継のマッチング支援を通じた具体的な事例に加え、関係機関と連携して取り組んでいる啓発活動について紹介がありました。
北見工業大学の内島氏からは、産学官金連携の一員として、次世代の経営人材の育成や、社会人向けのリカレント教育を通じて、大学が地域の事業承継を支える役割についてお話がありました。
また、経営改善をテーマとした講義も担当いただいた中小企業診断士の森永氏からは、UターンやIターンなどによる多様な人材の地域への還流が、事業承継を進めるうえで重要であることや、固定観念にとらわれず、多角的な視点から支援方法を検討することの有効性について説明がありました。
今後に向けて
本セミナーを通じて、事業承継は企業単体の問題にとどまらず、地域の雇用や産業、暮らしの維持にも直結する地域全体の課題であることが共有されました。また、事業承継を円滑に進めるためには、経営者が早い段階から将来を見据え、地域の支援機関と連携しながら準備を進めることの重要性について理解を深める機会となりました。
リカレント教育推進室では、今後も地域・企業・支援機関をつなぐリカレント教育を推進するとともに、本セミナーを北海道内の他地域でも展開し、事業承継に関する学びと対話の場を広げることで、持続可能な地域社会の実現に貢献してまいります。
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