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経済学科の渋谷先生からオススメ本を紹介してもらったよ!!



池田信夫著「ハイエク-知識社会の自由主義」(PHP新書、2008年)



最近面白い小冊を読んだので紹介します。


ハイエク思想の全体像を現代社会の諸問題と関連付けて分かりやすく説明した入門書です。



社会秩序としての計画主義・全体主義に対するハイエクの批判は良く知られています。しかし、ハイエク思想の原点が、学生時代に書き始めた著作「感覚秩序(The Sensory Order)」の中で展開した、脳細胞(neurons)の自生的秩序にあることはあまり知られてはいません。


そこにはすでに、経験と学習の過程のなかで自律分散した主体が相互作用することによって進化論的に<自生的秩序>が生み出されるというハイエクの原発想が示されています。すなわち、ハイエクの社会哲学は時代を先取りした脳科学の理論に基づいて構築されているのです。



ハイエクが知識の不完全性、分散した知識、自生的秩序という考え方に基づいて社会哲学を構築する際には、常に、経験と学習を通じたニューロン回路の自生的秩序としての知識形成の理論が背景にあるのです。


ハイエク思想の影響の下で、世界の国々は完全な知識を持った全知全能の政府という妄想を捨て、社会主義・共産主義を放棄し、民間による自律的発展の道を選択し始めています。



一方、日本では未だに計画主義・全体主義的な考え方が強く、人々は開発途上国型の官僚社会主義体制の下で明示的及び暗黙の規制を通じて自由と自律的に生きる機会を奪われ、その結果、政治、経済、社会は低迷し続けています。


閉塞的状況に置かれている現代日本でこそ、ハイエクの考え方が広く世間で認知され、人々の間に分散した知識とイニシアチブ(initiative)を自律的、自生的そして創造的にコーディネイトできる<自由社会>を実現するための有効な解毒剤になって欲しいものです。


☆  ☆  ☆


ハイエクさんはオーストリアの経済学者!


貨幣的景気理論を展開する一方で、ケインズ主義や社会主義を批判して、社会経済論に基づく自由主義を唱えたんだって(大辞林BY三省堂より)


半世紀も先を見越した考え方を持っているなんてすごいよね!


渋谷先生オススメの本を読んで、経済学の扉を開けてみよう!


    

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