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2015/10/30 澁谷ゼミナール(経済学科)活動紹介!!

今日はゼミ紹介第三弾!

経済学科の澁谷先生にインタビューしてきたよ!

ゼミ選択に悩んでいる2年生のみんなは必見だよ!

 

■先生の研究内容を教えてください。

大学院では金融理論を専攻していました。

その後、IMF(国際通貨基金)にてエコノミストをしていた時に、国際金融について学びました。

大学では『国際金融と世界経済』や『金融経済』などの授業を担当しています。

ここ数年は、『人間関係』についての研究をしています。

経営学や組織論、経済学も結局は人間関係ですよね。

人と人が協力することによって、1+1が2ではなく3とか4になるように、一人ではできないことを実現することができます。

協力関係が組織の中でも企業の中でも重要です。

日本の過去20年の景気停滞は根本的には人間関係が悪化したからだと私は考えています。

日本社会や企業の中で、協力して何かを成し遂げようというインセンティブが失われて、皆が利己的になり殺伐とした関係になったのが原因だと思っています。

ゲーム理論の一つである「囚人のジレンマ」を知っていますか?

経済学では、すべての人は利己的に行動する経済人(Homo Economicus)であるという前提で考えています。

だから、お互い協力する方が協力しないよりもよい結果になることが分かっていても、協力しない者が利益を得る状況では互いに協力しなくなる、というジレンマが起きます。

しかし、現実の人間は経済人のように自分のためだけに行動するわけではありません。

進化生物学では、進化した動物としての人間(Homo Sapiens)は他人に利益を与えるが自分にはコストがかかる行動(利他行動)も可能な生物であるとしています。

20世紀の経済学は物理学の分析方法を真似ていましたが、進化生物学の人間観のほうがより現実に即しているため、21世紀の経済学は進化生物学のアプローチを応用すべきと、私は考えています。

そこで、近年は進化生物学を勉強しています。

このように人間の進化を学ぶことで、人間本性の中には利己的な側面と同時に利他的な側面があることが解ります。そこから、よりよい人間関係を実現する方法を研究しています

 

 

■商大に赴任する前は何をされていましたか?

大学は三つ通っていましたが、卒業はカナダのトロント大学でしました。

その後、プリンストン大学大学院でPh.D.を取得しました。

卒業後はインディアナ州立大学経済学部で1年間助教授を経験した後、IMF(国際通貨基金)にて4年間エコノミストをしていました。

その後2年間、日本銀行金融研究所で研究員をしました。ちょうど1990年バブル崩壊の一か月前に行ったので、崩壊の過程を全て見ることができました。

それからIMFに戻り、1年間働いた後、小樽商科大学に来ました。

shibuyasemi1.jpg

 

 

■趣味は何ですか?

サイクリングです。

自分の力で遠くまで行けるところが好きです。生きていることを実感できます。

最近までは1日に100kmや200km程乗っていました。時には300km以上乗ることもありましたね。札幌から滝川、芦別、夕張、三笠を回って帰ってきたのですが、14時間位掛かりましたね。

年を取ると運動するのが億劫になるので、継続する努力をしています。

他にも、健康に気を使ってランニングを始めました。

最近は自宅や札幌周辺を走っています。

読書も好きです。興味があるものを次から次へと手にとって読みます。

最近は進化生物学の本や、村上春樹の小説を読みました。

村上春樹の本はとても読みやすくて、少し自分も小説を書いてみたいと思いました。

 

 

 

■ゼミの活動内容を教えてください。

今まではゼミ生自身のやりたいテーマで研究してきました。それぞれのやりたいテーマについて全員で議論すると、そのテーマについて知らないことが多いため、議論が思うように進みませんでした。

そこで、来年度からは『人間関係』というテーマを決めて議論する予定です。

人々の間の協力がいかに可能か、友人・恋人・同僚などの人間関係について指定した本を読み、その内容を学生が発表し、全員で議論します。

今の日本社会は愛情が欠け、殺伐としていると思います。だから、人口も増えないし、景気も低迷しているのです。だからこそ『人間関係』について研究する必要があります。

 

 

■ゼミで行われる行事などがあれば教えてください。

澁谷リーグがあります。ゼミ生が投資したい企業を調べて選び、半年間株価を追って、一番株価が上がった人に賞品が与えられるイベントです。何を見て株価が上がる企業を選ぶかは教えるので、株について知りたい学生はオススメです。

澁谷リーグは学生がゼミに入って最初の週に行います。

他にも来期のゼミ生が決まった時点で新歓を行います。また、春には花見、8月にはテストの打ち上げもします。ハロウィンパーティや忘年会、追いコンなども行う予定です。

 

 

 

■ゼミの雰囲気はどうですか?

集まってくる学生によって、毎年違いますね。

ゼミを20年以上開いていますが、静かな学生が集まるときも、賑やかな学生が集まるときもあります。

ただ、基本的なモットーは『楽しくかつ真面目に学問する(=問いながら学ぶ)』です。

お互いに冗談を言い合ったりして、格式ばらない雰囲気です。

いろいろなタイプの人が集まって、型にはまらない学生も多いです。

私のHPの『Seminar』にある『ゼミ写真集』を見ていただければ、より雰囲気が伝わるかと思います。

来年度は少しガチ度(ゼミの大変さを表す尺度)を上げる予定です。

 

澁谷先生のHPはこちら

http://www.hiroshishibuya.com/

 

shibuyasemi2.jpg

 

■ゼミでどういう力を得てほしいと思いますか?

自分で考え、自分で判断し、自分で行動し、自分で責任を負う人間に成長して欲しいです。

自分で考えなければ、何も始まりません。

日本社会では空気を読んで、周りに従う人が理想という価値観がありますよね。

でも私は、その風潮は良くないと思っています。

空気を読まない人間ということではなく、空気が間違っているときに、自分という信念を持って判断し、行動する人間になる力を得て欲しいと思います。

 

 

■卒業生の進路を教えてください。

HPにある『Seminar』の『澁谷ゼミについて』を開くと就職先が載っています。

金融関係(銀行、証券、保険など)が多いですが、最近では公務員も多いです。

卒業後に2~3年程勉強して、公認会計士になった人も数人います。今は監査法人で働いています。

伊藤忠商事に就職後、退職してオーストラリアの大学院に進んだ人もいますね。

大手企業の内定を蹴って、IT関係の小さなベンチャー企業に就職した人もいました。

ここ数年は証券会社に就職する人が多いです。

 

 

■ブログ読者に一言お願いします。

独立自尊の精神を持った人間になって欲しいです。

独立自尊は福沢諭吉の『学問のすすめ』に書いてある言葉です。

いい社会は個人が個として独立しないと実現しないし、発展しません。

それに、生きているって充実感が無いでしょう?

日本の社会を良くするためにも独立自尊の精神を持ってください。

ただし、利己的な精神と利他的な精神のバランスを兼ね備えた人間であって欲しい。

これは、私の今の研究にもリンクしてきますが、他人を思いやりながらも、自分自身の信念を持った人間になってください。

 

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経済を人間関係の観点から学んでいくという、とても楽しそうなゼミでした。ゼミの写真からもゼミの楽しさが伝わってきます。

先生の知識が豊富で、面白いお話を沢山聞くことができました。

澁谷先生、取材へのご協力ありがとうございました!

    

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