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講義テーマ:「2015年の日本」
−大きく変貌する日本の社会と産業−
1.講義内容の要約
なぜ2015年の日本に注目するのかという理由が日本での人口及び世帯数の減少の予測が2015年にピークを迎えることを説明し、そして、各地方でも高齢化が進み、さらに大都市圏でも高齢化問題が深刻になっていることを説明し、回復不能な労働力率の低下も指摘していた。次にガラパゴス化現象について、携帯電話、デジタル放送、電子マネー環境基準等の例を取り上げながら詳しく説明をしていた。次にイギリスの経済復活をもたらした施策の例として、国際金融センターロンドンの競争力強化、
クリエイティブ産業の育成、営業アウトソーシング、地方のグローバル化等を説明し、日本はこれらの英国の改革から何かを学ぶべきだと主張し、最後に第三の開国が成長するための条件を立命館アジア太平洋大学、ワタベウェディング、浅草仲見世商店街、ヤクルト本社、テレノール等の事例を用いながら詳しく説明した。
2.問題提起及びコメント
日本は将来、少子高齢化がさらに深刻な問題になるはずである。2015年には4人に1人が65歳以上となり、日本はかつてない少子高齢化社会へと突入しようとしている。このままの状態で少子高齢化が進めば、社会を支える役割を中心的に担う働き手の数は当然少なくなる。この数が減れば、総生産が減り、1人当たりの国民所得を維持することも難しくなってくる。このように少子高齢化とこれに伴う経済停滞の克服は日本の大きな課題のひとつである。1人当たりの国民所得を維持するためには、労働生産性を高めていくことが考えられる。労働生産性を高めるためには、付加価値の高い分野に資源を重点的に投入することが重要である。また、企業内においても情報化を進めることなどをして、労働者1人当たりの資源装備率を高め、さらに資本を効率的に活用することが重要である。そのためには生産性の向上に必要な知識や情報を共有すると共に、時には組織内部を柔軟に変革していくことも必要となってくる。次に労働参加率を高めていくことも考えられる。他の先進国における女性の労働参加率を比較すると、日本は25歳から39歳における女性の労働力率が他の先進国の同じ年齢層と比較すると特に低いことがわかっている。この理由は日本におけるこの年代の多くの女性が育児や介護等の家族的な責任を中心的に担っているためであると考えられる。したがって日本はこうした家族的な責任を有する人でも働く意欲があれば働くことができるようにしていくことが重要である。また、こうした環境作りは出生率の増加にもつながり、生産年齢時人口の増加にも良い影響を与える可能性もある。この他にも働く意欲のある高齢者や障害者にも就職を与える機会を増やしていくことも重要である。更に現在では結婚をしないまま人生を終えようとする人が特に女性の間で増えてきている。この理由としては経済の発展により結婚をしなくても一人で十分に生きていくことができるようになったため、誰にも縛られずに生きたいと願う人が増えたためである。これらのような問題の対策をしていく上で重要なことは個人個人で少子高齢化を止めようとする意識を持つことも必要であるということである。そして、政府も国民の利益になる様な考えを持たせる政策を積極的に思案していくべきである。そうすれば日本国民も自分の利益にもなり、更に人口減少も食い止めることができ、最悪の場合でも国民所得等の減少を止めることぐらいにはなるはずである。
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