収益認識基準としての実現主義


 収益が企業が創り出した価値であるとすれば、企業の営業過程の進捗に応じて収益が発生している。左図のとおりである。しかし、会計では、商品販売等による一般の収益は、企業の営業過程の進捗に応じて認識されるのではなく、販売時点で認識される。
 このような収益認識の基準を実現基準という。


収益実現の要件

 収益が実現したと判断されるのは、下記の2つの要件を双方とも満たした時で

ある。



(1) 取引の相手側に財またはサービスの引き渡しがあった。

(2) その対価として、企業が支払手段として自由に使える貨幣性資産等(自由選

  択性資金)を受領した。



 通常の商品販売では、販売時点で上記2つの要件が満たされていると判断される。

特殊な販売形態では、以下のように収益実現の時点が判断されている。



試用販売

 試用販売とは、商品などを相手側に一定期間試用させ、相手が買い取りの意思表示

をして販売が成立する販売形態である。使用期間中は、すでに商品を引き渡している

が[要件(1)]、相手が買い取りの意思表示をしない限り対価の受領という要件は満た

されない。したがって、使用期間中は収益を認識せず、相手側の買い取りの意思表示

をもって[要件(2)]収益の認識時点とする。(「企業会計原則」注解6(2)参照。)



予約販売

 予約販売で、あらかじめ予約金を受領している場合、対価の一部または全部を受領

している[要件(2)]が、まだ、商品等を引き渡していないので収益を認識しない。

商品等を引き渡した[要件(1)]時点で収益を認識する。