講義テーマ:グローバル企業における企業経営と情報化革命


1.講義内容の要約

 伊藤忠商事は1858年創業で、もともと紡績関係の軽工業を主にやっていた企業である。現在は総合商社として、問屋、仲介、金融など多岐にわたる仕事をしている。2000年を迎え、工業化という第二の波をこえて第三の波である情報化社会が到来してきた。そしてまた新たにネットワーク社会へ移行しようとしている。例えば、今は会社でイントラネットを使い、会社内のパソコンがつながっており社長が言ったことがダイレクトに伝わってくる。今の時代、ただ情報を垂れ流しにするだけでなく、その受け取った情報をどのように自分で考えて咀嚼し、実行に移すかいうことが非常に大切である。日本のITをとりまく環境の変化というのは目覚しい。インターネットの普及は家庭が88%で、企業にいたっては98%でありかなりの普及率といえる。携帯電話も同様で、およそ8700万人が持っている。情報分析はビジネスに役立ち、非常に重要であるが、分析するために仮説を立てて予測する能力も必要になる。情報が大小はさまざまであるが、公開する情報と保護すべき情報をきちんと区別し、情報セキュリティ対策をきちんとすることが今後更に重要になってくる。うまく情報を使ってビジネスをすることが成功につながる。そして、ITはあくまでもツールであるから最も大事なことは現場のニーズの把握である。大学を自ら考えて行動する基礎を作る場として、LEARNからSTUDYになるような吸収の仕方をするべきだ。

2.問題提起及びコメント

 日本が情報化社会の渦中にいることはもちろん知っていたが、インターネットの家庭での普及率、携帯電話の所持台数を知って驚いた。情報というものに私たちは囲まれて生活しているわけだが、そう考えると私たちはもはや情報を得ることなしには生活していけない状態になってしまったのではないのかと考える。絶えず携帯電話を片手に持ち、相手と連絡を取り合う。とりとめのないメールも情報交換である。パソコンでインターネットを検索すればざくざく情報が出てくる。私たちは絶えず情報をほしがり、知っていることで安心する。その心から情報がビジネスにつながり、ビジネスのなかで大いに情報が活用されるようになったのもこの時代だからであろう。情報というのは日常的なことであるのに、ビジネスに使われるようになってから、個人情報、企業の秘密情報と騒ぎ始めた。実際に、個人情報や企業情報の漏れによる犯罪が頻繁に起き、犯罪まがいのビジネスも成立している。
 私たちは何でもかんでも情報に左右されてはならない。それというのも、情報操作されている場合があるからだ。私たちは情報化社会の渦中にいて分からないかも知れないが、知らないうちに情報を受け取り、それが本当かどうかも分からずに知識として蓄えたりしている。きちんと自分で情報を取捨選択し、正しい情報をつかむことが大事である。企業の場合も同じことがいえるのではないだろうか。これから必要なのは情報の管理というよりも情報に左右されない自分の管理であろう。


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