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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2023/03/17 現在

科目名/Subject 坂柳 明 4年ゼミ
担当教員(所属)/Instructor 坂柳 明 (商学部)
授業科目区分/Category 昼間コース 学科別専門科目
開講学期/Semester 2021年度/Academic Year  前期/Spring Semester
開講曜限/Class period 火/Tue 4 , 火/Tue 5
対象所属/Eligible Faculty
配当年次/Years 4年
単位数/Credits 12
研究室番号/Office
オフィスアワー/Office hours
更新日/Date of renewal 2021/03/05
授業の目的・方法
/Course Objectives and method
  
  財務会計論及び監査論。会計・監査分野の研究を行う上で、制度や文献上の内容を理解することは重要であるが、文献や制度による思考の呪縛を受けるのは、何か新しいものを生み出す上では障害になる。文献や制度は、何が問題になっているのかを把握するための素材であり、自らが構築した理論によって分析される対象ではあるが、「与件」ではない。現実の制度や文献で想定されている世界を尊重しながら、特定の状況に直面した監査人の対応や、特定の場面での会計処理が、論理的にはどうなるのかを自分の頭でよく考えることや、そもそも議論になっている状況が十分網羅されているのかについての調査を行うことが、研究の第一歩であり、そうした地道な作業を経て形成された論理体系が、既存の考えに強固な理論的基盤を与え、また、新しい知見及びそれに基づく制度を生み出すことになる。この研究指導では、以上のような一連の営みを可能にするための思考訓練に重点を置きます。総じてこのゼミは、分析力を養うためのゼミです。
達成目標
/Course Goals
 表面的な知識による「言い合い」を避けるため、まず、指定する財務会計又は監査論のテキストとの関係で、いくつかの論点を解説する。このような解説を何回か行うことによって、3年生の個人研究、及び4年生の卒業論文の執筆が円滑に進み、堅固な理論に基づいて自身の見解を述べることができるようになる。
授業内容
/Course contents
 これまでの研究指導では、【1】:監査分野では、英文の基本書を翻訳した。また、無限定適正意見が表明される監査報告書において、債務超過、あるいは継続的に営業損失が発生している状況等の、「継続企業の前提が疑わしい」状況を生み出す原因となる状況を解消するための経営計画等の効果、との関係で、「期末日後に発生した事象」のうち、(1):当期末の財務諸表の「修正」をもたらす事象ではなく、(2):次期以降の財務諸表に影響を与える事象のうち、当期の財務諸表の注記に記載される事象でもないが、(3):当期末時点での状況(例えば、上記の例で言えば、その会社が抱えている「債務超過」の状況)に変化を生じさせる事象が発生した場合のその事象の影響について、当期の財務諸表又は(及び)当期の監査報告書で言及する余地はあるのか、という問題を踏まえて、米国のアメリカ会計士協会(AIA)の監査手続委員会が1954年10月に公表した、Statements on Auditing Procedure, No.25, Events Subsequent to the Date of Financial Statementsを翻訳した。

 他方、【2】:財務会計分野では、より重要なテーマとしては、独立当事者であるA社とB社の間で、A社のa事業をB社に譲渡した場合の対価として、A社がB社から「子会社株式」を取得した場合に、A社はa事業の譲渡損益を認識しない、という考えに合理性はあるか、という問題を扱った。この問題を議論する過程で、伝統的に考えられてきた「実現の二要件」、即ち、(1):財又は用役の提供、及び(2):現金又は現金同等物の受領は、見直しを迫られることになるのか、見直しを迫られることになるとしたら、それはどのような形の見直しか、という問題も議論した(この問題は、「実現基準の例外」としてよく知られている工事進行基準や割賦販売の回収基準の話ではありません)。

 また、上記の(1)及び(2)の形で示された要件の見直しが必要になるとして、その見直しの結果、収益認識において導入される要件は、[1]:連結会計上の、「親会社による子会社の意思決定機関の支配」が意味することと、意味しないことを見極める上で有効であるか、及び[2]:個別会計上で議論される「所有権移転外ファイナンスリース取引」について、所有権が譲受人(レッシー)側に移転しないにもかかわらず、(所有権が移転する)売買取引に準じて、あるいは、(所有権が移転する)割賦購入取引と整合性を保つために、譲受人側でリース資産をオンバランスする旨の説明、あるいは、そのリース資産を保有することによるリスク及び経済価値が移転するので、譲受人側でリース資産をオンバランスする旨の説明の合理性を見極めるための要件として有効であるか、という問題も、併せて議論した。
事前学修・事後学修
/Preparation and review class
 ある研究指導の事前学修として、一見すると気づかないが、研究上の論点が含まれている文献(例えば、仕入諸掛の購入原価への算入の根拠を示した文献、商品の購入にあたっての仕入戻しの根拠を示した文献)(A)を事前に読んでくることが必要になる。また、その研究指導の事後学修として、その研究指導の理解を深めるために、Aとともに、新たな研究上の論点が含まれている文献(B)を読むことが必要になる。
使用教材
/Teaching materials
 追って指示する。なお、『会計法規集』(研究指導開始時点で最新のもの)を用意しておくこと。
成績評価の方法
/Grading
 この授業科目の成績は、授業に臨む態度、問題提起、及びそれに対するコメントの水準の合計点によって評価する。
成績評価の基準
/Grading Criteria
 「成績評価の方法」に記載した、授業に臨む態度、問題提起、及びそれに対するコメントの水準の合計点が、90点以上を「秀」、80〜89点を「優」、70〜79点を「良」、60〜69点を「可」、59点以下を「不可」とする。

 「秀」:授業内容をほぼ完璧に理解していること。
 「優」:授業内容を十分に理解していること。
 「良」:理解が不十分な点はあるが、授業内容をおおよそ理解し
ていること。
 「可」:理解が不十分な点は目立つが、授業内容の基本的な理解
はあること。
履修上の注意事項
/Remarks
 簿記原理の単位及び応用簿記の単位は修得済みであること、また、簿記原理及び応用簿記の成績は、良い方が大変望ましいです。会計に関する基礎知識がある人(例えば、公認会計士試験の勉強を始めている人。しかし、一定の会計に関する基礎知識があればよいので、公認会計士試験の勉強をしていることを応募の条件にはしません。)にとっては、研究指導が円滑に進むと思います。
 議論の相手が納得しないまま、常に自身が主導権を握って、相手を黙らせようとする「議論」をよく耳にします。このゼミでは、そうした理不尽かつ意味のない「議論」ではなく、先に提示されている主張が合理的であるかどうかを、その主張が想定する世界(議論の土俵)に入り、その主張が成立するかどうかを十分吟味した上で、その主張が不合理であれば、新たな主張を行う訓練をします。大学院への進学を考えている人は、面接時にその旨を伝えて下さい。
実務経験者による授業
/Courses conducted by the
ones with practical
experiences
該当しない/No
実務経験の概要
/Outline of their practical
experiences
該当しない
備考
/Notes
 
遠隔授業
/Online class
遠隔授業/Online class

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