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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2022/04/06 現在

科目名/Subject 哲学B
担当教員(所属)/Instructor 宮田 賢人 (商学部)
授業科目区分/Category 昼間コース 学科別専門科目
開講学期/Semester 2022年度/Academic Year  後期/Fall Semester
開講曜限/Class period 木/Thu 2
対象所属/Eligible Faculty 商学部/Faculty of Commerce
配当年次/Years 1年 , 2年 , 3年 , 4年
単位数/Credits 2
研究室番号/Office
オフィスアワー/Office hours
更新日/Date of renewal 2022/02/28
授業の目的・方法
/Course Objectives and method
授業の目的:

① 第一の目的は、「存在および認識の根拠」や「自然の原理」をめぐる問いに対して過去の西洋の哲学者たちがどのような応答をしてきたかを学ぶことです。私たちは、自身の周りに様々な事物が「存在」していること、そして、それらが相互に影響を与えあいながら、「自然」という秩序を形づくり、その影響のなかで自然的世界が絶えまなく変化していることを自明なこととして疑いません。しかし、かりに誰かが、たとえば「なぜ目前に机が存在するといえるのか」「そもそも、ある事物が存在するとか認識できるとはどのようなことか」「自然の世界はどのようにして秩序づけられているのか」「自然の変化はいかなる原理によってもたらされているのか」「なぜ窓ガラスに石を投げつけたら確実に割れるといえるのか」などと問うてきたならば、私たちはどのように応答すればよいでしょうか。本講義では、このような「存在および認識の根拠」や「自然の原理」をめぐる問いとそれに対する哲学者たちの応答を学びます。

② 第二の目的は、上で述べた、各時代の「存在および認識の根拠」や「自然の原理」をめぐる哲学的思考が、いかに、当時の法思想に影響を与えているかを学ぶことです。①で述べたような問いに取り組む哲学は、社会的実践とは無関係の知的遊戯とみなされがちです。しかしながら、哲学はその時代その時代の思考枠組・世界観を根本から規定し、実践的にも少なからぬ影響を与えるポテンシャルを有した学問です。このことを示すため、各時代の「法」の理解に着目してみたいと思います。「社会あるところに法あり」という法諺があるように、人間が社会的に活動する上で法秩序は必要不可欠であり、それに対応して、どの時代にも固有の法思想が存在します。本講義では、いかに、各時代の哲学的思考が当時の法思想に影響を与えているかを追っていきたいと思います。 

授業の方法:

本授業は、対面での講義を通じて、以上の目的に取り組みます。(ただし、感染状況によっては開講方法の変更がありえます)。
達成目標
/Course Goals
本授業の達成目標は以下の三つです。
・各哲学者の見解・思想を知識として理解し、西洋の哲学史・法思想史を正確に
 概説できるようになる
・哲学・思想がどのように各時代の思考枠組・世界観を根本から規定しているか
 を理解し、それを法思想との関連で説明できるようになる
・様々な世界の捉え方・思考枠組に触れることで、いま私たち自身が有している
 思考枠組・世界観を相対化する能力を向上させる
授業内容
/Course contents
本授業は、各時代における「存在および認識の根拠」や「自然の原理」をめぐる哲学的思索の変遷の概説を主筋に、そして、それがどのように当時の法思想を規定したかを副筋に、以下のような計画で進みます。  

1.イントロダクション 
2.プラトンのイデア論 
3.アリストテレスの目的論的自然観
4.ピュシスとノモス:古代自然法論 
5.近代哲学の始まり:我思う故に我あり(デカルト) 
6.  デカルトと機械論的自然観
7.自然法則としての法(ホッブズ)   
8.イギリス経験論:ロックとバークリ
9.コペルニクス的転回:カントの批判哲学・前半
10.理性の自己立法:カントの批判哲学・後半
11.法実証主義の台頭:オースティンとケルゼン
12.  事象そのものへ!:フッサールの現象学・前半
13.事象そのものへ!:フッサールの現象学・後半
14.言語論的転回:ウィトゲンシュタインの言語哲学
15.まとめ
事前学修・事後学修
/Preparation and
review lesson
事前:毎回の講義前には、事前に指示した参考文献の該当箇所を読んでおくこと。
事後:講義内で取り上げた参考文献の該当箇所や原典を読むこと。
事後:不明な用語があった場合は、図書館に所蔵されている哲学・思想事典(辞典)を活用し、意味の確認をしておくこと。
使用教材
/Teaching materials
教科書は指定せず、講義内で参考資料・参考文献を適宜配布・指示します。
もっとも、以下の文献を自習用に手元においておくことを推奨します。

-貫成人(2008)『図説 標準 哲学史』、新書館
成績評価の方法
/Grading
定期末試験(100%)
試験では、上述の3つの目標の達成状況を判定するような問題が出題されます。
成績評価の基準
/Grading Criteria
・高校での「倫理」の前提知識は不要です。しかし、前期開講の「倫理学」と比較して抽象度がやや高くなり、そのぶん難易度が高くなるので、高校で「倫理」を受講しておらずかつ抽象的な思考が不得手だという自覚のある学生は、まず前期の倫理学を受講した後に本講義を履修することを推奨します。(なお、前期の倫理学と本講義との間に直接のつながりはありません)

・特別な配慮が必要な学生は事前に申し出てください。学内の規程に即して対応策を検討します。

・本講義は概論ですので各学説の内容を深く紹介・考察することはできません。したがって、受講の際には、講義で取り上げた思想家の原典に直接あたることを強く推奨します。
実務経験者による授業
/Courses conducted by the
ones with practical
experiences
該当しない

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