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講義テーマ:「人に良くする仕事は人を育てる」
1.講義内容の要約
今回は、北海道農業協同組合中央会よりJA改革推進部総合コンサル課考査役の高橋直樹さんにお越しいただき、講演をしていただいた。
JA編 そもそもJAとは、Japan Agricultural Cooperative の頭文字を取ったもので、農業協同組合と訳される。農協の基本理念は、"Each for all, all for one"=「一人は万人のために、万人は一人のために」であり、また「相互扶助」は世界中の協同組合に共通する精神である。それから農協が目的として掲げるものは、「組合員農家の農業の経営と生活を守り、よりよい地域社会を築くこと」・「農業生産力の増進及び農業者の経済的社会的地位の向上」の2つが主に挙げられる。後、JAが行っている事業はJAバンク(信用事業)・JA共済(共済事業)といったような聞き覚えのあるものから、営農指導事業・販売事業・経済事業など様々な事業を行っている。
農業と食料編 WTO農業交渉において日本が目指しているものは、農業の多面的機能である。この多面的機能には、持続的食料供給が国民の将来へ安心を与えることなどが挙げられる。また、日本は"水"の「輸入国」であり総輸入量は640億?/年にものぼることを知らされ正直驚いている。次に食料自給率の問題が取り上げられ、日本が先進国の中で最低の自給率である深刻な実態をどのように打破していくか、また自分たちにできることは一体何かという解説がなされた。最後に食育とは生きる上での基本であり、知育徳育及び体育の基礎となるべきもので、食に関わる人々の様々な活動に支えられていることについて、感謝の念や理解が深まるよう配慮されなければならないという食育基本法の重要性の説明がされた。
2.問題提起及びコメント
今回は"農業"をテーマに講演をしていただいて、現在の農家の実態や農業経営の大変さ、また農業に関する日本という国の考え・世界との違いといった様々な事が知れて、本当に充実した1時間だった。
ファーストフードという考えに対抗した、"スローフード運動"は「バラエティ豊かな地域に食を再発見し、これを愉しみながら、人々が豊かに平和に生きていく上で欠かすことのできない食の喜びを取り戻そうという運動」と定義されるが、この考えはまさに北海道に当てはめて考えることができると思う。
現在マクドナルドやロッテリアといったようなファーストフード店が全国に進出していて、"食"を愉しむということを以前よりしなくなってきていると感じる。全国各地の地域でしか食べることのできない"食"を再発見して愉しめる、そういった時代がまた来ることを願いたい。
それから高橋さんは、今まで講演して下さった先生方と同様に就職活動についてのお話をなさっていたが、価値観"という言葉をキーワードに、@仕事の価値観A人生の価値観を確立させることの重大性を口すっぱくおっしゃっていた。まだこの年齢で価値観を確立させることは非常に大変なことだと思うが、今回の講演を機に一度自分自身を見つめ直したいと思った。後、高橋さんにとって「働くとは?」―これは納得させられたが、「傍」を「楽」にすることとおしゃっていた。自分の周りの人たちを楽にしてあげることが"働く"ことなんだなと自分の中にすっと入ってくる言葉だった。
最後に、人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力 の公式は一生自分が覚えてなければならないものだと思った。どれかが0になってしまったらすべてが0になってしまうという、一見恐いものと思ってしまうが、よく考えてみたら当たり前のことのように思える。考え方・熱意・能力を常に向上させることのできる、そんな大人・社会人になりたいと今回の講演で思った。
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