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◆ 2018/03/26 翻訳マンガを読んでみた! ~男子向けマンガ編~ ◆

図書館3F「翻訳マンガコーナー」を知ってるかな?

図書館の職員さんが、その翻訳マンガを実際に読んでみたそうだよ。

気になる翻訳マンガがあったら、ぜひ読んでみてね。

 

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図書館3階閲覧室「翻訳マンガコーナー」。ざっと900ものマンガが揃っているんですよ。きっと、あなたのお気に入りのマンガもあるはず! もう、借りてみましたか?

今回は、実際にいろんなマンガの1巻を読んでみて、見えてきた翻訳の工夫についてご紹介します。

 

One piece(原題同じ)vol.1【G 2.4||00479||351899】

皆様ご存知の、海賊王を目指すルフィと仲間たちの冒険譚。図書館には83巻まで揃っています。少年マンガは、背景の描き文字まで全て翻訳されていることが多く、原作の雰囲気そのままの勢いのあるアルファベットが描き込まれています。(翻訳に時間がかかりそう…。)

 

「ゴムゴムの実」は「gum-gum-fruit」。ロロノア・ゾロの必殺技「鬼斬り」は、「ONIGIRI!」と訳して、欄外に小さく「※demon slash」と注が付いています。技の名前を訳すのも大変そうです。

 

章間の質問コーナーやイラスト投稿コーナーも翻訳されていますが、掲載されているイラストは、アメリカの読者の投稿作品のようですよ。

 

Rurouni Kenshin : Meiji swordsman romantic story(原題『るろうに剣心: 明治剣客浪漫譚』)vol. 1【G 2.4||00533||351980】

明治期の日本を舞台に、流浪人の剣豪・緋村剣心の活躍を描く時代物マンガ。主人公のセリフに、翻訳者の工夫が見られます。なんと、一人称が「This One」なんです。(はじめは一人称だって分かりませんでした…)

 

「This one is but a rurouni… a swordsman traveling with no destination.」

日本語の時代劇に出てくる「それがし」とか「手前」みたいな雰囲気が出ていると思いませんか?(ちなみに、日本語版の一人称は「拙者」です。)

巻末には、アルファベット順の用語集が付いていて、作中に登場する剣術の流派名などのほか、「-chan」「-dono」といった敬称や、「Aizu」「Bakumatsu」といった歴史用語まで、様々な日本語が解説されています。

 

Case closed(原題:『名探偵コナン』)vol.1【G 2.4||00513||351688】

見た目は子供、頭脳は大人、のコナンくんですが、英語版のタイトルは『Case closed(事件解決)』。でも、違うのはそれだけありませんでした!

 

シャーロック・ホームズが明治時代に最初に翻訳されたとき、登場人物名が日本名にアレンジされていたことを教えてくれたのはコナンくんでしたが(93巻)、現代でもそういうことは起こりうるようです。「工藤新一」が「Jimmy Kudo」になってる…! 「毛利蘭」は「Rachel Moore」。苗字も変わっちゃっています!

他の登場人物の名前がどうなっているかは、ご自分の目で確認してみてください。

 

Barakamon(原題:『ばらかもん』)vol. 1【G 2.4||00543||352129】

長崎県の離島で暮らすことになった若き書道家半田清舟と、島の住民たちの物語。このマンガは、大きい描き文字は日本語のまま残し、小さくローマ字の読み仮名と、英訳を添えるスタイルです。

 

特色は、五島の人々が話すハートフルな方言! 巻末の訳注によると、英訳ではアメリカ西部の方言で表したそうです。

「Ain’t ah told ya, no climbin’ nowhere dangerous?」

という具合で、「ah」は「I」、「ya」は「you」ですね。語尾が言いっぱなしの感じが、島のお年寄りのおおらかな雰囲気をよく表していると思いました。

 

Noragami : stray god(原題:『ノラガミ』)vol.1【G 2.4||00553||351883】

「ノラガミ」は「野良神」。お社も持たないマイナーな神様と、生霊になってしまった女子中学生を中心に描く、日本神話系アクションマンガ。

 

訳注がついているマンガは他にもありますが、このマンガの巻末の訳注は、とにかく面白いです! 日本人も知らない日本神話を解説してくれたり、翻訳の苦労が綿々と綴られていたり。「ここは日本語では本当は「5万」って書いてあったんだけど、なぜぼくが「five thousand(5千)」って訳したかっていうと…」と、言われなければ誰も気づかないようなことを、詳しく説明していたりします。このマンガを読むならぜひ、訳注も読んでみてください!

 

マンガの英語は、会話文が中心ですし、絵もついているので、読みやすいと思います。私は「わからないところは飛ばして読む」派ですが、辞書を引いて精読するもよし、お手持ちの日本語版と読み比べるもよし、ご自分なりの楽しみ方で、翻訳マンガに挑戦してみてくださいね。もちろん、貸出も出来ますよ。

 

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