講義テーマ:グローバル経済と日本の行方

1.講義内容の要約

 先生は高校時代から「世界中を見てから死にたい」という希望があり、その当時、「アメリカは何故あんなに豊かなのだろうか」という疑問を抱いていた。大学時代はその希望、疑問を問い詰めていくのに邁進する。パイロットになろうと思い、航空大学を受験したり、留学するために3年次において卒業に必要な単位を全て修得したりした。4年次にはアメリカのカリフォルニアに7ヶ月間留学した。仕事も海外に支店がある企業に就職しようと考え、住友銀行に就職した。国内支店時代を5年半経験した後、ニューヨーク支店に転属し、7年半を過ごす。その後、海外勤務を転々とし、パナマに2年半、インドネシアに3年、韓国に3年半、シンガポールに3年半勤務した。53歳の時、住友銀行を役職定年退職という形で離れ、インドネシアの財閥からの要請を受け、1998年「BANK INTERNATIONAL INDONESIA」に副社長として着任する。その後、「アジア・パルプ・アンド・ペーパー」に転籍。CEOとして債務繰り延べ交渉に従事する。2005年交渉が決着し、現在に至る。
 日本には、急激にグローバリゼーションの嵐が吹き荒れてきており、ここ数年での日本の変化は急激なものである。その変化というのは、みんなが幸せに暮らせるという「社会主義的資本主義」から小泉改革に見られるような「アメリカ的資本主義(グローバル・エコノミー)」への急速な転換である。その意味で、これからの世の中は「優勝劣敗、弱肉強食」の方向へ向かいつつある。また、現在そして、将来にわたって中国の多方面による台頭が活発になり、ますます日本はアジアでの立場が弱まると考えられる。その中で生きていかなければならない私達、学生は生きていくための力を身につけなければならない。そのためにも、学生時代から将来を見据えた生活をすることが必要になってくる。例えば、自分の思ったことに対しては正直になり、やりたいことは積極的にやっていくことなどが挙げられる。また、本を読むことも学生時代にやっておくべきことである。というのも、本を読み、頭の中に知識に対する「座標軸」を設けておくことによって、社会に出て新しい知識が入ってきた時、新たな情報をおおまかに振り分けることができ、理解が早く進むからである。
 社会に出ると、学生時代とは比べ物にならないほどに忙しくなる。そういった意味でも、学びたい事は、学生時代のうちに学び、身につけておいた方が良い。



2.問題提起及びコメント

 私は、先生の講義を受けて、正直、負い目を感じてしまった。というのも、先生の学生時代の考え方、また行動もはるかに私を超えていたからである。私は留学をしたいと考えているし、そのためにいろいろ考えているつもりだった。しかし、私の考えていることは、先生のそれと比べると「無」に等しいように思われた。特に、世界が見たいからパイロットを目指したことや、留学するために、3年次に卒業に必要な単位を全て取ってしまうなど、目標に向けてすごいエネルギーで向かっているように感じた。私もこのひたむきさ、行動力を見習いたいと思う。
 また、先生の講義を受けて感じたのは、「日本の危機」である。特に、日本の「アジアにおける地位の低下」や「中国の急速な台頭」などを改めて自覚させられた。それと同時に、これから社会に出て行く私達、学生はただ大学にいて、ただ大学を卒業しただけでは生き残れないと考える。その意味でも、大学時代に何か自分だからできるというような、「自分独自のもの」を身に付けなければいけないのである。私もこれから気をつけていきたいと思う。


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