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講義テーマ:企業におけるIT導入の実態と成功のための条件
1.講義内容の要約
IT導入における失敗を事例と理論の両面から考察し、そこから得たIT導入の際の成功法則や今後の展望についての講演。
◆事例からの失敗考察
A社のSCM導入の事例とJTBの基幹系システムの事例より失敗の原因を見ると、定量目標設定がなかったり、業務改革・用件定義が不十分だったりと問題は何点かある。しかし、この二例からわかる失敗の原因の根源は、
@ トップの過剰関与による現場無視 A 利用する人間の意識の低さ の二点のように考えられる。ここからITに徘徊する亡霊(一見導入成功と思わされる原因)の姿が見えてくる。というのもその亡霊とは、導入したIT
をただ従来業務に適応したり、立ち上げの遅れで機械損失を出したり、影でローカルシステムが横行しているといったもので、これらはすべて言い換えると人の問題ということが可能であるからだ。
◆理論からの失敗考察
パッケージソフトの導入にもそれぞれ導入の条件がある。ここではさらにSCM・CRM導入の条件より、ユーザー無視という新たな失敗の原因が出てきた。
◆IT化による今後の展望と成功のための条件
ITとは経営改善の重要な一手法である。今後間違いなくIT化は進んでいくであろう。ただしそこで忘れてはいけないのが、ITがすべてを解決すると過信してはいけないということ、そしてITありきではなく業務改革ありきであるということである。さらに成功のための条件には本音で取り組むことが大事であるということである。
成功への第一歩として挙げられていたのが、トップの適切な関与、である。トップに決定権があり、そのトップを如何に動かすか、そしてそのトップがITに戦略的に取り組むことが成功への第一歩である。
2.問題提起及びコメント
IT系企業への内定が決まっている身としては今回の講演はとても為になりました。特にIT導入失敗の法則に関しては、企業に限らず身近なゼミや自身の活動にも適応できることだと感じました。ただやはり、その中にあるトップの無関心や社内意識の低さなど、「人の問題」に関してもう少し詳しいお話を聞きたかったように思います。「どう」すれば動くのか(変わるのか)はもちろんですが、それ以前に「何が」彼らを動かなくさせているのか、の問題の根源を見る視点の持ち方について、ぜひ機会があれば聞かせていただきたく思いました。
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