3. 日本における会計の発展


 わが国における近代複式簿記の導入は、明治以降になる。福澤諭吉がアメリカの簿記書を『帳合の法』として翻訳出版したのは1873年(略式…単式簿記)および1874年(本式…複式簿記)である。また、イギリス人のシャンドが大蔵省で口述した内容を翻訳したものが1873年、『銀行簿記精法』として出版された。

 この『銀行簿記精法』は、わが国最初の株式会社である第一国立銀行をはじめ、その後設立された多くの国立銀行に統一して実施させるために編集されたものである。したがって、簿記上の用語も含めて、わが国の会計に大きな影響を与えた。

第一国立銀行(1873年開業)



 また、法制度では1890年に「旧商法」が、今日につながる「商法」が1899年に制定されている。1887年には「所得税」が、1899年には「法人税」が制定された。
 第2次大戦後、アメリカの証券法および証券取引所法をモデルにして「証券取引法」が制定された。証券取引法は、健全な証券市場の育成のために、会計情報開示の役割を重く見ており、現在のわが国の会計開示制度に大きな影響を与えている。

 また、税法は会計帳簿にもとづいた自主申告を原則とし、会計に大きな影響を与えている。