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伊藤 優斗 『不完全情報ゲーム「大富豪」における戦略の策定』

ゲームはもはや娯楽としてだけではなく、競技としてもその存在を確立してきた。そして競技であるが故、必勝法や定石、戦略が古くより考えられてきた。コンピュータの発達により、あらゆるパターンを計算しつくすことで必勝法は達成されることが多かった。しかし、多くのトランプゲームに見られるような不完全情報ゲームではそれが不可能であり、評価基準による配点に基づく一手の選択が用いられてきた。
本研究ではトランプゲーム「大富豪」をテーマとして、評価配点方式を導入したプログラムによって複数の戦略案の中からより負けない戦略を求めることを目的としている。最適戦略を導くにあたり、「大富豪実力向上委員会」および「大富豪ルール統一委員会」に掲載されているルールや戦術を基に、まずは基本となる戦略を作成する。それらの基本戦略をプログラム上で戦わせ、その対戦結果から敗北要因となったものを考察し、優秀な成績を収めた戦略に敗北要因を回避するアルゴリズムを付与する。これを繰り返すことで、より負けることのない最適戦略を求める。
小川原 梨紗 『因子分析・主成分分析による性格分析』

現代社会において、多くの既存の商品または既存のものを「ポジショニング」するということは重要な意味がある。今あるものの特徴、優れている点、欠点などを明らかにすることは、世の中に求められるより良いものを作り上げていく上で欠かせないことである。
「ポジションニング」は主に、自社の商品を取り巻く市場や競合関係を調べ、新商品を市場のどこに位置づけするのかを探索し決める時に行われるが、その商品がどのポジションにあるのか、もっと良い商品を作るためにはどの方向性が良いのかを知るというこの方法は他にも多くの分野で応用できる。
 そこで本論文では、われわれ大学生の関心事である就職活動に注目し、ゼミ生が活動の前後でどう変化したのか・どのように成長したのかを、たくさんの変数から相関を持った変数を組み合わせてまとめ、潜在的な意識を引き出すポジショニング分析(因子分析)や因子分析とはまったく逆方向からのアプローチである主成分分析を適用して結果を導き出していく。
 結果としては、成長の度合いは個人個人様々であった。全体としては統率力・積極性が身についた人もいたが、就職活動の面接やディスカッションを通して、自信となった人とそうでない人に分かれた。また、元々持っている性質もあり、活動を通しても変わらない部分が多くあった。
玉村 聡一朗 『AHPによる小樽商科大学トランポリン競技部における意思決定』

人が生きるとは、考えることであるといっても過言ではない。生きていく以上様々な意思決定の場面にぶつかる。そんな中、人は自ら考えその中で選択を繰り返すが、最終的にどの選択が最良だったのか分かることは限りなく少ない。
そこで主観的な方法ではなくその難解な意思決定問題が客観的に決定できるとしたらよいのではないか。そのようなことに対して模索していく方法論がAHP(階層分析法)である。 そこで私は小樽商科大学トランポリン競技部で解ける意思決定AHP問題の解きこみと考察を行った。
具体的には、選手を選抜するときの判断基準に学年を入れたり、なじみの大会に対する考慮などを行うことによって、最良な意思決定を導き出すことができた。
 
中村 浩一朗 『株式投資におけるAHPの適用と考察』

私達人間が普段、生活を営んでいく上で、様々な種類の意思決定が避けては通れない重要な問題となっています。このような意思決定を行う際に、経験や勘、主観などだけでなく、科学的に客観的な視点から意思決定を行えるAHPと呼ばれる意思決定手法があります。今回、株式投資という経験や勘、法則だけでは説明できない、問題にAHPを適用し、どのような結果を導き出すかを考察します。それと同時に「上昇株らくらく発見法」という株価が上昇する銘柄を見つけ出す手法を用います。流れとしては、まずチャートフォリオで理想的な株価の推移をしている業種を見つけ出し、その業種の中から、「上昇株らくらく発見法」に当てはまる銘柄を3つ選び出します。それらを「株価、乖離率、出来高」の3つの評価基準で評価し、AHPを行います。そして、この手法がどのような結果を導き出すのか、この手法がどれほどの確立で上昇株を見つけ出すのかを検証します。
三田 勝也 『コンジョイント分析による野球用品の商品企画』

私たちが商品を購入したい場合、何を考えて購買するのだろうか。多様な種類の商品が存在する中で、自分の本当に欲しいものというのは日々変化しているのではないだろうか。そのようななかで、商品を開発していく側の人々は興味を引くような商品を開発していかなくてはならない。そこで主観や偏見に惑わされず、客観的に数値化して開発を行い、よりベストな方法によって売れる商品の企画を行いたい。そのような方法として、コンジョイント分析がある。消費者がなんとなく、経験、勘などで選んでいる商品を数値化してその要素がどれくらい大きいのか、小さいのかを図る方法である。
 本研究ではこのコンジョイント分析を使って野球用品を企画するのがテーマである。アンケートから重要な要因を導き出し、その要因を分析することによって野球用品を具体的に商品企画した。スパイク、バット、グラブについてそれぞれ場合分けして様々な種類の商品を企画し、その結果が実際の市場での売れ筋と同様か、または異なっているかなどを考察し、顧客の傾向なども分析するといったことで独自の商品を企画した。
皆川 達哉 『ソートの比較検証』

ソートとは、複数のものを決まった順番に並べ替えて整列することである。分かりやすい例にトランプがある。手札が配られた際、数字の順番、あるいは強弱の順番に手札を並べ替える人が多いのではないだろうか。人は少なからず、無意識のうちにソートに触れているのである。中学や高校時代に、学校の時間割どおりに教科書を順番に鞄に仕舞っていた人もいるはずだ。これも、形は違えどソートの一種と言っていいだろう。
社会の場では、ソートはプログラムとして組み込まれ、様々な仕事の場で使用される。このソートにはいろいろな種類が存在するが、決まって重要視されるのはソートの効率である。好き好んで効率の悪いものを使おうという人などいないだろう。よって、いろいろな場合を想定し、実際に検証して効率の良いソートを求めようというのが本研究の目的である。
効率が良いと言われているマージソート・ヒープソート・クイックソートの3つのソート法を用いて様々なデータ列で比較回数・交換回数・計算時間を比較した。また、クイックソートに着目し、改良案として知られている他ソートの併用、基準値の選択の変更を行い、普通のクイックソートとの違いを検証した。その結果、上記の3つのソート法の中ではクイックソートが一番効率が良いということがわかった。さらに、クイックソートの改良案については、他ソートの併用には挿入ソートとバブルソートが有効であり、基準値の選択の変更は通常のデータ列ではほとんど意味を成さず、クイックソートが苦手としているデータ列が出てきた時にのみその効果を発揮するということが判明した。よって、この研究によって様々なデータ列におけるクイックソートの有効性と、一部のデータ列を除く改良案の無効性が証明された。
宮田 沙季 『コンジョイント分析を用いた観光企画の設計』

 2007年12月現在、食品等の商品の値上げが深刻な問題となっている。タバコ、菓子、マヨネーズなどから始まり、タイヤ、樹脂製品まで、様々なものが影響を受けているのが現状である。このような中、飛行機を動かす燃料費の高騰も問題であり、このことから国内旅行客が増加傾向となった。これは、バス事業においても、切っても切り離せない問題であり、マンネリ化が進む道内旅行には打開案が必要である。
 そこでまず、意外性のあるアイデアを抽出するべく、アイデア発想法を行った。また、インタビュー調査も行い、消費者がどのような観光企画を求めているかということを調査した。以上二つの結果と、自分自身で重要と考えたアイデアをという三つの方向から、最適な商品のコンセプトの組み合わせを分析する、コンジョイント分析を行った。分析以前に、三方向からアイデアを抽出したことにより、更に洗練された観光プランのコンセプト作成を試みた。
山川 真記子 『ロジスティック回帰分析による生活習慣病とストレスの関係性についての研究』

現代社会はストレス社会であるといわれるほど、日々の生活の中で多くの人々がストレスを感じている。そしてそのストレスが原因となってさまざまな病気が引き起こされているのだ。
本研究では、誰もがなり得る身近な生活習慣病とストレスの関係性について、ロジスティック回帰分析を利用して研究をしている。ロジスティック回帰分析とは、目的変数が二値変数(比率、確率を含む)の場合の特殊な回帰分析の手法のことであり、ある事象が発生する確率の予測やどの要因が結果に最も影響を与えているかなどを分析することができる。
本研究の生活習慣病とストレスの関係性において具体的には、この分析を用いて、生活習慣病の危険因子の一つとなっている特殊な性格がストレスをもたらす確率・影響はどのようであるかなどの研究を行っている。心臓病の危険因子の一つである特殊な性格はタイプAと呼ばれ、いつも時間的な切迫感があり、競争心が激しく、負けず嫌いで仕事をバリバリこなし、攻撃的な傾向のある性格や行動パターンである。ガンになりやすい性格はタイプCと呼ばれ、まじめで几帳面、協力的で譲歩的、我慢強い、権威に対して従順、怒りを表現しないといった特徴がある。その二つの性格とストレスとの関係性を調べ、ストレスを強く感じる確率、要因を研究している。