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2017/07/28 研究室訪問日誌(2)

図書館から研究室訪問の記事が届いたよ。
今日は、経済学科松本 朋哉先生の研究室に訪問したそうだよ。
まずは、先生の研究分野についてお尋ねしたよ。

 

Homon_2.jpg

 

Q:松本先生の研究分野は開発経済学ですね。開発経済学とはどんな学問なのですか?

A:主に発展途上国の経済を対象に研究する学問です。特にどうしたら貧困問題を解決できるか、所得が向上するか、そういったことを研究する分野です。

 

Q:そうですか。先生はどのような研究をされているのですか?

A:私は、特にアフリカの農村経済を対象に研究してきました。例えば、農業の生産性が高まる良い技術があるのにアフリカの農村ではなかなか普及しないけど、なぜだろう?そんな疑問に答えるため、アフリカの村々に現地調査に行き、データを集め、そのデータ解析をするのです。

 そうすると、確かにその新技術は生産性をあげるけど、市場へのアクセスが悪いところでは生産物の売値が安く利益は思ったほど高くない。だから農民もそれほど積極的に技術を採用しない、結果として地域全体として技術普及が進まないんだ、ということが分かったりします。そうした状況ではその技術の普及活動をしても効果は上がりませんよね。

他には、政策の効果を計測する研究したりもします。例えば、教育の無償化政策が導入されたことで、農村の進学率がどのくらい上がったかとか、ですね。 

 最近では、モバイルマネーの研究をしています。モバイルマネーとは、携帯電話のショートメッセージの機能を使って、個人間でお金のやり取りが簡単に出来るサービスなのですが、これがアフリカで今急速に普及しています。

これまで銀行などの金融サービスに全くアクセスできなかったような農村の貧困層にも広まっていて、みんな仕送りや貯金のために使っています。このモバイルマネーの普及は農村家計に大きなインパクトを与えています。これまで少しのお金が手元に無いばかりに病院に行けなかったり、子供の学費が払えず退学を余儀なくされたり、大事な家畜を売らなければならなくなったりという状況が、モバイルマネーで容易にしかもタイムリーに親戚や友達から送金を受けることができるようになったために改善されているのです。

 

 アフリカは今すごい勢いで変貌していています。調査の度にそのダイナミックな変化から刺激をもらっていて、アフリカ研究はとても楽しいです。良い研究対象に巡り会えたことに感謝しています。

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アフリカの現地調査のお話しをもう少し詳しくお聞きしたかったけど、残念ながら時間がなくって、このあと、図書館のサービスについて、先生と職員さんとでお話をしたよ。

 

なんと、松本先生はご自宅から自転車で通勤しているそうだよ。地獄坂を自転車で登るのは大変じゃないかお聞ききしたら、ご自宅近くの坂の方がよっぽど大変だから、地獄坂は地獄には感じませんって、笑いながらおっしゃったよ。とっても頼もしいね。

 

研究室訪問はまだまだ続くよ。
他の先生の訪問日誌もぜひ見てね。

    

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