リトルトン(A.C.Littleton,"Accounting Rediscovered,"1958)によれば、19世紀前半のイギリスで会計の第1の「再発見」が行われた。簿記から財務会計への進化である。財務会計の発展も産業革命の産物であった。
産業革命は機械による大量生産を可能にし、人々の暮らしや考え方に大きな変革をもたらした。機械による大量生産は、多額の資本を必要とする。多額の資本調達は、株式会社制度を導入することによって可能となった。株式会社は、多数の株主から多額の資本を調達するのに適した制度である。しかし十分な計画もなく、会社を設立し、資本を集めるだけ集めておいて詐欺的に倒産する例があとをたたなかった。
詐欺的な株式会社の設立、倒産から株主を保護することが必要となり、その保護策を会計に求めた。すなわち、会社の財務諸表を公表させ、株主に投資のための判断材料を提供することである。同時に、監査によって財務諸表の信頼性を確保することである。これらの保護策はイギリスの会社法に採り入れられた。
会計の第1の再発見の意義は、本来企業の私的計算技術である会計を、企業外部の利害関係者の保護という公益(public interest)のために用いたところにある。