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講義テーマ:「北海道の地域まちづくりに関わって」
−データの向こうに見えるもの−
1.講義内容の要約
安田先生は、インタラクション研究所で市民の意識や新しいニーズ・ウォンツを調べる社会調査を行い分析している。社会調査は主にアンケートや電話調査(RDD)のよるものが多い。最近は、自由回答によるアンケートもある。そのため、調査に答えてくれるのは女性の方や時間に余裕がある高齢者の方が多い。そうした場合は、どうしても一部の人の意見しか反映されず、正確なデータが取れないのが現状だ。また、固定電話を持たない若者や男性は、答えてくれることが少ない。社会調査したことは、社会や世論に反映するが、若者や男性の意見が少ないので、今後はこの問題を意識して新たな取り組みが必要だ。また、自由回答だとウォンツを知るための分析は人間なので大変である。地域ごとに社会調査をする中、一人暮らしをする高齢者が多いことがわかっている。また、多くの人が、高齢者やお隣さんとコミュニケーションをとっておらず一人暮らしをしている高齢者がいつの間にか亡くなっていることが、しばしばあることがわかった。コミュニケーションをとらない理由には、プライバシーを守りたい、義務的な負担はできるだけ避けたい、近所の人間関係に一定の距離を置きたい、などがある。年齢により、さまざまな心配事があることもわかった。特に高齢者は年金や医療についての心配率が高い。また、地域ごとにも少子化、災害の増加、犯罪への不安、行政などいろいろな問題がある。これらの問題を解決するためにも市民による街づくりが必要であり、地域の人々がお互いにコミュニケーションをとることが大切であると考えている。
2.問題提起及びコメント
今回の講義を聞いて、社会調査の大切さがわかりました。今までは、調査された内容を見ても、調査をしている人の大変さや調査された結果の秘めている社会に及ぼす影響などを考えたことはありませんでした。また、歩いているときにアンケートを頼まれてもあまり答えたことはなかったのですが、社会の傾向を知ってもらうためにも、これからは頼まれたときには積極的に答えたいと思いました。講義の中の若者が家に固定電話を置いていないことについて、これからの社会を形成していく若者の意見やウォンツを知ることができないのは、将来について予想できないのと同じことだと思いました。また、現代の私たちは、高齢者に対しての配慮にかけていると思います。プライバシーを守りたいという考えは確かにあるが、隣に住んでいるのが高齢者だったら普段の生活で買い物を手伝ったり、暇なときに話しかけたりするくらいでプライバシーは破られないと思うので、もう少し高齢者に配慮すべきだと思いました。高齢化が進む今、若者の私たちが社会を担っていくとされていますが、私たちは前時代にどのような問題がありどのように解決されたかわかりません。温故知新という古語がありますが時代の先輩である高齢者の方とともに新しい社会を形成していくべきです。前に起きた問題の解決策を教えてもらうことで、さらに良い社会形成につながると思うからです。高齢者が増えることをデメリットの考えるのではなくメリットと考えるべきです。そうすれば、社会調査で問題になっているさまざまな心配事も解決されていくと思います。
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