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講義テーマ:戦略的ビジネスモデルの構築
−人生と仕事の創造・開発方法−
1.講義内容の要約
プランをたてるということはあらゆる事において非常に重要な行為である。「人生」においても同じ事が言え、ライフプランというものがある。ライフプランは、自己理解のうえ設定された人生の基本的な生活モデルである。つまり将来の目標やビジョンを定め、それに達するにはこれからどうすべきかを決定していくのである。溝渕さんが言うにはこれが充実した人生を送るのに最も大切なことだという。また、人生の中で特に「就職」というものに焦点を絞り、設定するのがキャリアプランである。キャリアプランをたてるということは、職業興味や価値観を明確化し、キャリア形成を考えることである。(キャリアとは学歴や資格のみならず、就職に至るまでの経過で得るべきあらゆるものととらえる。)キャリアを得るにおいては、自己理解、仕事理解、モチベーションの高揚、仕事における具体的なアクションプランの設定、新しい技術の学習、新しい価値観の学習が必要となる。
起業時においても当然プランは必要となり、それをビジネスプランと言う。ビジネスプランは言わば仮説の経営指針に基づき成文化された基本設計図である。そのビジネスプランの中核となるのがビジネスモデルであると言える。ビジネスモデルの策定とは、事業成功を導くための事業コンセプトを明らかにし、具体的な儲ける仕組みを構築する事である。つまりこれは、事業の経済性・収益の数値目標を示し、事業成功へ導くビジネスロジックを創る戦略的発想と言える。最終的にはこのビジネスモデルをビジネスプランに組み込んで、確実にビジネスを成功させるための『戦略的事業発展計画書』を策定するのである。
2.問題提起及びコメント
溝渕さんは小樽商科大学が、実学を重んじている点から産学の複合を目指す先駆大学であり、産学連携こそが社会革命のエンジンであると述べていた。よく日本の大学生はアメリカ(参考とすべき教育環境を持つ国の中で一般的に一番よく認知されているという理由で例に挙げることとする。)の大学生よりも、職業に対する意識が低いと言われる。日本とは違い、アメリカでは大学入学時にはほとんどの学生がすでに将来希望する職業の展望を具体的に決定しているという。そしてその意識の低さが、日本の企業が新入社員を雇用するうえで、受験者に対して欠けていると感じる点の一つらしい。このような事が起こる原因の一つとして産学関係の希薄さがあげられるのではないか。アメリカでは文理問わずあらゆる分野で産学連携を図っている大学が数多くある。それはTLOなどの産学連携をすすめる機関が存在し、企業がスポンサーとなり大学に金銭的支援を行うなど、環境面による影響が大きい。そうなれば自然と学生の意識の中で、大学と職業の結びつきは強くなるのだろう。このように産学連携は、技術・知識という面において企業の発展につながるだけでなく、学生の職業に対する意識の高揚、つまりはより良い人材の育成にも大きな効果があるのではないか。「学問は神聖なもの」という考えもわかるが、今の日本の社会が欲する人材の育成を考えていくならば、見習うべき点は多いのではないだろうか。
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