講義テーマ:グローバル時代の異文化コミュニケーション


1.講義内容の要約

 主な内容は、「入江先生の現在の仕事」、「グローバル化時代」、「異文化Communication」、「英語の学び方」、「今なすべきこと」についてであった。

1) 入江先生の現在の仕事について
 入江先生がどのようなキャリアで、今何をしているかということであるが、1971年に小樽商科大学を卒業と同時に日本IBMにSE Traineeとして入社し、その後、数々の役職を経て、現在はIBM Asia Pacific バンキング インダストリー担当Directorとして活躍している。 IBMには現在、40〜42万人位の社員がおり、リサーチ、製品開発・製造、ヘッドクォーター、流通・通信、物流の5部門がある。現在の仕事の内容は、「Asia Pacific地域の銀行が抱えている問題の理解」、「問題を解決するためのSolution≠フ開発」、「Go-To-Market Strategyの策定」、「Region/CountryのSupport」、「GlobalとRegion/Countryの橋渡し」である。常に会社の中では新しい発想で取り組んでいる。

2) グローバル化時代について
 現在は、社会全体がグローバル化しており、インターネットで情報がクロスオーバーしている。そして、それと同時に金と物が流通しており、それを制限する法もできている。
3) 異文化Communicationについて
 Communicationの目的は、「新しい情報を獲得すること」、「自分の意図を相手に伝えること」、「双方向のよりよいアイディアを発見すること」、「説得すること」、「組織を動かすこと」、「目的・目標を達成すること」である。この手段として、会議、Mail、Team Room、Videoなどがあり、媒体としては、文章や図表がある。
 BusinessにおけるCross-cultural Communicationとは、異なった常識・思考方法・価値観などを有する人々との間で、共通の目的を達成するために行う意思の疎通である。現実のBusinessの現場では、Cross-cultural Communicationはほとんどの場合、英語で行われている。

4) 英語の学び方について
 英語の学び方で大切なのは、「日本語を正しく理解する」、「日本語で論理的に考え、わかりやすく表現できる能力を身に付ける」、「英文法を理解する」、「英語と日本語の違いの本質を理解する」、「英語になれる」という基礎を確立することにある。また、発音や文法では気にすべき事と、そうでない事があり、勇気をもって話してみることが大切である。

5) 今なすべきことについて
 英語を身につけることの重要性を再確認し、TOEICで860を目指すなどの目標を決め、実行し、その成果を確認することが大切である。


2.問題提起及びコメント

 「IBMに入社してくる社員に期待することは何か」という自分の質問が最後に取り上げられた。その応えは、「自分がどのような分野でジェネラリストではなくて、スペシャリストとして働きたいか明らかにしておくことが大切である。」ということであった。つまり、そのためには、自分がスペシャリストとして働きたいと考えている分野において、今の自分には何ができて、何ができていないのかを把握し、できているところはさらに発展させ、そうでないところはできるように努力することが大切である。  グローバル化時代を生き抜くためには、自分の日本語をチェックし、きちんとした日本語を論理的に話せる能力を身につけた上で、異文化Communicationを身につけることが重要である。そして、それを使って相手を理解し、自分を表現していくことが大切である。
 これからは色々な分野に精通し、その時代その時代に求められていることをキャッチし、常に自己変革し、企業に選ばれる人材になることが大切である。会社に新しい風を吹かせたいならば、現場力を大切にし、コーチングにより、人材の育成に努めなくてはいけない。また、管理職になった場合、コーチングにより、人材育成していく能力を養うことも大切な役割である。


戻る