HEAD OF THE CHARLES
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| ―10月19日(土)〜20日(日)― |
| 第38回 HEAD OF THE CHARLES 昨夜の晩餐会の帰り道、チャーリーに「Great experience!」と礼を言ったら、「明日とあさってはもっとすごい経験になる」と言われた。チャーリーの奥さんは「この日だけボストンの人口が20万人増える」と言っていた。初日は朝早く艇庫に来たがレースは12:00から。時間があったので9:30頃公衆電話から茨戸に電話をかけ折内と話す。とても電話で伝えきれないことばかり経験しているという事実に初めて気がつく。 チャールズ河に戻る途中、DUNKIN’DONUTSで初めてドーナツとコーヒーを買う。はっきり言ってアメリカのミスタードーナツである。フレンチクルーラーは日本のそれと比べて少し固め、それより味が大ざっぱ、というかストレートである。日本のほうが微妙な味付けをしているような気がする。やっぱり日本の方が好き。それよりも昼に河辺に並んだ屋台で買ったメキシカンバーベキュー($8で一皿盛り付け放題)で食べたライスのまずいこと!パサパサで変な臭いがした。肉と一緒にかき込んでごまかした。 でもレースの方はまさかこれ程の盛り上がりとは思ってもみなかった。別にHead of the Baratoと比べたからという訳ではないが、これはボートレースと言うよりはFestivalに近い。札幌で言えばYOSAKOIソーランみたいなものか。参加クルー約1,500(1,500人ではない!)、それを支えるボランティアが約1,000人。レース当日の地元新聞Boston Grobe朝刊には観客数を30万人と予想していた。でも3マイル(約4.8km)のタイムレース、ただ目の前を次々に通り過ぎていくボートを見るために30万人の観客が河に集まると言う事実はにわかには信じ難い。しかし、アメリカ本土はともかく世界中から国際級のアスリート達が集結するところを見ると、その権威たるやいきなりポンと日本からやって来た田舎者には到底うかがい知れないものなのだろう。 チャーリーのクルーはr.34で漕ぐと言っていた。ほとんどロングというより2000Mに近いのかもしれない。あの曲がりくねった河でタイム短縮を図るのだからコックスも大変だろう。思うに、英語だと激を飛ばすのを聞いていてもなんとなくかっこいい。律儀にイベントの本数をワン・ツー・スリー・・・と数えている以外何を言っているのかよくわからんが。 見る側にとっての楽しさもさることながら、漕ぐ側の質の高さも見逃せないものがある。クラブチームのレベルもバカにできたものではないし、軽量級、ユースのチームにも見るべきものが多かった。しかし最も今大会で印象に残ったのはChampionship women singleのNekova選手、ブルガリアのシングルスカル代表にして、今年の世界選手権の覇者、world recordの持ち主である。同大会銀メダルのドイツ代表を抑えて優勝。何といっても圧巻はレース終了後のエキジビジョンで行なわれたスプリントレース。おそらく1000mも無かったと思うが、そのときの彼女の漕ぎは今でも眼に焼きついている。何だあの漕ぎは、と思った。ドイツ代表(名前をなんと読むのかわからない)が、いわゆるワンヒット、足と上体と腕を同時に飛ばしきるのに対し、Nekovaの場合まずレッグドライブからしなやかに艇を動かしたかと思うと、ミドルから更にそれと同じくらい強烈なバックスウィングと腕引きが飛んでくる。それが見事なまでにコネクトされている。当然それがコネクトされていなかったらただの二段漕ぎであるが、彼女の場合、常人の二倍の加速を生み出しているかのようだ。あんな漕ぎをされたら誰も勝てないだろう。ちょうど自転車に乗ってレースを見ていたチャーリーに声をかけたら、「She's amazing」と感嘆していた。あと2〜3年は彼女の時代が続くのではないだろうか、と思った。でもあの漕ぎを商大持ち込むには注意が必要だ(Rowingに限らず何でもそうだが)。「Nekovaのような漕ぎが出来るようになりたい」と思って体を鍛えようとするのはいいが、「Nekovaのような漕ぎをしていれば早くなれる」と考えるのはちょっと違う。彼女だから成し得た漕ぎであるというのが大前提である。ドイツ代表だって、決してテクニックが荒いわけでもないしボートも走っている。事実去年の世界選手権ではNekovaに勝っているのだ。当然「漕ぎ方」だけの問題ではない。ボートを速くするという事は奥の深い科学を勉強しているかのようである。だから単科大学(College)より総合大学(University)の方が有利というようなことをまことしやかに言ってた人がいたことを思い出した。確か戸田の飲み屋でたまたま隣にいた酔っ払いだった。自分はそうは思わないが。 帰りに中井さんへのおみやげ(レースの記念キャップ)を購入する。 土曜の夜はチャーリーの知人で日曜のレースに出場するDavaさん宅でパーティー。レース前日とは思えないくらい飲みまくっている。ビールはやっぱり日本のが美味しい。雰囲気のせいか3本くらいで気分が悪くなった。そして日曜の夜は、チャーリーの子供のピアノの先生のお宅で夕食にお呼ばれ。ご主人が日本人で、タフト大学の日本文学教授なのだそうだ。久々に日本語で会話をする。ここでもご主人がキッチンに入って料理をして、その間奥さんはチャーリー夫妻とリビングで話しこんでいた。ダンナが家事をする、というか夫妻で分担するということに関して違和感がないのだろう。そんでもって出てきた「teriyaki chicken」の美味しいことといったら。ごはんもちゃんとジャーで炊いたもんだから、屋台で食べるレベルとは天と地の差がある。ひさしぶりにごっつぁんしてしまったが、かといってアメリカンフードが自分に合わないという訳ではない。サンドイッチは初め野球のグラブみたいなでかいのが出てきて驚いたが、パンの種類も多くそろっているし肉とも良く合う。ダイエットコークで流し込めば完璧である。ホットドッグも見た目よりずっとパンもソーセージも美味しかった。どちらも大ざっぱで簡単な食べ物ではあるが。自分はロクに英会話も出来ないくせに胃袋だけはインターナショナルである。 |