講義テーマ:北海道経済を活性化するために
            −観光サービス産業からのアプローチ−



1.講義内容の要約

 今回の講義は、先生は北海道地域において観光産業の現状について観光客の動向、観光による経済効果などを分析し、これまでの観光振興方策、観光産業の活性化に向ける取組方針などについて話されていた。
 北海道は豊富な観光資源を有する日本で有数の観光地である。日本国内観光地で最も高い人気を誇っている。国内旅行入り込み客総数のうち北海道は全体の7%を占め、さらに、「行ってみたい旅行先」としては、北海道が5年連続で全国第1位となっている。北海道観光客を居住地別にみると、最も多いのは道内客で、全体の約半数近くを占めている。道内総観光消費額は1.2兆円で、波及効果を含めると1.9兆円にも及ぶ。「観光産業」は北海道の主力産業の一つである。今北海道の観光産業を活性化していくことを目指して多様化する観光客ニーズに即応するために、北海道経済産業局では、北海道観光の魅力向上、観光客の満足度向上に貢献する新たな観光サービスを提供する事業者"観光ベンチャー"の創出促進に向けた取り組みをプログラム化している。


2.問題提起及びコメント

 僕が今回の講義を受けて思ったことは、北海道観光は夏季の人気が高く、観光で訪れる人の半分は夏に集中している。しかしこれ以上夏季の入込を増加させる余地は実はあまりなく、その原因は航空機の座席数の限界があってさらに、道内ホテル・旅館も夏季は非常に混雑して、これ以上夏季に大幅に宿泊客数を増やすのは難しいのが現状である。新たに劇的なオフシーズン対策でもない限りは、観光客が今後大幅に増加することは考えにくいことである。ここで、僕は考えたのは、北海道は夏のリゾートとしてだけでなく、アジアにはない唯一の冬のリゾート地になれる可能性もある。もっとも、雪や、雪祭りだけが売り物では限界がある。その限界を超えるためには、雪を活かしたウインタースポーツの国際的なメッカとして整備していかなければならない。そうなれば個性ある国際リゾート地として、アジアの人びとの関心も集めることができるだろう。
 もう一つ北海道の観光に対してすべき課題といえば、国際的な需要の開発である。外国人観光客の誘致である。年々海外からの観光者は増えてきているが、アジア各国との競争も激化しているのも事実である。この観光競争の中で生き残っていくために、いまから十分な準備が必要であるのは確かである。外国人も楽しく北海道で過ごせるための受け入れ体制の整備が急務である。文化的インフラ整備がそのひとつとして挙げられる。交通案内の充実・タクシードライバーの教育・ホテルサービスの向上・グローバルマナーの教育などである。また、交通の条件整備も重要である。地方中枢都市の空港の国際便を比較してみると、新千歳が週19便、仙台は29便、広島28便、福岡はなんと154便である。国際化の指標として国際線が何便あるかという点に絞ってみると、福岡が断然先行している。北海道観光の将来を考えた場合、新千歳空港のハブ空港としての条件整備はいっそう重要になる。


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