★★ 内田純一分担執筆(第6章)
  『いま私たちをつなぐもの―拡張現実時代の観光とメディア―』出版★★★

オンラインで旅する時代の観光学。

AR/VR、ASMR、インスタグラム、SNS・・・

拡張現実化する世界が「観光」を変えた

 旅先で“映える“写真を撮影し、観光地の情報は口コミサイトで収集するのが当たり前の時代――。さらには新型コロナウイルスの感染拡大から、オンライン・ツーリズムの登場も手伝い、旅とメディアはおり密接な関係を築いている。“拡張現実“をキーワードに現代観光への新たなまなざしを提案する一冊。

内田執筆の第6章「旧軍のバトルフィールド・ツーリズム」は、熊本県・人吉球磨地域における海軍遺構を活用した観光振興の取り組みを事例分析の対象とした、国内文献では初となる本格的な<戦地や古戦場、戦争にまつわる歴史的ミュージアムを巡る観光形態>である"バトルフィールド・ツーリズム"の研究論文です。それまでほとんど注目されることのなかった軍事遺構が市民有志の会の草の根的な取り組みによって、短期間で国内有数のバトルフィールド・サイトへ進化した過程に着目しています。

 
『いま私たちをつなぐもの―拡張現実時代の観光とメディア―』 (山田義裕・岡本亮輔編著) 目次
     序論 観光、メディア、そして拡張現実(山田義裕)
    ◎第1部 観光とメディア
     第1章 偶有性の触媒としての観光
         ――拡張現実時代の「共在」に関する一考察(山田義裕)
     第2章 オンライン・ツーリズムと観光体験(鈴木謙介)
     第3章 コンテンツツーリズムで読み解く拡張現実化する社会
         ――拡張し続ける物語世界とツーリズム実践について(山村高淑)
     第4章 観光的巡礼の試みとスピリチュアル・ツーリズム
         ――「ながさき巡礼」を事例として(山中 弘)
    ◎第2部 マテリアリティとコンテンツ
     第5章 1906年のコンテンツツーリズム
         ――牧師・山田寅之助の聖地旅行(岡本亮輔)
     第6章 旧軍のバトルフィールド・ツーリズム
         ――人吉球磨の海軍遺産による観光振興の取り組みを中心に(内田純一)

     第7章 オートモビリティと移動身体
         ――宮本常一におけるフィールドワークの〈速度〉と拡張現実(門田岳久)
     第8章 スマートフォンの中のおみやげ
         ――縮減するマテリアリティと保持されるパフォーマンス(鈴木涼太郎)
    ◎第3部 パフォーマンスとコミュニケーション
     第9章 変化し続ける都市の歴史的想像力
         ――地図とガイドブックから見た東京の風景(深澤晃平)
     第10章 観光ルートを作る想像性と身体
         ――メディアとしてのマップ(田中孝枝)
     第11章 サウンドツーリズム研究の可能性
         ――「都市ASMR」を事例に(金成?)
     第12章 分裂とつながり
         ――現代中国におけるムスリム・コミュニティの変容と生誕祭の活発化(奈良雅史)
     第13章 仮想・拡張現実空間のピースツーリズムと当事者性(ファン デル ドゥース 瑠璃)


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