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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2023/03/17 現在

科目名/Subject 倫理学B
担当教員(所属)/Instructor 久保田 顕二 (商学部)
授業科目区分/Category 昼間コース 共通科目
開講学期/Semester 2019年度/Academic Year  前期/Spring Semester
開講曜限/Class period 木/Thu 3
対象所属/Eligible Faculty 商学部/Faculty of Commerce
配当年次/Years 1年 , 2年 , 3年 , 4年
単位数/Credits 2
研究室番号/Office 久保田 顕二(343)
オフィスアワー/Office hours 久保田 顕二(前期:木 14:30~16:00
後期:水 15:00~17:00)
更新日/Date of renewal 2019/02/28
授業の目的・方法
/Course Objectives and method
 倫理学の入門的な講義です。「倫理」や「道徳」とは、平たく言えば、私たちが社会生活を円滑に営む上で欠くことのできない基本的な行為規範のことを意味します(例えば、「人を殺すべからず」や「約束を守るべし」などは、倫理という規範の枢要な部分です)。本講義は、こういった行為規範がなぜ存在し、私たちはなぜそれらを守らなければならないのか、という疑問を軸にして進められます。
 この問題意識に関連させながら、さまざまな倫理学説を紹介していきますが、基本的に、次のような二つの見解の対立を押さえておくことが、講義全体を理解する鍵となります。すなわち、一つは、倫理・道徳の存在意義は、それが自分や社会の何らかの目的(例えば、自分自身や社会を存続させたり幸福にしたりすること)に資することにある、とする見解です(功利主義などはこの見解の代表です)。もう一つは、倫理・道徳には、その有用性や功利性からは独立したそれ自体の独自の存在意義がある、とする見解です(カント倫理学などはこちらに属します)。
 時には中国や日本の倫理思想にも触れることがありますが、ほとんどの題材は西洋の倫理学からとられます。
 この授業が目的とするところは次のことです。
1.西洋倫理学の歴史における主要な学説についての基本的な知識と理解を得ること。
2.倫理学の学説には、それを学んだ者に「実践」を促す効果があるということを知り、実際にそれを身の回りの倫理問題に適用できるようになること。
達成目標
/Course Goals
 次のような理解を、あるいは生きる姿勢を、身に付けることが、この授業の達成目標の重要な一部を形成します。
 私たちの行為が「倫理的(道徳的)」であるとは、その行為が、行為者自身を含む一部の人だけを例外的に優遇していない「公正な」ものである、ということを意味します。そして、「倫理的」であるとはそういうことであることをはっきりと示して、私たち一人ひとりに自覚させる、というのが、まさに「倫理学」という学問の重要な課題なのですが、授業を受ける中では、そういった「倫理的」行為なるものをまず知的に理解していただき、そしてさらにそこから進んで、自らの実生活を振り返りつつ、自分や他人の行為をそのような視点から評価する「目」を養っていただきたいと考えます。
授業内容
/Course contents
 以下のそれぞれの項目について数回ずつを費やします。
1.倫理的ジレンマ―「5人の命」を選ぶか「1人の命」を選ぶか-
2.行為規範としての倫理・道徳-「倫理」と「法規範」の違いなど-
3.帰結主義と義務論―よい「結果」の達成か、単に「義務」の遂行か―
4.倫理学の諸分野-応用倫理学、メタ倫理学など-
5.「権利」とは何か-近現代の社会と「権利」の重要性-
事前学修・事後学修
/Preparation and review class
 授業以外の場で行う学修としては、事前学修よりも、むしろ事後学修のほうが大きな比重を占めます。特に以下のような作業が必要になります。
1.授業の場で十分な理解に至らなかった倫理学用語を、「倫理学」や「哲学」や「思想」を扱った辞典(事典)(図書館にも何点か所蔵)を使って調べ、その意味を正しく把握する。その際、基本用語の意味は、「時代」の変化とともに変化したり、個々の学者の「思想体系」との関連で多様になったりする、ということにも注意する。
2.授業で紹介された概説書などを手にとり、該当箇所に目を通す。
3.配布資料(特に、原典の翻訳を抜粋して作成した配布資料)の該当箇所を判読する。そのようにして、授業での口頭による解説を通すだけでなく、倫理学者自身による言葉をも通して、思想内容を把握することに努める。
使用教材
/Teaching materials
 テキストは使用しませんが、授業の中で参考文献を随時紹介していきます。
成績評価の方法
/Grading
 定期試験の成績に、平常点(出欠調査を兼ねたアンケートによって行う、意見や疑問の聴取)を加味します。
 定期試験は論述式の筆記試験であり、そこでは、用語や重要事項の簡潔な説明を求める4〜5題の小問と、比較的広範にわたる内容の理解を確かめる2題の大問とが出題されます。また、このほかに、修得した思想的内容を、現実的な具体例に正しく適用できるか否かを確かめるような設問を用意して出題するかもしれません。
成績評価の基準
/Grading Criteria
 目安としては、定期試験の成績が85%、平常点が15%です。成績評価に際して一番重要となるのは、抽象的な思想内容を、ある程度の分量の明晰な文章によって正確に表現することができているか、という点です。主にその点での達成度に応じて、「秀」〜「不可」のいずれかの成績が割り振られます。
 一応、記述式問題の採点基準を示しておきますと、ほぼ次のようになります(ごく一般的な基準です)。
1.思想的内容をきちんと把握していることが示されているような正確な答案であること。
2.答案の分量が、目安として指定された文字数と比べて少なすぎないこと。
3.理解が講義内容のごく一部にだけでなく、全体にゆきわたっていることが示されているような答案であること。
4.答案が、日本語の文章として正確で、かつ分かりやすいこと。
履修上の注意事項
/Remarks
 高校の「倫理」の内容とは部分的にしか重なっておらず、また題材の取り上げ方も、「倫理」におけるそれとはだいぶ違います。有名な思想家の思想のエッセンスを時代順に紹介していく、という体裁の授業ではありません。むしろ、私たちが身の回りで現実に直面しそうな倫理問題に、倫理学の学説を携えながら切り込んでいく、というのが主要な作業となります。したがってまた、高校で「倫理」をすでに履修しているか否かは、この講義の理解の度合いにはほとんど全く影響しません。
遠隔授業
/Online class
遠隔授業/Online class

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