講義テーマ:「バイオ燃料の現状と日本への導入課題」
                 −石油に変わるもの−


                                      2007415 三村 善慧

1.講義内容の要約

 最近の商社は、バリューチェーンという一環ビジネスモデルを構築することによって総合事業会社へと変わりつつある。
 例えば映画を事例に挙げてみると、
         従来は製作会社→商社→配給会社→映画館だったのが、
            共同製作→商社→総合製作→シネコン
というように、生産から消費者へ届くまでを商社がまるごと取り仕切るのである。
 将来的な商社像は、トレード(ヘッジ取引・融資取引)と事業投資(M&A)が有機的連携をとることである。
 地球温暖化の原因はCO2による影響が最も大きい。CO2は産業革命以降急速に増加しており、日本においては現在、世界で4番目に排出量が多い。日本は2008年から2012年までの期間中に、温室効果ガス6種の合計排出量を1990年に比べて6%削減することを約束した(京都議定書)が、2005年現在、日本のCO2の排出量はむしろ増加しており、このままでは実現が難しい状況にある。こうした状況の中で、石油の代替燃料として注目されているのがバイオ燃料である。
 バイオ燃料とは、サトウキビ・トウモロコシから作られるバイオエタノールと、菜種油・大豆油・パーム油から作られるバイオディーゼルのことで、CO2を増やさない燃料として石油からの脱却を目指すものである。
「植物は成長する時に、光合成により大気中のCO2を取り込むので、その植物から作られたバイオエネルギーを燃やしてCO2を発生させても、大気中のCO2総量の増減には影響を与えない」というカーボンニュートラルの考え方により、効果的な地球温暖化対策、またそれに加え、農民や失業者に対しても画期的な効果をもたらすエネルギーとして注目されているが、最近は食料の高騰(農民のバイオマスへの転作による)や、農耕地の乱開発による環境破壊など、決して無視できない問題も多く見られるようになってきている。


2.問題提起及びコメント

 民間では最近、石油が原料であるレジ袋を使わないようにする運動が盛んである。一見すると、以前まで他人事のように捉えられていた地球温暖化が、身近な問題として認識され始めたように感じるが、実際は、買い物袋を持参すると合計金額からいくらか値引きされるとか、ポイントがたまって何らかの特典が得られるとかのオプションが付いていることがほとんどで、結局のところ消費者は自分の得になることがなければ動かないのが現実である。
 動機は何であれ結果が伴うのであれば、今の時点では良いのかもしれない。しかし本来ならばもっと世界に目を向けて、消費者は自らの意識そのものを変えなくてはならないと思う。
 こうしてレジ袋問題を例にとっても、消費者が地球温暖化を身近で現実的な問題として捉えているかどうかは疑問であると感じる。


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