「社会調査」のウソ -リサーチ・リテラシーのすすめ- (文春新書)
谷岡 一郎 (著)
文藝春秋
¥ 725 (税込)
薦めたい本をと言われたのだが、実はあまりこの本は薦めたくない本の一つでもある。というのは世の中に出回っているもっともらしい統計データの過半数がゴミであると著者は豪語するように少々過激な本であり、見方によっては情報操作のマニュアルにもなりかねないものの一つだからである。ただし、この手の本は別に珍しいわけではなく、統計で嘘をつく方法などに関する書籍は数多くあり、昔から言われた事実でもある。
この統計データが作り上げられるにあたり、真実からの「ずれ」、すなわちバイアスが様々な段階で紛れ込むため、情報が真実の姿から遠のいていくわけである。これに対して統計・調査の基本はバイアスをいかに最小にするかにある。しかし、現実にはこのバイアスが逆にひろがっていくわけであり、その原因、実態、問題点などを実例からさまざまな角度で明らかにしてくれているのがこの本の特徴でもある。非常に読みやすく、情報の接し方、扱い方など各自の視野を広げてくれるものと思う。是非この本を読んで情報の正しい伝え方、とらえ方というのを身につけていただきたいものである。
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