Dreadnought

 1906年12月に竣工したかつてのイギリス海軍の最新鋭艦である。全長526フィート(160.1m)で、当時戦艦としては最高速である21ノットを出すことができた。30.5cm方を10門備え、乗員は、800人。Dreadnoughtは、登場当時その画期的な性能により、当時の戦艦性能の基準となり、同戦艦と同等の性能を持つ戦艦は、"Dreadnoughts"と呼ばれた。時おりしも第一次世界大戦前であり、ドイツ帝国と、大英帝国の軍備拡張競争の中で、両国とも同級クラスの戦艦の建造を競った。1914年当時、イギリス海軍は19隻(内、13隻は建造中、ドイツ海軍は13隻(内7隻は、建造途中))のDreadnoughtsを保有していた。ちなみに当時、アメリカは8、フランス8、日本4、オーストリア-ハンガリー帝国(!)2,イタリア1のDreadnoughtsを保有していた。Dreadnought自体は1920年に除籍になっている。

 このDreadnoughtの登場が、いわゆる大艦巨砲主義時代の幕開けで、第二次世界大戦初期まで続く、巨大戦艦の建造ラッシュへと続いた。その最終形態が、日本の大和級戦艦で、実に全長263m、公試排水量68,000t、46cm砲9門という大きさに到達した。人間が過剰に競争すると、ほとんど役に立たないものを作り出してしまうという教訓を残したという点で歴史的意味がある。

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