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講義テーマ:「会計監査を取り巻く環境変化」
−会計監査の厳格化−
1.講義内容の要約
公認会計士になるには、公認会計士試験に合格し、実務補習・業務補助等をした後、日本公認会計士協会に登録する必要がある。現在の公認会計士法では、会計士補という身分や実務補習の期間の年数に関する規定がなくなった。
監査法人は公認会計士5人以上で設立することができる。大手監査法人として、みすず監査法人,トーマツ監査法人,新日本監査法人,あずさ監査法人がある。大手監査法人であるほど大きな企業に監査依頼を受けることが多い。
公認会計士の仕事は、会計監査,税務代理・税務相談,会計系のコンサルティングがある。この仕事は、株主,投資家等に正確な財務情報を伝えたり、うまくいっていない企業にアドバイスをしたりなど重要な役割を担っている。現在、公認会計士が主に活躍する場は東京や大阪である。
公認会計士が企業の財務諸表をしっかり監査し信頼のあるものにした上で一般に公開しなければ、財務諸表自体が意味のないものになってしまう。そのため、会計監査は近年ますます強化され続けている。会計がより多くの人に注目され重要になっていく中で、公認会計士の仕事も重要性を増してきている。
2.問題提起及びコメント
企業が不正な意図をもって利益を実際よりも多く財務諸表に表示し、株主や投資家等の外部利害関係者を騙し資金を得る目的で行われる粉飾決算は、大きな問題となっています。この粉飾決算を防止するために、公認会計士の会計監査という業務が重要な仕事であると感じました。
粉飾決算のケースとして主に5つのケースがあります。1つ目は連結の範囲をいじるケースです。これは、多くの子会社を持っている企業ほどやりやすいことだと思います。2つ目は棚卸資産の評価をいじるケースで、実際は棚卸資産に評価損が計上されているにもかかわらず、値引きされる前の価格で売り上げたとして利益をあげようという考えです。3つ目は資本取引と損益取引を区分しないケースです。例えば、社債を売って得た資金を利益と表示してしまうことです。4つ目は売上の計上をいじるケースです。これは、来期の売上を今期の売上にしてしまうことです。最後に5つ目は貸倒引当金の過小計上です。
このようにさまざまなパターンで財務情報を偽ろうとする企業に対して、公認会計士がしっかり不正を防止しなければいけません。そのためにも公認会計士は独立の監査人として、監査対象の企業とうまく距離をとりながら監査していくことが重要です。
公認会計士の仕事は責任があり大変なものだと感じました。しかし、自分の力で大きな企業を監査するというのはとてもおもしろそうでやりがいは必ずあると思いました
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