講義テーマ:「働くということ」
             −人材ビジネスの現場からの教訓−



1.講義内容の要約

 人材サービスの主なビジネスモデルには、就職転職サイトなどの運営や、人材紹介、人材派遣、再就職支援などがある。就職転職サイトや情報誌に関しては、その記事の掲載料を企業が支払っている。人材紹介では人材紹介会社が求職者と企業の間に立ち、企業は紹介手数料を会社に支払う。人材派遣では企業が人材派遣会社に派遣料を支払い、企業に就職した人に似人材派遣会社から給料が支払われる仕組みとなっている。再就職支援では解雇した企業は再就職派遣会社にコンサルティングフィーを支払い、登録された求職者のために会社は別の企業に打診して再就職を支援する。この時打診をされた企業は会社には一切の手数料は払わない。現在大卒新卒者は三年で三割の人が会社を辞めてしまっている。今社会で必要とされているのはキャリアデザインを持った人間である。キャリアデザインとはキャリアを会社任せでなく自分で主体性を持って、自立的に計画し実行していくことを言う。自己イメージとして自分の能力、自分が感じられる価値、やりたいことへの動機と欲求という三つの問いの答えの重なる部分の仕事がその人にとってもっとも適していると言える。キャリアの大半は予期せぬ偶然の出来事によって支配される。理想のキャリアデザインとしては、30代半ばで筏下り、つまり基礎力をつけ、30代後半で山登り、つまり専門領域へ移行すると良い。ただ女性に関してはキャリアデザインを定めるのが難しく、その大きな要因として結婚と出産が挙げられる。キャリアはブランクが一番恐ろしいので、筏下りと山登りと出産のタイミングを合わせるかに重点が置かれる。

2.問題提起及びコメント

 この講義はいかに自分に適した仕事を見つけるか、そして就職した後で何を目指すかについての内容であった。自分が何をしたいかだけでなく、自分自身の能力や仕事自体にいかなる価値を抱くのかにも目を向けなければいけないことは非常に今の時点では難しく感じられる。この状態で就職後のキャリアデザインに関してはイメージを沸かせるのも難しい。しかし、確実に自分に一生つきまとう問題であり、考え続けなければいけない問題であることはよく分かった。就職した企業での仕事が自分のライフワークとなることがベストに思えるが、就職した後も常にアンテナを立てて周りの状況や自分のスキルについて気にかけていくことが大切だと思った。就職後もすぐに辞めてしまう人が多いという事実には驚いたが、将来像が描けない自分も今から就職活動についてもっと明確なビジョンを持って考えて行きたいと思った。また、女性であるがゆえのキャリアデザインの難しさについて自分はもう少し深く考えて行きたいと思う。現代では多くの女性が結婚、出産後も職場に残ることが多く、キャリアを持った人も数多くいる。女性も男性と職場で肩を並べ、女性だからと甘んじる社会でなくなってきている今、女性はひとりひとり自覚を持ち自らの仕事についてもっと考えて行くべきであると思った。

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