講義テーマ:和魂洋才 −ロンドン株式市場上場への道−


1.講義内容の要約

 坂本先生が入社する頃は、会社自体がまだ新しくて自分たちも加担して一から会社を作り上げていく雰囲気があった。当時、カード会社というのは今のように銀行などで自動的に引き落としされるのではなく、一軒一軒家を回ってカード代金の回収をしていた。途中で自動振り込み式になって先生は安心したという。そして、先生は日本の会社では初めてロンドン株式市場に上場して、資金調達をした。海外で仕事をするにはよい弁護士と会計士をつければ成功するといわれていたが、よい弁護士や会計士を見つけるのにひと苦労で、逆に現地採用の面接で企業の方針や将来のビジョンを聞かれることが多々あった。そういう点で海外の人は日本人に比べて自己PR力が抜群にあり、明確な仕事に対するビジョンを持っている。特に香港人はお金を稼ぐことに対して執念があり、商売に関して長けている。日本の経営がもてはやされた時期もあり、日本のよさとして緻密さ、チームワーク、組織のために働く責任感や謙虚さなどがある。しかし、謙虚なのはいいことであるがそれに加えて反省だけでなく、自分でこれからどうしたらよいかという解決策を導き出せる人材が今後大切になってくる。日本の企業の経営方針は計画をたてるというよりも精神理念的なものが多いので、具体的に計画を立てて今自分たちが何をすればいいかということを見定めて行動することが大事である。
 今、就職の面接では人物重視の傾向が高まってきている。会社が指示したことをただこなすのではなく会社と一緒に一丸となってやろうという気持ちのある人材を欲している。


2.問題提起及びコメント

 私は今1年生だが、やはり就職のことは気になる。私も坂本先生の意見同様に海外の人は日本人以上に面接でアピールする力を持っていると思う。自分で積極的に何かをやり、その経験を面接で話す姿はすばらしいと感じる。日本人は謙虚といわれるが、私は謙虚さと消極的でありかつ内省的であるということをはき違えているのではないかと感じる。謙虚であることは悪いことではないが、消極的なのとは違うし、また積極的な野心を持っていることと傲慢で反省しないことも違う。自分が社会でどのようなスタンスで仕事をすればいいのかということは非常に難しい。
 今回はよい人材を探すことについて先生は多くを語ってらっしゃったが、人材を育成することが非常に大変なことがわかった。私たち人間は会社から言われたことをその通りにこなす力を持っていると思う。それこそ、日本人のよさである責任感、正確さなどがそれを物語っている。しかし、自分で問題点を見つけ、しかもそれに見合う解決策を探し出すことに関して苦手だといえるだろう。そういった日本人、海外の人のよさを兼ね備える能力が必要な時代が来ている。問題点はやはりどちらかに考えが偏ってしまうことではないのか。日本の企業が全てアメリカの会社方針で運営してもまるで意味がないだろう。お互いよい部分を真似し合い、会社は成長していくべきだと思う。  


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