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BarrelL3400件突破!



 今日はBarrel3400件目の前田陽先生の論文紹介だよ。


 ずばりタイトルは「前田陽 (2008) 創業期におけるトヨタ自動車の生産体制と原価管理意識. メルコ管理会計研究, 1: 21-32」でした。


 前田先生のインタビューの一部を紹介するよ。


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 Q:登録3400件目の論文「創業期におけるトヨタ自動車の生産体制と原価管理意識」は、どのような内容ですか?


 米国自動車メーカーが採用した大量生産方式とは異なるトヨタの生産体制(ジャスト・イン・タイム、 少量生産体制、部品の内製化等)について、今では広く知られていますが、何故そうした生産体制が構築され成功したのか。これの萌芽を本論文では扱っています。トヨタ自動車の創業者・豊田喜一郎氏は製品の原価管理に極めて熱心な人物でした。利益は、「利益=売上-コスト」という式で算出されますが、トヨタは自動車の製品コストを出来るだけ低減させ、ライバル企業よりも相対的に安価な自動車を販売しても利益を生み出せる生産体制などのシステムを構築し、ここまで伸びてきた企業です。じゃあ、何でそうした生産体制がトヨタで構築されたの? という問題意識から、この論文では、トヨタの創業期(1930年代)まで遡って分析しました。そして、その結果として創業者の原価管理意識が同社の生産体制に極めて大きな影響を及ぼしていたんだということを明らかにしようとしたものなのです。



 Q:この研究をはじめられたきっかけは何ですか?


 一橋大学の大学院で博士論文として提出した「トヨタ自動車における原価管理生成史の研究」の一つの章を新たに読みやすく、加筆修正を行なったものが、本論文です。現在は少し問題が騒がれていますが、博士論文を執筆していた2005~2006年当時は、トヨタが世界自動車販売台数でGMを抜いて、第一位に迫るかという上り調子で本当にイケイケの時代でした。ですから、そのトヨタの強さの秘密を、今の社長(豊田章男氏)の祖父である豊田喜一郎氏の創業期という時代にまで遡って分析することは、大変意義があったと思います。想像もつかないでしょうが、1930年代なんてフォードやGMといった外国車が日本の道路を跋扈して走っていたわけですから...そんな時代に誕生したトヨタが今や立場を逆転させ、自動車産業のトップにまで上り詰めました。この論文で明らかにしたような創業者が構築したプロセスや発想というものは、きっと自動車だけではなく、他の製造業、もしかしたらサービス業でも通用するんでしょうね。



 Q:現在の研究について教えてください。


 現在は、日本企業における原価管理、コストマネジメントについて研究しています。いかにして原価を低減させるか、いかに作り込んでいくのかを扱っています。良い実践方法を研究する上で、主に、NEC、トヨタ、前川製作所などをモデルにしていますが、他にも良い事例があれば採り上げるつもりです。安く製品を作れば、お客さんも大喜び、企業間の競争意欲も高まる訳ですから、このコストマネジメントは非常に重要なんです。そして、原価管理が特に優れている一社としては、トヨタが挙げられるんでしょうね。


 これらの研究では、多くのツテを頼って、NECや前川製作所の重役の方々にインタビューをすることも出来ました。


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 記事の続きはこちらを見てね。


 


    

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