現金主義会計と発生主義会計
収益を現金の収入時点で認識し、費用を現金の支出時点で認識する
会計は、もっとも素朴な会計といえる。これを現金主義会計という。
収益とは企業が創り出した価値であり、費用とは価値を創り出すた
めの価値犠牲である。したがって、現金の収支があるなしにかかわら
ず、価値が発生した時点で収益を、価値が消費された時点で費用を認
識するのが合理的である。このように収益および費用を発生時点で、
または発生期間に認識する会計を、発生主義会計という。
いうまでもなく、現在の企業会計は発生主義会計である。
例示によって、現金主義会計での損益計算と発生主義会計での損益
計算とを比較してみる。
A商店の6月中の取引は下記のようであった。6月中の損益を現金
主義会計と発生主義会計で行ってみる。
6月1日 向こう3カ月分の火災保険料¥12を現金で支払った。
6月2日 余市商店から商品(@¥10、12個)を仕入れ、代金は
¥20を現金で支払い、残額は掛けとした。
6月10日 先に仕入れた商品10個を帯広商店に@¥15で販売し、
代金のうち¥50は現金で受け取り、残額は掛けとした。
6月20日 従業員に6月分の給料¥10を現金で支払った。
現金主義会計
| 費用 | 収益 | 説明 |
| 6月1日 | 12 | | 現金支出額 |
| 6月2日 | 20 | | 現金支出額 |
| 6月10日 | | 50 | 現金収入額 |
| 6月20日 | 10 | | 現金支出額 |
| 純利益 | 8 | | |
発生主義会計
| 費用 | 収益 | 説明 |
| 6月1日 | 4 | | 1ヶ月分は\4。 |
| 6月2日 | | | 仕入れによって利益は生じない。 |
| 6月10日 | 100 | 150 | 犠牲にした商品\100、生み出した価値\150。 |
| 6月20日 | 10 | | 消費した労働サービス\10。 |
| 純利益 | 36 | | |