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「実学、語学、品格」をもう少々

世界に通用する多言語を学べる「北の外国語大学」

みんな、入学おめでとう。 お祝いの言葉に代えて、もう少し「実学、語学、品格」を紹介するね。 みんなの学ぶ大学のスローガンだから、ちゃんと読むべし、だよ。

小樽高商の「実学」第一主義

本学が誕生した明治末期は、日清、日露の両戦争にも勝利し、さらなる富国を目指していた時期でした。富国に必要なビジネスエリートを育成する教育機関が高等商業学校で、本学は、東京、神戸、山口、長崎に次ぐ第五高商として誕生しました。 小樽高商の「実学」は実にユニークなもので、例えば「商業実践」という授業では、構内に為替取引所、手形交換所、郵便局、銀行などの模擬施設を設けて、ビジネスに必要な実務の鍛錬に当たりました。 また、「商品学」という科目では、学内にあった「企業実践工場」で、ニシンの脂を原料とする「高商石鹸」を製造・発売し、市場調査、労務管理、原価計算などを行いました。赤字であっても、それがまた会計学の格好の教材だったとのことです。

新しい商人に求められる「品格」

しかしながら、本学が開学した明治末期は、前時代的な士農工商の名残もあって、商人の地位は未だ高くはありませんでした。そんな中、渡邊初代校長は、最初の入学式で、まだまだあどけない新入生に「諸君を紳士として遇す」と宣しました。 つまり、小樽高商で学び、「新しい商人」として巣立っていく学生は、勉学は言うに及ばず、「品格の上でも、国民の上位を占めるべき」と諭し、励ましたのです。「実学」志向の本学が、教養教育をも重視してきた理由はここにあります。 これは他にも増してユニークな校風で、学生たちも哲学や英文学といった授業を好んで履修したようです。当時とは文脈こそ異なりますが、今日でも学則第一条には、「品格ある人材の育成」が謳われています。

グローバル人材に不可欠な「語学」

繰り返しますが、高等商業学校の目的はビジネスエリートの育成でした。それは国内のみならず、海外のビジネスシーンでも活躍できる人材、つまり、今日でいう「グローバル人材」に他なりません。当然、どの学校も外国語には力を入れました。 とりわけ本学は、授業の三分の一が語学の授業で、定番の「英、独、仏」に加えて、世界との貿易に必要との理由から、中国語、ロシア語、スペイン語もメニューに揃えていました。本学が「北の外国語学校」と呼ばれた所以です。 また、外国人教師の採用にも積極的で、他校がせいぜい2名程度のところ、小樽高商では7名が在籍していたこともあります。年に一度、小樽市民を前に演じられた「外国語劇」は、彼らの熱心な教育の賜物に他なりません。

小林多喜二と伊藤整が演じたフランス語劇『青い鳥』

小林多喜二と伊藤整が演じたフランス語劇『青い鳥』

あの有名なチルチルとミチルの話だから知ってるよね?
一番右が多喜二で、その隣が整だけど、 ふたりともセリフはなかったらしい・・・

1991年、「言語センター」設立

語学重視の伝統は、現在、言語センターに受け継がれています。設置されたのは1991年で、その年は多国籍軍による対イラク湾岸戦争に始まり、ソビエト連邦の消滅によって幕を閉じた、激動の一年でした。 次いで1993年にはEUが発足し、また、windows 95の登場により、世界は本当に狭いものとなりました。以来、アメリカ同時多発テロ、リーマンショック、イスラム国、トランプ旋風、香港大規模デモなど、ニュースは瞬時に世界を駆け巡ります。 言語センターの考察対象は、こういった「異言語・異文化間コミュニケーション・ギャップ」に他なりません。例えばEUがBrexitに揺れているように、対話や交流とは、むしろ対立や衝突であるようです。

詳しくは「言語センターについて」をご覧ください。

言語センターについて

まだ4年もある。しかし、もう4年しかない

さて、入学後、皆さんはどの外国語を学びますか。英、独、仏、中、西、露、韓からふたつ、どれを選んでも構わないのですが、ひとつは英語でしょうか。実際、58ヵ国21地域で話されている国際語です。今や英語の習得は必須と言えるでしょう。 とはいえ、英語万能主義は困ります。例えば、空に架かる「虹」。日本や韓国では7色ですが、同じアジアでも中国は5色です。ヨーロッパでも、スペイン語は7色ですが、英語は6色、独、仏では5色で、ロシア語は4色です。 日本語だけでは足りません。英語を加えても、まだ足りません。もうひとつ別の視点があって初めて、世界はその多様性を現すのです。卒業までに、まだ4年もあります。しかし、もう4年しかないのです。本気で外国語に取り組みましょう。

さあ、みんな、次は外国語科目のStart-Upだ!
まずは『外国語への招待』を読んで、選択する言語を決めてね。

「外国語への招待」はメニューの7外国語(英、独、仏、中、西、露、韓)について、その言語のもつ特質、文化的背景、授業計画、教育方針などを、コンパクトに紹介するガイドです。

外国語への招待


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