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講義テーマ:法曹をめざそう
1.講義内容の要約
講義の内容は、1.法曹、2.司法試験、3.法科大学院、4.弁護士の仕事、5.大切なこととは何かであった。
1.法曹ついて
法律事務に従事する人のことで、いわゆる法律家のことである。裁判官、検察官、弁護士の三者を合わせて法曹三者と呼ぶ。日本には、裁判官と検察官を合わせて約5,000人ほどだが、弁護士は約20,000人いる。司法試験合格者は最近増加傾向で、法曹人口、特に弁護士は増加傾向である。しかし、増加傾向であるが都市に集中しており、この偏在が問題となっている。
2.司法試験
裁判官、検察官、弁護士になるためには、司法試験に合格しなければならない。大学の教養課程を修了すれば1次試験は免除され、2次試験(択一式・論文式・口述式試験)を受けることとなる。平成16年度の最終合格者は1,483人で平成22年頃には合格者は3,000人の予定である。
3.法科大学院
法曹の養成を目的とした大学院のことであり、このたびの司法改革の目玉として法科大学院ができた。この大学院を卒業すれば、司法試験に70〜80%の確立で合格できるとされ、全国で68校6,000人を受け入れた。しかし、この大学院を卒業しても理想どおり合格できるとは限らないのが現状である。
4.弁護士の仕事
弁護士の仕事は、民事・刑事を扱う法廷、事務所や市役所なでで行う法律相談、自己破産や個人再生を取り扱う多重責務者当番弁護士、国選弁護事件、当番弁護士、会務などがある。
5.大切なこと
法曹として大切なことは、訴状や準備書面などに説得力をもたせ、わかりやすく書くという文章力と法律の知識を幅広く持つことである。また、社会常識、口頭弁論期日や打ち合わせの日時などの時間厳守、依頼者を見極める能力、依頼者との人間関係、健康管理も当たり前のことだが忘れてはいけない。
2.問題提起及びコメント
小川先生のお話を聴いて、弁護士が身近に感じられるようになった。商大の先輩が弁護士で活躍されていると聞いて、誇らしく感じる。自分も、いつか社会に貢献してできる存在になりたいと思った。
司法試験合格者が増加している現状だが、弁護士は東京だけで全国の約半分を占めているのを知り驚いた。地域によって偏在しているのは問題である。本当に困ったとき、いつでも相談できる弁護士がそばにいないというのは考え物である。また、法科大学院ができたが、司法試験の合格者が理想と現実とでかなりの格差があるのも問題である。知人に会社を辞めて、法科大学院に入った者がいる。その人は、結婚して安定した職業についていたのに、弁護士の夢が捨てきれず、このたび、道外の法科大学院に入学した。妻とは別居で、妻の収入で学費や生活費をまかなっている。この合格率を聴いて、そのような人たちが今後どのような人生を歩むのか心配になった。その人の人生を大きく変えるものなので、大学・大学院・国側も、もっと現実的な話をした上で受け入れなくてはいけない。
また、それにも増して、論理的に物事を考える力を養い、受験者もそれ相応の覚悟で必死に勉学に励まなければいけないと思った。
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