北に一星あり
−小樽商科大学の発展をめざして−

第1集 概要
1994年3月発行


 自己評価委員会は、平成4年の発足以来本学における自己評価活動の骨格作りにその力を注いできた。その成果の一端が本報告書である。本報告書を作成するに当たって本委員会は、(1)報告書は、全学網羅的なものとはしない、(2)点検項目は、5年サイクルをめどに一巡すること、という基本原則を定めた。本報告書は、その原則に則った第1号に当たる。その原則の下に鋭意取り組んだのが、教育活動関係項目である。今回は、特に「カリキュラム」「履修」「授業」の3項目に重点を置いた。その成果が、「第3章 一般教育問題」ならびに「第4章 教育活動の現状と課題」である。

 第3章は、「大綱化」を承けて、一般教育問題改革のために設けられた「教育課程等検討委員会」と本委員会との連携の産物である。最初、一般教育に関する各学科・系の評価意見を本委員会が集約し、それを一定程度反映させながら同委員会は、独自の改革試案を作成した。そうした議論の積み重ねとして第3章は結実している。

 一方、第4章は、教育活動に関する自己主張の場である。本報告書が他にみられない特徴を持つとすれば、点検・評価に当たって各学科・系が「自己評価」を行うとともに、それぞれが独自の立場から他の学科・系に対する「他己評価」を展開しているところである。そこにはおのずから自らの専門科学的立場が如実に現れてこざるをえない。かかる多軸的な論議を包括的に要約しようとすれば、最大公約数的な平板な報告に終わってしまうのを委員会は危惧した結果である。

 また、これらと平行して、本学の論議の要としての「教育理念・目標」を第2章にまとめた。今後、これを軸に本学の将来構想を展開させることが出来る訳で、論議の一層の深化が待たれるところである。

 以下、第5章「大学院」では、社会人教育に向けての編成替えとしてのコース制の導入の動きを取り上げている。これまで開講科目編成に偏りがみられたのを、専門の各学科それぞれの大学院コースを具有する形への改革の歩みを取り上げている。

 第6章は、学内組織である「経済研究所」が、いかに国際化時代に国際的な経済の激動と地域の動きを大学として有機的に結び付けられるかの展望を論じている。第7章は、80周年記念基金の援助の下に急激な展開を見せ始めた「国際交流」問題を論じている。小規模の単科大学が設備や条件の劣悪さの中で悪戦苦闘している姿を少しでも理解して戴ければ幸いである。第8章は、地域にある大学が早くから地元の要請に応える形で公開講座を提供してきた歴史を紹介している。

 第9章は、本学での本格的な学生の意識調査としては近年にない、アンケート調査報告を載せた。第3章、第4章とあわせ読んで戴けば、教える側と教えられる側との期待と現状認識の対比が身近なものとしてお分かり戴けるものと思う。


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