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MBA(エム・ビー・エー)ゼミ



f:id:shoudai-kun:20071004170107j:image:left今日は、籏本・玉井・松尾という3人の先生が共同で運営しているゼミを紹介するよ。このゼミは、企業の事例を分析してディスカッションするのが特徴みたい。さっそく見てみよう!


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3年生11名からなる通称「MBA(エム・ビー・エム)ゼミ」を紹介します。MBAとは経営管理修士(Master of Business Administration)の略で、経営のプロフェッショナルを養成する専門大学院のこと。ビジネススクールともいわれています。MBAゼミと呼ばれる理由は、このゼミを担当している教員が小樽商大のMBAコースの教員であるためです。MBAゼミも、事例を分析することで実践的な能力を身につける「ケースメソッド」が使われています(ケースメソッドはMBAでよく使われる教育方法です)。


具体的な内容を紹介しましょう。10月の教材は「ヤマト運輸」。学生はあらかじめヤマト運輸の経営内容がまとめられた30ページほどの文書(ケースと呼ばれています)を読み、会社の現状を「会計(お金)」「マーケティング(お客さんや競争相手)」「組織(社内の状況)」「戦略(会社の方向性)」の観点から分析する点に特徴があります。いろいろな角度から問題を発見して、解決策を考え出すというところがミソです。


10月4日のゼミの課題は、「会計データを分析して、ヤマト運輸の問題点を整理する」こと(次週は、マーケティングや組織を分析する予定)。5名ずつ2グループに別れ、あらかじめ各自が分析した会計分析レポートをつき合わせて、1時間ほどディスカッションを行いました。「ああでもない、こうでもない」と悩む学生。話し合った内容はホワイトボードに書きこみます。


グループディスカッションの後は、各グループが5分間でプレゼンテーションします。これは単なる発表ではなく、2つのグループが対決する「ディベート方式」です。各グループは、過去5年間の財務指標のトレンドをホワイトボードに書いて傾向を発表します。Aグループは、ヤマト運輸の安定性は優れているものの、「ROA」や「資本回転率」が下がっている点を指摘。これは市場での競争の激化しているためと推測しました。Bグループは、適度に負債を抱えることでROEを高めるというレバレッジ効果が実際には出ていない点を指摘。負債を抱えすぎたのではないかと分析しました。


プレゼンテーション終了後、5分間の作戦タイムを経て、相手チームの発表に疑問をぶつけます。質問を出し合います。「何のためにROEを上げるのか?」「レバレッジ効果のためだけに負債を増やすことが良いのか?」「回転率の低下が問題となるなら、どうして総資本を増加させたのか?」「ROAは低下しているよりも、横ばいで安定しているのではないか?」といった質問が出され、激しい議論が行われました。


議論の後は、担当教員の籏本教授からディスカッション全体に対してコメントがありました。「トレンド分析の注意点」「ROAとROEの違い」「営業利益、特別損失の意味」「レバレッジ効果」「短期の安全性、長期の安全性」についての説明の後、「なかなかいい線いっているが、まだまだ、突っ込みどころが甘い」「単に数値分析するだけでなく、ケースを読み込んで戦略とつなげることが大事」という指摘がありました。


これまで「ベネッセ」「しまむら」「デンソー」といったケースを分析して、4月から7月まで鍛えられてきただけあり、かなり分析や議論に慣れてきたゼミ生だが、まだまだ奥が深いことを痛感した模様でした。


ゼミ生「湯谷(ゆたに)君」の感想



このゼミに入って、ディスカッション能力がつきましたね。全員が下調べしてきて、全員でディスカッションするので、話は盛り上がるし、発展するんです。しゃべっていれば脳みそ働くという感じでしょうか。発表も最初は緊張したけど、2、3回やっているうちに慣れてきました。分析のためのツール(道具、手法)も、はじめは使い方がわからなかったけど、慣れてくると、何のためのツールかが見えてくるんです。ゼミの雰囲気もいいですよ。ゼミが始まる前はわきあいあいなんですが、ディスカッションが始まるとディスカッションモードに切り替わる。メリハリがきいていて、話し合いでぶつかっても後に残りません。担当の先生も、変な距離感がなく、話しやすいですね。どんな意見が出ても人を否定しません。「違う」とは言わないで、発言したことから発展させて議論させるところはさすがです。いままで分析したケースの中で印象に残っているのは「しまむら」かな。「会社は従業員のもの」というトップの考えが強く出ていて、従業員が働きやすいマニュアルを作っているんです。このゼミは、普通がいやな人、自分が磨ける場、成長できる場を求めている人にお勧めです。



    

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