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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2026/03/12 現在

科目名/Subject 経済学特別講義(労働経済学特論)
担当教員(所属)/Instructor 森 啓明(商学部)
授業科目区分/Category 昼間コース 学科別専門科目
開講学期/Semester 2026年度/Academic Year  前期/Spring Semester
開講曜限/Class period 夏季集中講義(8/24-28)
開講時限については後日アナウンスします。
対象所属/Eligible Faculty 商学部昼間コース/Faculty of CommerceDay School,商学部夜間主コース/Faculty of CommerceNight School
配当年次/Years 3年,4年
単位数/Credits 2.0
研究室番号/Office
オフィスアワー/Office hours
更新日/Date of renewal 2026/02/16
授業の目的・方法
/Course Objectives and method
授業の目的:
本講義の目的は、経済学の基本的な考え方と実証研究の成果を通じて、労働政策や社会保障制度が教育投資、人々の働き方、ならびに長期的な所得形成にどのような影響を与えるのかを科学的に考察する力を培うことである。近年の日本政府の政策動向を踏まえ、労働政策としては男女共同参画施策、社会保障制度としては給付付き税額控除や子育て支援政策に着目する。
男女共同参画施策については、企業に対する男女賃金格差の開示義務付けや、役員に占める女性比率を定めるクオータ制といった政策を取り上げる。これらの施策が企業行動や賃金構造、女性の昇進機会、さらには人的資本投資や労働供給にどのような影響を及ぼすのかについて、近年の実証研究をもとに検討する。
給付付き税額控除制度は、働き控えを生み出す「年収の壁」を解消することにより、労働力不足の緩和につながる可能性がある。他方で、とりわけ小さな子どもを育てる親の労働供給の増加が、子どもの発育に負の影響を及ぼすのではないかとの懸念もある。本講義では、同制度に関する実証研究を紹介し、親の労働供給の増加が子どもの発育に与える影響を検討するとともに、その影響が限定的であると考えられる理由を解説する。
また、「魚を与えるのではなく、釣り方を教えよ」という格言が示すように、教育投資を通じた格差是正は、長期的には単なる所得移転よりも持続的な変化をもたらす可能性がある。労働経済学の近年の実証研究は、とりわけ幼児期や胎児期の発達に影響を与える政策の効果に着目している。本講義では、「事前分配」とも呼ばれる人生の初期に作用する政策の効果について重点的に解説する。

授業の方法:
本講義では、教員による講義に加え、Rを用いたデータ分析演習を講義時間内に実施する。一部、反転授業の形式を取り入れ、生成AIを活用しながら短時間でプログラミングを行う方法を学ぶ。プログラミング経験は前提としないが、基礎的なデータ処理と回帰分析を自ら実行できる水準に到達することを目標とする。受講にあたっては、ノートパソコンを必携とする。
達成目標
/Course Goals
1. 基本的なミクロ経済学の枠組みを用いて、再分配政策や社会保障制度に伴う政策上のトレードオフを説明できる。
2. 因果推論の考え方を含む計量経済学の基礎を理解し、政策評価の基本的な枠組みを説明し、応用できる。
3. 実証分析を実施し、その結果や解釈の妥当性について、批判的に検討できる。
授業内容
/Course contents
講義は、面接授業の形式で全15回実施する予定である。質疑応答はLiveQを通じて行い、原則として、すべての質問・コメントを講義中に取り上げる。講義トピックは大きく5つに分けられるが、講義時間を弾力的に配分するため、以下のトピックを各回に厳密に割り当てることはしない。

A. 因果推論に基づく政策評価
第01回 回帰分析とセレクションバイアス
第02回 ランダム化比較試験
第03回 自然実験
B. 労働供給と税制
第04回 労働供給の理論と応用
第05回 集積分析
第06回 給付付き税額控除
C. 人的資本投資
第07回 人的資本投資の相乗効果
第08回 幼児教育の長期的効果
第09回 胎児期起源説
D. 保育政策
第10回 現金給付vs現物給付:お金で子どもは増えるのか
第11回 保育制度と母親の就業
第12回 待機児童問題  
E. 男女間賃金格差
第13回 子育てペナルティ
第14回 晩産化と生殖補助医療の役割
第15回 人事制度が生み出すジェンダー格差
事前学修・事後学修
/Preparation and review class
因果推論や家族の経済学に関する入門書のうち、興味を持ったものに目を通しておくと、スムーズに講義内容に入っていけるのではないかと考える。
伊藤公一朗『データ分析の力』光文社新書

山口慎太郎『「家族の幸せ」の経済学』光文社新書

また、本講義を履修後、男女賃金格差に関心を深めた学生は、以下の書籍にあたることで、さらに理解を深めることができると考える。
大湾秀雄『男女賃金格差の経済学』日経BP
使用教材
/Teaching materials
講義毎にスライドと追加資料を共有する。
成績評価の方法
/Grading
講義中に行う課題(全5回)の提出と、講義後の理解度確認クイズの回答(全5回)によって成績を評価する。
成績評価の基準
/Grading Criteria
講義内容を正確に理解し、それを論理的にアウトプットする能力を有しているか否かによって評価する。
履修上の注意事項
/Remarks
講義にはPCを持参すること。アクセシビリティに関連して、合理的配慮を求める受講者は事前に教員まで連絡すること。
実務経験者による授業
/Courses conducted by the
ones with practical
experiences
該当しない/No
授業実施方法
/Method of class
①面接授業/Face-To-Face class
遠隔授業
/Online class
遠隔授業/Online class

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